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『書くことが好きなだけじゃ、書き続けられない』
書きたい。
ただそれだけの気持ちだった。
上手くなりたいわけでも、バズりたいわけでもない。
――なんて強がりを言ったのは最初の一週間だけだった。
気づけばブックマーク数を気にして、評価ポイントを睨みつけ、更新時間に悩み、
自分の作品の“価値”を、誰かの“いいね”で測っていた。
「この作品、本当に面白いのかな」
「もう、やめたほうがいいのかもしれない」
夜中にスマホの画面を見ながら、ため息を吐いた。
でも、それでも。
ふとしたときに浮かんでしまうセリフがあって、
頭の中で動き出すキャラクターがいて、
どうしようもなく、その世界に戻りたくなる。
プロでもなんでもない。
締切もないし、読者も少ない。
だけど、画面の向こうに、
「待ってました」と言ってくれる誰かが、ひとりでもいたら――
それだけで、続きを書く理由になる。
たった一行、進むだけでもいい。
今日もまた、空白のページに、物語を刻む。
素人作家の、不器用で、でも本気の創作