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我は一体何を間違えたのだ

一体何がどうなっているのだ。


「第一、第二部隊より入電!“我潰走の危機にあり。繰り返す我潰走の危機にあり”」


「第四部隊、謎の爆発に巻き込まれ重傷者多数!戦線復帰は絶望的です!」


「第三部隊、塔に突入するも呼吸困難を起こし全滅!目標は健在です。まっすぐこちらへと向かっている模様!!」


次々と伝えられてくる我が軍の状況。その全てが敗走というのは一体どういうことなのだ。しかも相手はたった一人の貴族令嬢だというのに。


私はザンゲルツ・ゲバル。クリーニアの宰相であり、侯爵の爵位を持つ国王の右腕だ。


私、いや、我らクリーニアには野望がある。それはこの世界を手中に収めること。そして煙草という悪しき物を一つ残らず滅ぼすこと。


“我のあずかり知らぬところで世界が汚れていくのは我慢ならん。この世界を全て我の物とする。そして人も空気も汚すあの忌々しい植物は一つ残らず殲滅する、”


我が王の言葉だ。


我が王は住民を徹底的に管理する魔法を構築。これにより国民を統括し、少しでも国を汚す者があればすぐに処刑し清潔を保った。


だが、それでは足りないと我が王はこの世界の全てを手に入れ決定的に掃除すると、この世界を手中に収めるための計画を創り上げた。


我が娘のマーラスをセレスティン帝国の皇帝へ嫁がせることにより、帝国内部の情報をクリーニアへと流させ、その情報を用いて弱体化させ、最終的には帝国を手中に収める。そして、最終目標である大魔道師ニッコレートの預言書に書かれていた“古の黒い悪魔”を復活させ、この世界を牛耳る。我が王の素晴らしい計画は順調に進んでいた。


ベイパーとも秘密裏に協定を結び、戦争を起こす振りをして帝国の広大な煙草畑もあと一歩のところで滅ぼすことができた。


だが、計画に邪魔が入った。


マーラスの側仕えとして帝国に送り込んでいた魔物使いから報告のあった公爵令嬢セブンス・ピアニス。


彼女のおかげで煙草畑の殲滅作戦は失敗。それどころがこちら側の賠償を帝国は求めてきた。だが、我が娘マーラスのおかげで交渉の会談では邪魔者である皇太子を追い出すことができ、尚且つピアニスを我が国の人質として幽閉することが決まり、後に何かしらの理由を付けて処刑してしまえば計画は大きく進む。


魔法の天才である彼女だが煙草が無ければ何もできない。だから煙草を密造しようとするはず。そう報告を受けていた私は彼女の持ち物を全て没収し、彼女の侍女達も牢屋へと閉じ込めた。


失敗は無かった。そう思っていたのに。


「第五部隊、壊滅しました!!」


「ええい!精鋭揃いの第六部隊を出せ!城を吹き飛ばしても構わん!!最大火力で敵を葬るのだ!!」


「了解!」


私の指示で伝令役が部屋から駆けだして行き、数分後大地を揺るがすかのような巨大な轟音と何かが崩れる音が聞こえた。


そして暫く静かになる。


ようやく終わったか。


安堵し、背もたれに全体重を掛けながら座っていると、扉が勢いよく開かれ一人の兵士が飛び込んできた。


「っゲバル様!!早くお逃げください!敵はまっすぐ…ぐぁぁあぁ!!」


我は何を間違えたのだろうか。


帝国に手を出したことか?世界を手中に収めようとしたからか?


どのみち我が命は長くは無いだろう。


なぜならば


「見つけましたわ。ザンゲルツ宰相。いや、マーラス様のお父様と呼んだ方がよろしいかしら?」


煙草を咥えた美しい死神がそこにいた。


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あればあるほど気持ちよくなれるあの星をぉ

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