天才に拠る天災
掲載日:2025/09/04
原初、私は天才で或った。その姿はまるで此の惑星を創造し神のような秀逸さで或った。しかし、故に私は業を背負いし人閒へと成ってしまふ。その過程は計り知れない程の苦惱と煩惱が鬼畜のように降り注いでくる物だ。
壱章 原初
一九〇六年、かの夏目漱石が「坊っちゃん」を發表し、韓國總督府を政府が設置した激動の時代に私は生を受けた。「トウケイ」の江戸っ子として生まれた私は、東の都とされ學者の集る其處でさえ天才と稱されるほどの成長ぶりであった。又、私は、當時にしてはかなり裕福な家庭の一員として生を受けたため、勉學にも人一倍勤しんだ。然し、私は齡が陸になった頃、勤勉さが評價されていた私も「驕り」と言ふものを覺えた。それは餘りに怠惰な物で或った。が、天才で或ったが故に其の事實を顧み無かった。然して、學制に依り、私は尋常小學校へと進學した。其處に、永遠〈トワ〉の友人と成り、好敵手とも成る靑年、否、天才と稱せる神のやうな恐ろしい存在と巡り合ふ事と成る。




