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なぜ会議中は煙草を吸ってはいけないのでしょうか?

ガタゴトと揺れる馬車の中、ピアニスは憂鬱な気持ちで煙草を吸っていた。理由は言わずもがな、わざわざ商業都市コマスまで出向き、会談会場での抑止力としてただ突っ立っているだけの役割を王太子であるアニスから頼まれたからである。


「はぁーー……気が乗りませんわ。どうせクリーニアの潔癖王の事ですから会談中に煙草でも吸えばそれを引き合いにこちらに非を被せてくるのは明白……煙草も吸えないなんて地獄ですわ……」


通常の会談であれば休憩時間中に煙草を吸いに行く、と言うことはままあり得るのだが、今回は会談の相手に異常なほどの潔癖と知られるクリーニアの国王がいるのだ。潔癖すぎて自国で煙草の流通を禁じたほどの男である。そのような人物がいる場所で煙草を吸えばどうなるかは火を見るよりも明らかである。


(殿下は私のことを抑止力と言っておりましたが、逆に両国の国王の逆鱗に触れる可能性もなきにしもあらずですわね。私も気を引き締めなくては。)


すでにピアニスの馬車の周りでは何者かが様子を覗っているようで、ピアニスは物が出す魔力を敏感に感じ取っていた。


「メビウス、どうやら尾けられているようです。危害を加えてくる気配は今のところありませんが、ウェアウルフ達に警戒を怠らぬよう伝えてください。」


「畏まりましたお嬢様。」


ピアニスにそう言われ、メビウスは尾行している物に悟られぬようウェアウルフ達に指示を出す。


「フゥー……せめて何もなければよろしいのですけどねぇ。」


何者かに監視されつつも、ピアニスは無事に商業都市コマスへと辿り着いた。


・・・・・


・・・


コマスに到着したピアニスはすぐにアニスが用意してくれた宿へと直行する。その間も何者かに尾行されていたがピアニスはさして気にするようなこともなく、コマスの中でも最高級の宿へと入っていった。


「お嬢様、会談は明日でございますが本日はどのようにお過ごしになられるので?」


「とりあえず……タバコ屋にでも行きましょうか。夕食はどうなっていますの?」


「本日はこの宿のすぐ隣にあるレストランを予約をしております。あと時間の程は6時からとさせていただきましたがよろしいでしょうか?」


現在午後の三時半。タバコ屋に行く時間は十分にある。


「わかりました。では私はそれまでタバコ屋の方へと行ってきますわ。」


ピアニスのその言葉にメビウスは若干眉をひそめる。


「お嬢様、護衛にウェアウルフを2体ほどお付けになってください。尾行されていた件も含め、今お嬢様は両国からの注目を集めております。くれぐれもお気をつけを。」


「わかりましたわ。では、誰でも良いから付いてらっしゃい。」


そう言ってピアニスは部屋から出る。次の瞬間、ウェアウルフ達による壮絶な殴り合いが始まり、一分後、殴り合いを制した2体のウェアウルフがピアニスを追いかけていった。




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