第5話 いざ洞窟へ!
次の日、2人は部屋で準備を整え部屋を出た。太陽は、昇ったばかりかまだ若干の暗さもあった。ハルが、
「トウヤ、こんなに早く出なくても良くないか?」
朝があまり好みでは無いハルは、眠そうに目を擦りながらバックのポーションの数を確認していた。
「ハル、行けそうか?」
そう聞いてきたのは、朝から元気そうにパンを食べているトウヤだった。
「あぁ、トウヤ行ける」
「よし、じゃあ行くか」
2人は、村を出て東へ向かい始めた。
「ハル、そっち行った」
「オッケー、任せろ」
洞窟に向かう途中にモンスターと何回か戦闘になったが2人は、息のあった連携で倒していった。そして、
「よし、着いたな」
「ハル、洞窟の中暗くないか?」
ハルの言う通り、洞窟のため中は真っ暗だった。しかし、ハルが
「そんなこともあろうかと、持ってきておいた」
ハルは、バックの中から片手で持てるサイズのランタンを2つ持ってきていた。
「ハル、流石だな」
「それほどでも」
2人は、ランタンを片手に洞窟の中へと進んで行った。
進むと、モンスターが出てくるようになった。骸骨のモンスターや幽霊っぽいモンスターなどと戦闘になった。
「ハル、こいつ剣が効かない」
トウヤは、襲ってきたオオカミの幽霊モンスターに剣を振っていたが全く当たる気配がしなかった。
「トウヤ、当たり前じゃないか」
ハルの言う通り幽霊モンスターには、物理攻撃は当たらないのである。トウヤはそれに気づくと剣魔法【フレイム・ストライク】を放ちオオカミの幽霊モンスターを倒した。
「ハル、知ってるなら言ってくれよ」
「倒せたからいいでしょ」
「確かに、まぁいいか」
2人は、その後もモンスターと戦闘になったが弱点に気づいてからは次々とモンスターを倒して行った。2人は、洞窟の半分ぐらいまで来ていた。そこには、剣を持った骸骨モンスターがいた。
「これがボスモンスターか?」
「トウヤ、多分違う」
ハルは続けて、
「ボスモンスターは、盾を持っているって書いてあっただろ」
この骸骨モンスターは、剣を持っていても盾は持っていなかった。
「ハル、サポート頼む」
「了解、任せろ」
2人は、骸骨モンスターとの戦闘に入った。まず、トウヤが先手必勝とばかりに剣魔法【フレイム・サーグリッド】を放った。骸骨モンスターは、剣でそれを受け流しながら反撃しようとするがそこにハルが撃った攻撃魔法【シャイニー・フレイム】が直撃した、骸骨モンスターは体勢を取り戻しかけた、その時!
トウヤが剣魔法【フレイム・ストライク】を骸骨モンスターの胸の辺りに突き刺した。
2人は、骸骨モンスターと戦った部屋を後にした。
その後、2回ぐらい階段を降り、そして
「トウヤ、この中にボスモンスターがいるのか」
2人は、巨大な扉の前に立っていた。
「ハル、準備万端か?」
「トウヤ、もちろんだ!」
2人は、勢い良く扉を開けた。部屋の奥から壁にかかっている松明が次々に燃えていく。少しずつ明るくなって行くので2人は、ランタンをその場に置いた。そして、トウヤが
「あれが、ボスモンスター」
2人の視線の先には騎士の形をした石像があった、両手には大きな盾を持っている。
石像のモンスターは、2人を認識したと思うと、盾を地面に叩きつけた。すると、そこの場所から衝撃波が2人に向かってきた。間一髪でそれを避けるとトウヤは、盾に剣魔法【ブラスト・トリガー】を撃ったが、盾には傷どころか、燃えた後もなかった。ハルが続けて攻撃魔法【フレイム・バースト】を放つがそれを石像のモンスターは盾で受けた。やはり、盾には傷1つつかなかった。2人は声を合わせて言った、
「「こいつ、魔法が効かない!?」」