第3話「打倒魔王ならぬ、打倒皇帝!」
※「発言など」※【心の声】※
【勇者?今、本当に勇者って言った?】
小川:「勇者とは、どう言うことですか?」
村長:「かつて、この地に逃げ延びた残党軍より伝えられし勇者選抜試験。それの合格者が君たちだ。」
村里:「なるほど、転生者を摘発して何をするつもりなのかと身構えていたわ。」
悠樹:「勇者ということは、僕たちに魔王でも倒してもらおうということ⁈」
村長:「魔王、確かに奴は魔の王だろう。かつて、我々は帝国に挑んだ。帝国の脅威を取り除くために。しかし、連合は敗れ、大陸に連合の民達を残し、残党軍はちりじりになり、その内の一つがたどり着いたのが、このアジトだ。我々は何百年もの時を帝国皇帝打倒のために過ごしてきた。残党軍の英雄より伝えられし、勇者選抜試験の合格者を待ちつつ。」
小川:「帝国とアジトでは、国力に違いがありすぎる。帝国に挑んでから何百年も経っているなら、差は挑んだ時よりも開いている。それをたった6人の勇者だけで覆せるのですか?」
村長:「いや、覆す必要はない。帝国は皇帝の独裁で動いている。」
小川:「皇帝を倒せば、跡目争いで帝国が分裂し、弱体化するということか。しかし、一代の皇帝が何百年も続いているわけではないだろう?本当に分裂するのか?」
村長:「もちろんだ。独裁が故に、跡目争いは毎回起きているが、最終的には皇帝が王位継承してから死んでいるから分裂していないだけだ。」
田中:「よく分からないけど、6人で1人を狙えば良いのね?」
塚本:「皇帝を倒すには護衛も倒す必要があるでしょう?そんなに簡単な話ではないよ。」
松田:「そういう話なら、皇帝を倒すのは俺に任せて、お前らが護衛を相手にしていれば良い。」
悠樹:「あまり、自信過剰にならないほうが良い。護衛とは極力戦闘を避けるべきだよ。」
小川:「藤島君の言う通りだ。余裕がある分には良い、皇帝を暗殺する気でいたほうが良い。」
村里:「話がまとまったようね。」