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ニャンズゲートを封鎖せよ!

やっとタイトルの話ができる・・・

 新しいビールを持ってきたアヤにミーシャは父の研究について聞いてみたが、これ以上は無理、と教えてもらえなかった。



「それよりも!金子クンってのは、町長の息子なの?金髪イケメン?」

「へっ?金髪?」

 イケメンはまぁ、否定しないが金子航は金髪ではない。少し茶色が強めのサラサラヘアーなだけだ。



「町長ってさ、金髪イケメンなんだよ!入学式で見なかった?」

「そういえば…。あの派手なおっさんは町長だったね。アレがお父さんなんだ…。」

 町長・金子ボイドは金髪のイケメン・・・イケオジ?イギリス人とのハーフで50歳くらいの年齢のハズだが、年齢よりはものすごく若く見える。町長は3期目だと言うから長い。ちなみにその前の町長も金子航の祖父だったりする。



「それで、その息子くんが何しにうちに来るの?」

 ちょっといたずらっぽい目でアヤはミーシャに尋ねた。



「よくわからないよー。とっても押しの強い人で…。勝手にニャンズゲート研究部の一員にされちゃうし、明日来る事になっちゃうし。もーやだよー。」

 今日あったことを振り返り、ミーシャは心底うんざりした。部室を片付けるのはまだいい。片付けたいのはミーシャで、誰も損をしないからだ。だが、訪問の受け入れともなれば色々こちらにも都合というものがあるのだ。ましてや猫の門を探すなんて…。と、アヤにグチグチと今日の出来事を話していくのだった。



「フゥン、猫の門がうちに、ねぇ…。そーね。そろそろかな…」

 そう、アヤが言いかけたところで、ソファの上で寝ていたルナとソルがムクッと起き上がりそろって玄関へ向かっていった。テトラは寝ている。

「えっ、もしかして父さん帰ってくる?」

 ルナとソルは、文殊が帰ってくるのがわかるらしく、必ずお出迎えをする。ミーシャもあわてて猫について玄関へ行く。



「ただいま。あー、ルナソル、ただいまぁ~。」

 少し疲れた顔をしながらも、いつものように穏やかな声で文殊は言った。

 ルナとソルが、なーおなーおと文殊の足にまとわりつき、それに足を取られながら文殊はリビングへ向かう。

「モンちゃん!おかえりぃ~!」

 ビールの缶をふりふりアヤはつづけた。

「先に手洗い!うがい!風呂!ね♪」



***



「うーむ、猫の門、か…。」

 今日あったことに加えて、金子航の研究内容を覚えている限り文殊に伝えると、眉間に深いシワを作りながら文殊は唸った。

「見つかるとは思えないが…その金子クンは猫の国に行ったことがあると言っているんだよね。となると可能性はゼロじゃないのか。」



 なんだか難しい表情をしながら文殊は考え込む。しばらくして、おもむろに文殊は言った。

「よし。明日はボクも立ち会うよ。」



「へっ?」

 予想もしなかった答えにミーシャの口からは変な声が出た。

「あっあっ!モンちゃんだけずるい~!じゃあ私も~!!」

 アヤが首を突っ込むのはいつものことなので気にしない。

 

 そういうやいなや、ふたりはスマホをいじりだす。しばらくして、

「いえーい!お休みゲット~!」

「うむ。ボクもオッケーだ。というか今後の研究に関わるから、立ち会わないわけにはいかないね。」

 ふたりとも、明日は家に居てくれるらしい。入学式にも居なかったのに。なんというか、ミーシャの心は複雑だった。



「ねー、父さん。父さんの研究ってなんなの?」

 ミーシャは聞きたかったことを聞いてみることにした。



「そうだな。この家のことだし、どちらにせよ金子クンには説明しなくてはいけないから、ミーシャにも聞く権利があるだろうね。」

 そう言うと、文殊は研究のことを話し始めた。

 

 文殊が携わっている研究は、表向きは『喜屋戸町再生プロジェクト』という名目になっている。喜屋戸町に本社を置く喜屋戸興業が後押しする町を上げてのプロジェクトだ。内容は、地方再生。なんの特色もない地方が生き残るために何ができるのか?という日本中どこに住んでいても直面するよくあるプロジェクトだ。しかし、それは表向き。もちろん、再生のために色々やることには違いはないのだが、このプロジェクトには裏の顔があるのだと言う。



 『猫の門・閉鎖プロジェクト』

 

 このプロジェクトに文殊は加わっている。

 まずは猫の門がなんなのか、という基本的な疑問もあるのだが、これは金子のレポートを読んだのでなんとなく予想はついていた。



 「猫の門っていうのがあって、定期的に猫の国とつながって、猫が大量にこっちにやってくるって話よね?」

 金子のレポートを思い出しながらミーシャが言う。アヤの目がやたらとキラキラしている。



「ま。大体合ってるな。」

「猫の門!猫の国!!きゃあきゃあ!」

「アヤさんうるさい。」

 うるさく騒ぐアヤを押しやるとミーシャは続けた。



「でもなんで閉鎖プロジェクトなの?喜屋戸町にとっては猫の門は有害なの?」

「えー。使えなくしちゃうのー?ブーブー!!はんた~い!!」

 スルメを振り回しながらアヤが抗議の声を上げる。しかし、二人は華麗にスルーした。



「有害と言うか、人に知られちゃいけないんだ。あれは。だから、閉じるんだ。」

 そう言うと、文殊は一層表情を厳しくするのだった。

よんでくれてありがとです。


早く猫の国に行きたいです(まだいけぬ…)

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