祠の呪い
[動骸山の麓]
「はぁ…はぁ」
旅館から走ってきた鷹田は山の麓で少し休憩をとる。そして休憩中の鷹田の元へ小咲が走ってくる。
「はぁ…はぁ……えっと、鷹田くん…」
「小咲さん…何で…」
小咲「旅館で愛莉ちゃんが消えたのは、鷹田くんのせいなの!?」
「……それは違うな。解析してもらった結果、あの呪いは遅かれ早かれ起きたよ」
小咲「呪い…じゃあ…助からないの…?」
「いいや違うね、助けるために来たんだ」
そう言って鷹田は山の中へと入っいく。そしてそれに追随しようとする小咲に、鷹田が旅館へと帰ることを言い出した時、突然辺りを白く濃い霧が覆う。
「進むしかないか…着いてきて小咲さん、絶対に離れないで」
「は、はいっ!」
2人は山道というべきか分からない道を歩く。そして途中で途切れた道から、鷹田はスマホを見て2人は山の中へと入っていく。そしてある程度進んだ時、鷹田は何かを感じ取っていた。そして茂みの方を見た鷹田は確信した。
「あの、子咲さん」
「う、うん!」
「後ろ向いてて」
小咲は鷹田の言われるがまま後ろを向く。そして鷹田は自身の前の茂みを掻き分ける。そこには所々にヒビ の入った骸があった。鷹田は飛びかける意識を寸でで保つ。そして、木々や他の茂みからなる音に気づいた2人はお互いに振り返り目を合わせる。そして2人は木々やの裏や茂みの隙間から歩く骸骨を発見した。鷹田は驚愕し、小咲は萎縮し地に崩れた。
「あ... あ.....あぁ」
歩く、ガイコツ!? 子咲さんは... 駄目だ完全に怯えてやがる!... まさかっ!! 後ろのガイコツは!? くっ、起ようとしてる!! ここは、何とかしないと!!
鷹田は小咲を姫の如く抱えて、迫る骸の間を抜けてその場を凌ぐ。そして2人は森の奥へと誘われていく。
鷹田「ここまでくれば…」
小咲「そ、そうででですね、だ…大丈夫だよね…」
鷹田と小咲は骸骨から逃げて森の奥へと踏み込んでいた。そして2人が辺りを見ていると、ちょうど2人の後ろに祠があった。
「祠……元凶か…!」
「この祠が原因で……でも何で…」
「調べるしかない……!!」
鷹田は祠についている小さな扉を開ける。そこには御神体が置いてあるだけだった。手のひらサイズの御神体は祠と一体化していた。
「ねえ、鷹田くん……この祠、落書きが…」
鷹田「本当だ……だったら…」
鷹田はハンカチで祠を拭く、落書きはすっかり落ちていた。落書きを落とすと、鷹田は頭を抱えた。
「な、なんだ!うっ…!!」
{聞こえるか?少年}
「誰だ!?」
「え…だ、大丈夫?」
{貴様にチャンスをやろう。我の気分が変わらぬ内に決めろ、あの少女達を助ける覚悟はあるか?}
鷹田「ぐっ!脳内に直接!?……あるよ!救ってやるさ!!」
鷹田がそう言うと2人の意識が徐々に薄れてゆく。やがて二人共意識が消える。
そして鷹田が目を覚ますと、鷹田はコンクリートを白く塗装したような壁と床と天井に囲まれた空間を認識する。鷹田が身体を起こして辺りを見渡す。鷹田の横には小咲が横たわっていて、そして自身の視界内に入る3つのドアと部屋の中央にある机、背後を確認するとそこにはドアがもう一つあった。鷹田は小咲を起こし、机のほうへ歩いてゆく。
鷹田と小咲が机を確認する。机には紙と皿が置いてあった。皿の上にはハートの形状をした赤と青がの金属製の何かがあり、手紙には『赤く染まった落葉に、青い空が長く続く中、黄色い粒子は風に乗る。碧の結晶光る時、紅を模して飲み込む。』と書かれていた。
「ねぇ鷹田くん、これは…暗号か何か…かな?」
「多分そうですね、話的に……」
!!!!!!!!
「これ!季節か!?」
「季節……落葉が秋なのはわかるけど、でも他って……?」
「青い空が長く続くのは多分夏至のことを言っているから夏の事。黄色い粒子が花粉かな?そしてわざわざ碧の方の緑を使ってるに、冬の話だと思う。そして前後左右にある扉は赤青黄緑の四色。順番通りに行けってことか?」
「そして紅がこの心臓みたいなことを言ってるとしたら…」
「まあ…とりあえず黄色い扉に行こう」
鷹田と小咲は紅の物を持って黄色の扉へと行く。そして鷹田は扉へ聞き耳を立てる。しかし鷹田には何も聞こえなかった。2人は赤い扉を開けて入っていった。
【黄色い扉の部屋】
赤い扉の部屋の内部は二人にとっては見慣れたようで見慣れない学校の教室だった。その教室は黒板やロッカーなど一般的だが違った点があった。それは机と椅子が部屋の中心に積み上げられている事だった。鷹田は積み上げられた山の上に、天井と鎖で手を繋がれた骸骨を見つける。そして小咲が掃除ロッカーを開けようとした時、「待って!」と鷹田がとめる。その掃除ロッカーからボロい布切れが出ていることに気づいた鷹田が小咲をそれから離れさせる。そうして2人は黒板を見る。黒板にはミミズが這ったような文字で何かが書かれていた。
「なんだぁこの解読不能は」
「………これ、平仮名かな?」
「え?小咲さんわかるの?」
「うん、読みづらいけど最初の列は『いろはにほへと』って書いてあるからいろは歌のことかな……それ以外はなんにも書かれていないね」
「マダヤッテナイ……ジュギョウカクサ…」
「え、あ…………あうぅぅ…」
縮んじゃった
「小咲さん次は青い扉の部屋に行こう」
「う、うん!」
2人は黄色い扉から先ほどいた白い部屋へと戻って来る。そして2人は再度その部屋に目星をつけてさらっと辺りを見渡す。小咲は手紙と皿のあった机の下に黒いメモ帳とボールペンがあるのを発見し、鷹田は何もないところでつまずいて転んだ。そして2人は青い扉の方へと向かって行った。