悪魔との対面
どうも、エヴァの二次創作をあさる男。
サイト消滅多すぎて名作が消えてて涙出る。
「ドウゾ、おかけください。」
薄気味悪い笑みを張り付けたまま、ブラック・デビルは二人をソファへと案内する。ピアニスは平然と、そしてアニスは訝しみながらソファへと掛けた。二人の対面に座り、フィンガースナップを鳴らす。すると、どこからともなく煙草をくわえた女がコーヒーを2人分、そして紅茶を1人分持ってきた。コーヒーはそれぞれブラック・デビルとピアニスのもとに。そして紅茶はアニスのもとに置かれた。
「あら、一人だけ紅茶なのですわね。」
「ええ。皇太子殿下に無礼があってはいけませんから。」
ピアニスの言葉にニタリと笑うブラック・デビル。どうやらこちらの情報は筒抜けらしい。証拠にわざわざコーヒーよりも紅茶を好むアニスに紅茶を持ってきた。
ピアニスは平然と出されたコーヒーを口にする。だがアニスは手を付けなかった。各々の反応を見ながらニタニタと笑う悪魔。そして、唐突にピアニスは口を開いた。
「……で、貴方の目的は何ですの?」
「んん~~??目的とは?」
何が何だか分からないと言う風に言うブラック・デビル。だが、彼の口端は三日月のように吊り上がっている。
「惚けないで下さる?貴方、ここまで大勢の人を虜にする煙草を創り上げ、尚且つその人々を操るなんて真似をしておいて、何の目的もない。じゃ、済まされませんわよ?」
「フフフフフ……私に目的など本当にありませんよ。」
なおも惚ける悪魔。だが、何かを思いついたかのようにポンッと、手を打つと彼はこう言った。
「まあ、強いて言うならば我々悪魔よりも脆弱な人間が私という行為の存在に必死に知恵を働かせ、時には利用し、時には討伐しようとするその滑稽なさまを見るのが楽しいから……本当に私に目的などない。ただの暇つぶしです。」
「……ではなぜあなたは脆弱な人間の中におとなしく封印されていたのですか?」
「……」
ピアニスの問いかけにニタニタとした気持ちの悪い笑みを返すブラック・デビル。そんな悪魔を尻目にピアニスは懐からシガレットホルダーと缶ピースを取り出し、吸い始めた
「……私だけ吸っているというのも失礼ですわね。一本いかが?」
そういってピアニスはブラック・デビルに缶ピースを差し出した。ブラック・デビルは缶ピースを受け取ると、まじまじと中身を見つめ、こう言った。
「んん……残念ですがあなたの吸っているもの以外は吸えないようですねぇ。」
ニタリと笑うブラック・デビル。額から冷汗を流すアニス。そして、口端を釣り上げ、にたりと笑いながらタバコを吸うピアニス。
そう、ピアニスはこの煙草にある仕掛けを施していた。それは、煙草をまく紙を聖書の紙片に変えていたのだ。古来より悪魔は聖書を恐れると、御伽噺でも書かれており、ピアニスはそれを信じ、聖書の紙片を煙草を巻くのに使ったのである。
そして、結果として失敗したが、どうやら本当に悪魔は聖書を忌避するらしいと、先のブラック・デビルの反応からうかがえる。
「プッ!!」
ピアニスは息を吹き、シガレットホルダーからブラック・デビル目掛けて煙草を発射した。ブラック・デビルはまるで置物を取るかのように煙草を受け取ると、そのままスパスパと煙草を吸い始めた。
「ん~やはり缶ピースはうまいですね。久々に吸いましたがやはり、いい煙草だ。」
「……」
上機嫌で煙草を吸うブラック・デビルを見つめるピアニスとアニス。そして
「では……」
ブラック・デビルはピアニスから受け取った煙草をピアニスに向かって指で弾き、高らかに叫んだ。
「この煙を開戦の狼煙としましょう!煙草式魔法四式“ポイ捨て”!!」
部屋が爆炎に包まれた。