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私のお煙草タイムを邪魔しましたわね……よろしい、決闘ですわ!

ここはセレスティン貴族学園。セレスティン帝国の貴族の子息、令嬢のための学園で、魔法からセレスティン帝国の歴史、文化、社交マナーなど貴族として必要な教養を学ぶことが出来る学園である。セレスティン帝国の貴族の子息や令嬢は12歳からこの学園に入学することが義務づけられており、ピアニスもその例に漏れず12歳の頃からこの学園に通い始め、春期休暇も終わり、18歳である彼女はこの学園に通える最後の年となっている。


「で、この魔方陣が発動することにより、他の魔方陣も連鎖的に発動し……」


現在は魔法学の授業中である。他の生徒は真面目に板書されている魔方陣を羊皮紙に書き写しているが、ピアニスだけは退屈そうに煙草をぷかぷかと吹かしている。


「ではこの用法を応用して145階層の魔方陣をこの術式に組み込むとどうなるか、ミス・ピアニス!煙草を吸うくらい余裕がある方なら答えられるでしょう。答えなさい!!」


意地の悪そうな笑みを浮かべながら授業を行なっていた魔法学の権威、ファク・バーバラはピアニスに向かって言い放つ。バーバラはいつも魔法学の権威である自分の授業を退屈そうに煙草を吸いながら聞き流すピアニスに業を煮やしており、ピアニスに一泡吹かせてやろうと、通常の魔法学だけではなく、歴史学、数学などにも精通していなければ答えられない質問をピアニスへと投げかけたのだ。


だが


「半径10.59キロメートルに及ぶ獄炎魔法が発動し、その範囲にいた全ての物質は灰燼へと帰しますわ。補足説明を致しますと、この魔法に成功したのは500年前に存在したと言われる大賢者、ニッコ・レートのみとされています。」


詰まることなくスラスラと、まるで常識と言ったように語るピアニス。それに対してあんぐりと口を開けるバーバラ。その瞬間、授業終了を示すベルが鳴り響き、ピアニスに一泡吹かせるどころか自分が一泡吹かせられたバーバラは誰もいなくなった講義室で、まるで煙草の灰のように真っ白になっていた。


・・・・・


・・・


魔法学での一悶着が起きた後、ピアニスは食堂で1人昼食を摂り、その後学園の中庭で食後の煙草を楽しんでいた。


(ふふ……やはり食後の一服は無くてはならないものですわね。)


ピアニスが上機嫌で煙草を吸っていると、そこに近づく数人の人影が。


「やあピアニス。相変わらず元気そうだね。」


「あら、これはこれは皇太子殿下。ごきげんよう。」


人影の正体は現セレスティン帝国の皇帝の第一皇太子であるアニス・セレスティンと、王家直属の5人で形成された騎士団の子息達であった。公爵家令嬢であるピアニスは皇太子であるアニスとも交流があり、決して険悪な関係ではなかった。


煙草を吸いながらもしっかりと貴族の挨拶をするピアニス。そして、灰皿に置いておいた吸いかけの煙草を吸おうとしたところで


斬ッ


吸いかけの煙草が見えない何かによって切り刻まれ、跡形もなく霧散てしまった。ピアニスがゆっくりと振り返ると、正義感の強そうな男。王家直属の騎士団の内の一人、暴風騎士シュトゥルム家の子息であるヴィンドが怒りをあらわにしながらこう言い放った。


「アニス様の御前だぞ!不敬にも程があろう!!」


だがピアニスはヴィンドの怒りを目の当たりにしつつも、まるで見えていないかのように気にも留めていなかった。そして、制服ポケットから新しく煙草を取り出そうとして……


空ッ


箱の中は空っぽだ。どうやらアレが最後の1本だったらしい。


「……」


氷のような表情でグシャリと煙草の箱を握りつぶし、ヴィンドを睨み付けるピアニス。だがその態度が逆にヴィンドという火に油を注いだ。


「なんだその目は!まるで反省していないな!」


「反省……?人の物を壊しておいて反省せよとは。戦いの腕ばかり磨いて頭の方は全く鍛えておられないのですね。」


アワアワしながら2人を止めようとするアニス。だが、アニスを慕っているヴィンド以外の騎士の子息達もヴィンドの意見に賛成なのか止めようとはしない。


「良いだろう、その挑発を買おう。貴様のその腐った性根俺がたたき直してやる!決闘だ!!」


「ええ。丁度よく明日闘技場も開いているようですし、決闘は明日の放課後と言うことで。


こうしてあれよあれよという間に決闘が決まってしまった。



「それでは皆様ごきげんよう。」


アワアワとしているアニスには優雅に、そしてピアニスを睨み付けている5人の騎士子息達には氷のような冷たい目で睨み付け、ピアニスはアニスたち6人の元から立ち去った。


立ち去るピアニスの右手には、握りしめられすぎて、まるでダイヤモンドのように硬化した煙草の箱が握られていた。


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