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煙草の臭いが苦手な魔物もいると言うことをモット勉強した方が良いですわ

どうも


事務員の募集に落っこちた男

「ぐっ……」


無数の白蛇がピアニスの四肢を拘束する。その力は強く、ピアニスの腕力ではとても脱出は出来そうにない。


「足掻いても無駄だ。俺の使う白蛇は特別製なんだ。その拘束から逃れたくばドラゴンでもつれてくるんだな。おい!」


目の前にいる男の一声で何人もの白いローブを着た者たちがピアニスに近づいてくる。その瞬間、ピアニスの周囲一帯は煙に包まれた。だが、ピアニスの目の前にいる男は余裕の笑みを崩さない。


「無駄だ。お前の煙草魔法とやらは解析してある。俺達にお前の魔法は効かん!!」


ピアニスの目の前にいる男は勝ち誇る様な笑みを浮かべる。


そして煙が晴れると


「ば、馬鹿な…っっ!!!」


その表情は一転。驚愕に転じる。


なぜならば煙の中からピアニスが颯爽と姿を現したからだ。ドラゴンですら拘束することの出来る白蛇をふりほどいて。


「……蛇は煙草の臭いを嫌うことをご存じなかったのかしら?“魔物使い”様?」


蛇という生き物は煙草の臭いを大層嫌い、煙草の臭いを感知した瞬間、臭いの発生源から離れる特性がある。ピアニスはこの特性を利用し、煙草式魔法三式“副流煙”を発動させ、煙草の臭いをまき散らし、白蛇からの拘束から逃れたのである。


ピアニスが挑発するような目で白いローブの“魔物使い”を見る。


「なぜ…俺が“魔物使い”だと……?」


魔法を使う者達は自身の手伝いをさせる為に魔物と契約し、使い魔とする場合がある。だが、契約できる魔物の数には個人差があり、それは魔力の量などではなく、その者の素養によって契約できる魔物の数が決まる。その中でも契約できる数が人並み外れている者を人々は“魔物使い”と呼ぶ。


「簡単なことですわ。先程の白蛇から貴方様の魔力を感じたので、それを頼りに周りの探索をしてみたところ、あの白蛇以外にもこの周囲に貴方様と契約を結んだ魔物がいるようなので、貴方様を“魔物使い”と断定したまでですわ。」


「っっ!!!」


(ば、馬鹿な……!!この短時間で俺の魔力をたどり、契約した魔物達の居場所を突き止めただとっっっ?!)


このような芸当は誰しも出来るものではない。並外れたピアニスの魔法の才能がそれを可能としているのである。


「さて、やられたままというのはセブンス家の家名に傷が付きますわ。」


ピアニスが新たに煙草を咥える。それを見て魔物使いの男は


「くっ…か、かかれええええ!!!」


と、辺りにいた白いローブを着た者達に命じる。すると、その者達は一斉白いローブを取り払い、ピアニスへと襲いかかる。


「なるほど…彼らは人間ではなく“ウェアウルフ”人狼でしたか。」


人間かと思われた白いローブを着た者達はウェアウルフであった。それを見てピアニスは凄絶に笑った。



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