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導かれた先に…(後編)

永らくお待たせしました!!

死神のお仕事第二幕のクライマックスであります(・ω・)/

楽しんで読んで頂きたいです。




「…あーあ、やっぱりバレちゃったか。ざ〜んねん!」



さめざめと泣いていたミトゥは顔を上げ、ペロと舌を出して言った。




「しかし、もう遅い。既に我の復讐は半分成し遂げられている。今更、どうあがこうというのだ?」



「…あんたを倒すのみだ。そうすれば、命は失われずに持ち主へと帰る。」



「我を倒す、か…。なるほど、面白い考えだ。だが、一人で我に挑むつもりか?」



懺魔は口元をほころばせて言った。



閻魔とよく似た妙な笑顔だった。




「僕達もアルちゃんと戦うよ!」



「僕達…だと?」



「そう…僕達さ!」



声と同時に、三人の死神が現れた。




「イリア…カナル…それに師匠まで…。」



「遅くなってごめんね、アルフっ!」



「兄さん!それに…母さん…!?」



「アルちゃんのお師匠、メントノフ・ドルイヤ見参!…なーんてねー。」



名前を呼ばれた順番に、三人は言葉を返した。




メルディはカナルをまじまじと見つめて、




「リアルな夢だわ…。」



とぽつりと言った。




「とんだ邪魔が入ったね…。ミトゥ!あいつらを足止めするよ!」



「うん、りょーかい!」



懺魔を守るかのように、シスとミトゥはさっと立ちはだかる。




「ダイヤル0!雷撃!」



シスの右手が、鎌についたダイヤルをくるっと回す。




「黒焦げになっちゃえ!」



「えっ…僕狙いなの!?」



雷撃はカナル目がけて高速で進んでいく。




「危ない!」



「カナルっ!」



「くっ…!」



カナル以外の三人は、助けようと駆け寄る。




「わああっ!?」



ズガーンと凄まじい雷音が轟いた。




………。




「あ、あれっ…?」



直撃したにも関わらず、カナルは無事であった。



彼の前に立ち、雷撃から守っていた者がいたのである。




しかし、その者はアルフでもイリアでもメントノフでもなかった。




「なんでっ…?」



「なぜ…?」



「味方だったの…?」



その者とは…




「フィル兄…助けてくれたの…?」



フィルであった。



大鎌を盾にし、地面に雷撃を放電している。




「フィル様〜。主様を裏切るんですか〜!?」



ミトゥが責めるような口調で言ったが、フィルは真っ直ぐと前を向いたままだった。




「ミトゥ…シス…。悪いけれど、君達は引いてほしい。ここは…私に任せてくれないかな?」



「なっ…いくらフィル様のお願いでも、引くわけにはいかないから!あたし達は…」



「引け、ミトゥ、シス。」



フィルは険しい表情で命令した。




ミトゥとシスは何か反論していたが、フィルの命令言葉を聞くとすぐさま口を閉ざした。




「二人とも…いいね?」




「わかりました…フィル様…。」



「りょーかいです…。」



二人の悪魔は虚ろな表情で返すと、塔の窓から飛び去っていった。




「待ちなさーいっ!」



イリアは追いかけようとしたが、




「…君達の相手は、私だよ。」



フィルがさっと移動し、それを阻んだ。



それから彼は




「メルディアン・ティディオ。主様の元へ行け。」



早口にメルディにも命令する。




「あっ…。」



メルディの表情が、ふっと虚ろげになった。




「母さん!ダメだよ!」



カナルは慌ててメルディの腕を掴んだが、彼女はたやすくカナルの手を振り払う。




「わっ…!」



「メルディ!」



アルフも彼女の腕を掴んで止めようとしたが、結果は同じであった。




「よくやったぞ、フィル・ティディオ。…我はメルディアンを連れて、あの場所へ行く。後は任せたぞ。」



懺魔は早口に言うと、メルディを連れてふっと姿を消した。



「メルディ!」



「母さーん!!」



あまりの早さに、アルフもカナルも懺魔を止められなかった。




「もーう!アルフを悲しませるなんて…イーリアちゃんは怒ったんだからっ!」



「僕もだよ!」



イリアとメントノフは激しく憤っていた。



各々の武器を携え、フィルを挟み撃ちにかかる。




「二連刃!!」



イリアは二本にした大鎌を両手に持ち、同時に振り下ろし…




「吸着布!」



メントノフは、背後に回り飛行に使う羽衣を鞭のように横に振った。




「あっ…二人とも、フィル兄に乱暴しないで…!」



カナルの声は二人には届かなかった。




ヒュヒュッと羽衣はフィルの体に巻きつき、イリアの大鎌は正確に対象を斬る。




「フィル兄…!」



「…ふふ。なかなかのコンビネーションだね。」



フィルは全く動じていなかった。


むしろ、余裕を感じさせる笑みを見せていた。




「えっ…なんで!」



イリアは手応えがあったのに、と驚きを隠せなかった。



斬られたはずの部分に、かすり傷一つすら無いのである。



「さあ…なぜかな?」



フィルは楽しんでいるようだった。


自身の大鎌を左手で弄びながら問い返している。




「うーん…わかんない…。」



「もう一度!二連刃!!」



イリアの大鎌が、再びフィルの体を切り裂く…!




…結果は変わらなかった。




「もーう!なんでなのっ!」



「神力…。」



アルフが小声で言った。




「神力…って、何?」



カナルが不思議そうに首を傾げ尋ねる。



そうこうする間も、イリアとメントノフとフィルの攻防戦は続いている。




「天界人においての力の基準値だ。神力が高い者ほど勝利する確率は格段に高い。だが、ほんの一瞬でも相手の神力を上回ることができれば、神力が劣る相手でも勝利できることもある。」



「…ってことは、僕達よりフィル兄の神力の方がずっと高いってこと?」



「ああ、そうだ。」



アルフとカナルは、三人の戦いにまた視線を戻した。




「君達と戦うのもいいんだけどね…、そろそろ運命の戦いに持ち込みたいんだよ。」



フィルは言うと、スッと大鎌を掲げた。




「安らかに眠りたまえ。クレイドルソング!」



声に反応して、彼の大鎌から虹色の音波を帯びた音楽が流れ出す。




「何…この音楽…。」



「なんだか…眠くなるよ…。」



トサッ…とイリアとメントノフは、床に倒れ込んだ。




「イリア…お師匠さん…!なんだか…僕まで眠たく…なってきた…。」



「カナル!耳を塞げ!」



「………わっ!う、うん!」



アルフに忠告され、眠りかけていたカナルもパッと両耳を手で覆う。



その直後、ピタリと音楽が止んだ。




「…あれっ?止んだの…?」



「どうやら…私とカナルと戦いたいようだな。」



カナルとアルフはゆっくりと、耳から手を離す。



フィルは穏やかな笑顔で、二人を見つめていた。




「アルフレッド・フィアラ…正解だよ。私は君達と運命の戦いをやりたいんだ。」



「運命の戦い…だと?」



「そう…運命の戦い。主様があの場所で事を成すまでに、終わらせなければならないんだ。」



「フィル兄…どうしても戦わなきゃダメなの…?」



カナルの顔が悲しげに曇った。




「…全ては運命だからね。誰が拒んだところで逃げることなどできない。」



「逃げる気など、全く無いがな…。」



アルフは大鎌を構え、フィルを見据えた。




「フィル兄…。」



「雑談はここまでだよ。私は、運命を司る死神フィル・ティディオ…。君達を消すために、死力を尽くさん!」



辺りにピリピリとした緊張感が漂う。




「わかった…。僕は…母さんを…仲間を助けるために…戦う!」



二人に遅れること数秒、カナルもフィルの攻撃に備え身構えた。




「先に行かせてもらうよ…。」



始めに動いたのはフィル。




カナルとアルフのちょうど真後ろに回り込む。




「後ろ…!?」



「くっ…。」



「大鎌よ…悲しさを歌え…プレリュード!」



二人が後ろを振り返るまでの間に、フィルの大鎌が音波を発生させた。



すると、フィルの背後から渦を巻いた大量の水が押し寄せてきた。




「の、呑み込まれちゃうよ!」



「くっ…しまっ…」



渦はどんどん加速し、あっという間にザブンと二人を呑み込んでしまった。




「ふふ…どうする、アルフ、カナル…?」



フィルは渦からは離れた位置にいて、高みの見物を決め込んでいるようだった。




「負けはしない…!」



水が波打ったかと思うと、アルフは渦の側面からサッと出てきた。



小脇には、ぷはっと息を吐くカナルの姿が。




「さすがだね、アルフ。期待以上の力だよ。」



「…次はこちらの番だ。食らえ、荒れ狂う斬風!」



カナルを床に下ろし、アルフはかまいたちのような風を放った。




それは凄まじい速度で、フィルの体を斬り裂く。



スパスパスパーンと、鋭い斬音が響く。




「気持ちいい風だね。夏には最高かもしれない。」



…前回の戦い同様、フィルの体には傷は付けられなかった。




「やはり…効かないか。」



「はぁ…はぁ…ひどいよ、フィル兄…。死ぬかと思ったよ…。」



カナルは立ち上がりながら嘆いた。




フィルは、ごめんねと眉を下げて平謝りした。




「ごめんねって…それだけ…?」



「言葉だけでは足りないかな?じゃあ、これをお詫びの印に。大鎌よ…怒りを歌え…ロンド!」



フィルが大鎌を掲げると、今度はボッと炎の渦がアルフとカナルを取り巻く。




「うわあっ!?あ、熱い…!」



「くっ…次は炎か…。」



炎の渦は徐々に狭まってくる。



高く高く炎が燃え上がっているため、飛び上がって脱出するのは難しい状況である。




「ふふ…これはどうやって脱出するかな?」



フィルは燃え盛る炎の渦を、上空から観察していた。



まるでいたずらを楽しむ子供であるかのような笑みを浮かべて。




「熱いよ…。止めて…フィル兄!」



「………ごめんね、カナル。」



カナルの訴えは、またしてもそんな薄っぺらな謝罪で流された。




炎は赤々と燃え、二人の死神もその色に染めていく。




「終わった…かな。」



フィルは呟き、濛々と立ち込める黒い煙に歩み寄る…。




煙の中からは、何も聞こえない。




…はずだったが。




突然、ブワッと黒煙が辺りに広がった。




「…そんなに簡単に上手くはいかないか。」



フィルはサッと煙から離れる。




やがて、煙が晴れ風を纏うアルフの姿とその後ろに隠れるようにして立っているカナルの姿が露わになった。




「当然だ。私は…メルディを助け出すまでは、負けることなどできないのだからな。」



「メルディアン・ティディオを助けるため…か。彼女は君のことを全く覚えていない。もう昔のような関係に戻ることも、親しく呼び合うこともできないよ?それでも君は良いのかい?」



「………彼女が幸せならば、それでも構わない。」



アルフは迷いも悩みもせず、すぐに答えた。




「兄さん…。」



「誰かの幸せを願う心…。改めてわかったよ。君は…死神には向いてない。」



フィルはそう断言すると、大鎌を逆さまに床に突き立てる。




「大鎌よ…絶望を歌え…」



「その手は受けない…!」



アルフはフィルの目前に瞬間的に移動する。




「食らうがよい…!」




カンッ!




「………っ!」



フィルの大鎌は弾き飛ばされ、三メートルほど離れた場所に落ちた。




アルフはフィルの胸元に大鎌を突き付ける。




「敵とはいえ、あんたをどうこうするつもりはない。…メルディと懺魔の居場所を教えてほしい。」



「…いいさ、教えよう。その扉の向こう…暗闇から脱出した先だよ。」



アルフ達から見て右奥にある緑色の扉を指差し、フィルは答えた。




「…それは本当なのか?」



「もちろん、本当さ。こういう場面で、嘘をつくことほど見苦しいことは無いから。」



アルフは疑い深げに眉をひそめフィルを見つめた。




「まず…僕が行ってみるよ!フィル兄は…嘘ついたことないから。僕は信じるよ。」



「カナル…。」



カナルは全く疑いもせず、スタスタと扉まで歩き出した。



辺りはシンと静まり、妙な緊張感が走った。




アルフが砕いた懺魔の玉の破片が、キラッと妖しげに光った。



その時。




「わっ!?」



カナルの左隣をサッと何かが横切り、彼の大鎌を一瞬にして掠め取った。




「カナル!」



「動かないで、ね?」



掠め取った犯人は、フィルだった。




アルフの隙をついてその前方から消え、カナルの横を走り去ったのである。



よろけたカナルの体を、アルフが素早く支える。




「あ、ありがとう…兄さん。」



「フィル・ティディオ…どうする気だ?」



アルフはカナルを支えたまま、フィルを睨む。




フィルはカナルの大鎌を右手に携え、ただ二人を見下ろしているだけだった。


特に襲いかかってくる様子は無い。




「…居場所は伝えたんだから、さっさと主様を追いなよ。」



「カナルの大鎌を何に使うつもりだ?」



「ふふ…こうするのさ…!」



フィルはカナルとアルフ目がけて、鎌を大きく振り下ろす。




「なっ…!」



「わあっ!?」



アルフは大鎌を構えようとしたが間に合わなかった。



ザシュと確かに手応えのある斬音が響いた。




………。




…………。




……………。




しばしの静寂。




「くっ…っう!」



それを破ったのは、一つの苦しげな呻き声。




「えっ…?」



カナルは閉じていた瞳をゆっくりと開けた。




彼の目前に広がっていた光景は…。




「フィル兄…!!それに…兄さん…どうして…!」



斬られた腹部を手で抑え、額に冷や汗を滲ませているフィル。



そして、フィルが持っていたはずのカナルの大鎌を左手にしかと握るアルフの姿。




「………。」



「兄さんがフィル兄を…。そんな…」



「カナル…これは…」



「聞きたくないよ!ひどいよ…兄さん…!」



「カナル…!」



カナルは泣きながら、ダッと扉の向こうへと走り去ってしまった。




「ふ…ふ…。これで…私の役目は…果たしたよ…。」



フィルは力無く笑って言うと、ドッと前のめりに倒れた。



出血は無いが、体は透けて消え始めている。




「………消える前に一つ教えてほしい。私が…あんたを斬ったのか…?それとも…」



「いや…君は…何も…していないよ…。私が………運命を…紡いだ…だけさ…。」



「何もかもが…運命だというのか?」



「そうさ…。私が…ここで…消えることは…運命…。馬鹿な行為と…思うかも…しれないけど…、カナルの…迷いを…断ち切る意味が…あるのさ。」



「カナルのために、自らの存在を…か。」



アルフは目を伏せて独り言のように言った。




「主様に…“運命を司る者”と…聞かされた…時から…わかっていたよ…こうなることが…。」



「運命など…自分で切り開くものだ。従わずに、抗えば良かったのではないか?」



「そうかも…しれないね…。だけど…今更…遅いさ…。」



フィルは、眠る前のような穏やかな表情を浮かべ、瞳を閉じた。




「最後に…一つ…。主様を…倒し…」



シュッとフィルの体が消えた。




アルフは瞳を閉じ、死者への弔いのように両手を合わせた。



長い瞑想から目を開けると、




「わかっている…。懺魔は、私が必ず倒す。あんたと…あんたの弟…母親のためにも…必ず、だ。」



扉の前まで歩き、カナルの消えた緑色の扉を開けたのだった…。






















「シーク…!?」



エマはマネキンのように硬直し、後ろ向きに倒れたシークを見て唖然としていた。




(今まで普通に話していたのに…一体どうして…?)



シークをよく観察してみると、瞳に光が無く翼も色褪せて灰色になってしまっているのがわかった。




「何がどうなって…」



『こっちだよ…。』



不意に誰かの声が聞こえた。




「こっちって…誰…?どこにいるのさ?」



『扉…。オレンジ色の扉を開けるんだ。』



声は先ほどよりはっきりと聞こえてきた。



…というよりは、頭の中に直接入ってきている風であった。




気付けばエマから二メートルほど離れた場所にオレンジ色の扉が現れていた。




『答えを知りたければ、その扉を開けるんだ…。運命が教えてくれるはず…。』



「運命…?そもそも、君は誰なのさ?どうして、そんなことを…」



『扉を開けよ、エマ・プルリエ。』



入ってきていた声が、突然に命令口調へと変わった。




エマの瞳が輝きを失い、うつろになる。




「扉…開けるよ…。」



彼女は小さな声で、自分に命令する誰かに返すと、ふらふらとした足取りで歩き始めたのだ。

























そこは一面のひまわり畑。



風がそよそよとひまわりを揺らし、穏やかな空気を醸し出している。




「ここは…。」



アルフは辺りを見回しながら、散歩しているような速さで歩いていた。




「ここも塔の一部、なのか…?」



所構わず咲いているひまわりを、踏まないように慎重に歩く。



どこまでもどこまでもひまわり畑は続いているようだ。




「懐かしき…響き…。明るい…優しさ…。」



歌が聞こえてきた。




(誰かいるのか…?)



アルフは声の方向に向かい歩いてみる。




「ひまわりは…儚く散る…。まるで…心のよう…。」



声はだんだん大きくなってくる。



それはアルフが向かっているせいもあるが、声の主もアルフの方へ近づいているためであった。




「果たされない約束…だけど私は待つの…。ずっと…ずっと…この場所で…。」



だんだん声の主が見えてきた。



髪の長い女性のようだが、急に発生してきた霧のせいではっきりと見えない。




「メルディ…か?」



「いつまでも…想い続けているの…。」



声の主はそれには答えず、歌い続ける。



だが、彼の一メートルほど前まで迫ったところで、足音も歌声もピタリと止まってしまった。




霧が徐々に晴れていく…。



ぼんやりしていた女性の輪郭が見えてきた。




やがて霧は全て晴れ、辺りが鮮明に見えてきた。


無論、女性の姿も…。




「君は…」



「………久しぶりね、アルフ。私の…大事な人…。」



か細い声で女性は言って、にこっと笑った。




「………!?まさか…思い出したのか…全てを…?」



アルフは目を大きく見開いて尋ねた。



メルディと思われる女性は、こくりと頷く。




「ええ…何もかも思い出したの。あなたの名前…過ごした日々…そう…何もかも…。」



「………ならば、私はもう一度謝らなければならないな。君を迎えたこと…私の犠牲となり消えたこと…本当にすまなかった。」



「謝らなくていいわ…。また、こうして出会えたのだから。」



辛そうに目を背けているアルフの両手を、彼女はそっと握った。




「メルディ…。私を許してくれるというのか…?」



「もちろん…許すわ。仕方なかったことだから…。」



「ありがとう…。」



ひまわりがザザーッと風に揺れる。




「………そうだ、メルディ。カナルを見かけなかったか?確かにここに通じる扉を開けたはずなのだが…。それに…気になっていたのだが、君をさらったはずの懺魔はどこに…?」



「そんな野暮なことは訊かないで…。せっかく二人だけなんだから。」



メルディはギュッとアルフに抱きつく。




「なっ…。」



「恥ずかしがらないで…。何もかも忘れて二人だけの時間を過ごしましょう。」



アルフはバッとメルディから離れ、警戒の眼差しを向けた。




「アルフ…どうしたの?」



「…あんたは、メルディではないな?」



「何を言っているの、アルフ。私は紛れもなくメルディアン・イーグルなのに…。」



メルディは悲しげに眉を下げ見つめている。




「違う…。メルディは…過去にとらわれ、現実を見失うような女性ではない。あんたは…誰なんだ?」



「………。」



「なぜ、彼女の姿で私の前に現れた?正体を…現せ!」



アルフは微塵の躊躇いも無く、大鎌をメルディの頭に振り下ろす…。




メルディはニヤリと不敵に笑い、スッと左に交わした。



鎌が対象を失い、ガキッと地面をこする。




「ふ…ふふ…。私はメルディよ、アルフ。あなたに見せていた姿が、偽物だっただけよ。」



「どういう…意味だ?」



「つまり…あなたなんか好きでも何でも無かったってことよ!!」



メルディの体から放たれた波動が、辺り一面のひまわりを全て薙ぎ払った。




うららかな夏の日差しは一変し、周りは黒い煙に包まれていく…。




「………。」



「いいわ、その悲しみに苛まれた顔!もっともっと苦しみなさい…アルフ。私を二度も殺した罰よ!」



「メルディ…。私は…」



「違うとは言わせないわよ、アルフ?今だって、せっかく生き返り幸せな生活を送っていた私とカナルを巻き込んだ…。あなたさえ居なければ、私は…!!」



ヒュッとメルディの手から鞭が放たれる。




「………っ!」



悲しみに打ちひしがれていたアルフは、一瞬逃げ遅れた。



彼の体に鞭は巻きつき、ぐっと締め上げる。




「あなたを必要としている人が居ると思うの?…居るわけないわ!このまま消滅し、罪を悔い改めるがいいわ!」



「くっ…。」



朦朧とする意識の中、あの時と似ているが違うとアルフは思った。



天界戦争の時…、メルディは助けるためにわざとこうした。


しかし、今度は消滅させるためにこうしている。




「あなただって、わかっているんでしょ?自分は生まれてはいけない存在だった、と。」



メルディの言葉が心に深く突き刺さる。




「くっ…っ…」



「なのに、どうしてあなたは存在し続けるの?何のために!!いい加減…消えたらどうなのかしら?」



ギリッ…。鞭の締め付けがきつくなる。



額から汗が滴り落ち、手足全体から力が抜けていく…。



アルフにはもう抗う力も、考える力も残っていなかった。




「そうだわ…ただ消すだけじゃ面白くない…。人間としての死を迎えた時と同じ状況で消してあげるわ!」



狂気ともつかない笑みを浮かべ、メルディは地面から一丁の銃を拾い上げる。




「………。」



「さよなら…アルフレッド・フィアラ。」



パーン!




銃声が響く。




………。




…………。




……………。




…しかし、弾はアルフの体を逸れ、地面に貫通していた。




「なっ…女め…邪魔をするな!」



『やめ…て…。アルフを…傷付けないで…!』



朧気な意識の中で、同じ声だが異なる価値観を持った二人の会話を、アルフは聞いたような気がした。
















(ここはどこなのかな…。)



真っ暗闇の中、カナルは目を覚ました。



体を動かそうとしてみたが、何か箱のような物に押し込められているようで、微動だにできない。




(体が動かない…。声も出ない…。なんで…?誰か…助けて…!!)



瞳にうっすらと涙が浮かぶ。




(誰も…居ないの?兄さん…イリア…シーク…エマ…千爺ちゃん…。誰でもいいから…助けて!!)



「……は、あの中だよ!」



絶望と恐怖に襲われていた彼の耳に、誰かの声が聞こえた。




そして………。











ドサッとアルフの体が地面に落ちる。



同時に、5メートルほど前方の墓石からカナルが現れた。




「で、出られた…。何が一体…?誰が…?」



「カナル!そんなところで寝てる場合じゃないよ。手を貸して!」



「エマ…!兄さんも…!」



エマは舞を続けながら、カナルに微笑みかけた。




「………っ!カナル…無事だったか…?」



まだ完全にはハッキリしていない意識の中、アルフはゆっくりと身を起こした。




「兄さんこそ…!無事で良かった…。さっきは…ごめんなさい。僕…」



「謝るのは後にして!今は懺魔を倒すことに集中だよ、二人とも。」



エマの忠言が耳に入り、カナルとアルフはザッと身構える。



メルディの体から追い出されてしまった懺魔は、キッと三人を睨むようにして立っている。




「またしても…またしても…我の邪魔をするか!」



声が辺りを震撼させる。



カナルは思わずビクッと身を引いた。




「邪魔させてもらうよ。ある人に頼まれたんでね…二人をよろしくって。」



「メルディを利用するなど…許しがたいやり方だ。例え勝機は少なくても、戦うのみ。」



対照的に、エマとアルフの二人は毅然とした表情で身構えていた。




「我と戦うだと…?たった三人で、勝機は少なくても戦うだと?…愚かな。消えるがよい!爆風の払い!」



懺魔は何もない空間からさすまたを取り出した。


そしてそれを、大きくヒュッと横に振りかぶる。




「な、何…?わあっ!?」



「くっ…!!」



「わっ!?」



突風が吹き荒れ、アルフ達三人は後ろに大きく飛ばされた。



身構えていたため、体制を崩すことだけはまのがれた状態だ。




「暴発の突き!」



続いて懺魔はさすまたを地面に突き立てる。



すると、さすまたが赤色に光り、凄まじい轟音を立て、爆発した。




「今度はなに…わっ!?」



「………っ!?」



「やあっ!?」



避ける暇も身構え暇も無く、三人はあっけなくドッと地に伏す。




「いたた…強すぎるよ…。」



「……っ…。反撃する…暇も無い…。」



「舞う…暇もね…。」



三人は何とか起き上がろうとするが、上から抑えつけられているような重みを感じ、立ち上がれない。




「茨の鎖!」



懺魔は間髪を入れず、技を繰り出した。



彼がさすまたを高く掲げると、地面から数本の茨が生えてきて三人の体に巻き付いた。




「うわっ!な、何これ…!」



「くっ…しまっ…」



「うっ…」



茨はきつく締め上げ、体を動かすどころか言葉すら出なくなってくる。




「終わりだ…愚かな死神共!まずは…狭間の死神…カナル、おまえからだ!」



さすまたがヒュッと振り下ろされる。



それに反応するかのように、一本の茨がカナルの胸元に迫る。




「わあああっ!?」



「カナル…!」



「ダ、ダメ…!」




ザシュ!




………。




…………。




「…………あれっ?痛くない…。」



痛みが無い。



カナルは恐怖のあまり瞑ってしまった瞳をゆっくり開けた。




…彼の体を貫こうとしていた茨が、反対にズタズタに斬られていた。




不思議に思ったが、その理由はすぐにわかった。




「もしかして…これが…覚力…?」



…カナルの大鎌の刃が、朝日を受けているかのように光り輝いていたのだ。



それは意志があるかのように、体を縛る茨をあっという間に全て切り裂き、三人を自由にした。




「あっ…。」



「………。」



「へえ…やるね、カナル。」



またしてもトドメを刺せなかった懺魔は悔しげに、ダンッと足を踏み鳴らした。




「この時において、鎌の覚力だと…!?ならば、もう一度くらうがよい…!!茨の…」



「そうはさせないよ!」



カナルはタタッと、懺魔の前に走り込む。




「これが僕の断の力…!」



「…鎖!」



懺魔がさすまたを振り下ろすのと、カナルが大鎌を振り下ろすのはほぼ同時だった。



大鎌とさすまたが擦れ合い、火花が散りドーンと爆発した。




………。




辺りが静寂と煙に包まれる。




「カナル!大丈夫ー!?」



「カナル!」



エマとアルフは慌てて煙の起こった場所に駆けてきた。



…中の様子はうかがえない。




やがて煙は晴れ、カナルがうつ伏せに倒れているのが見えた。




「カナル!しっかりしなよ!」



「カナル!」




………。



カナルの返事は無い。




「カナル…まさか…」



「………。」



エマとアルフは絶望的な表情で、カナルを見つめた。




『大丈夫…カナルは眠っているだけだから。』



応えるように、どこからともなくまたあの声が響いてきた。




「…誰だ?なぜ、眠っているだけなどわかる?」



アルフは鋭い眼差しで辺りを探る。



…特に誰かが居る気配も無く、エマとアルフとカナルの三人以外は誰も居ない。




『誰?君もよく知っている人物さ。前にも言ったはず。』



「フィル…か?消えたはずでは…」



「…確かにカナルは眠っているだけみたいだね、フィルの言う通り。」



エマがカナルを腕に抱え上げつつ言った。




カナルは相変わらず言葉を発しないが、微かにスゥスゥと寝息を立てているのがわかる。




「…エマ。フィルに会ったことがあるのか?確かフィルの話をしていた時、居なかったはずだが…。」



アルフが、不審げに首を傾げて尋ねる。




「会ったことはないけれど…話してはいる。ここまで自分を導いてくれたのが彼…フィルなんだ。」



エマは問い詰められているような緊張感を感じて、困り顔で答えた。




『そう…私が彼女をここに導いた。運命を紡ぐ役目があるからね…。器は無くとも、心さえ消えなければ話すことはできることだし。』



「運命…か。それはともかく…懺魔はどうなったんだ?カナルは無事のようだが…。」



眠っているカナルの姿が、アルフの瞳に鮮やかに映る。



…カナルはまだ目覚めない。




『再び、永い眠りにおつきになった。カナルの大鎌の力…断の力によって、ね。』



「…そうか。イリアやリアゼ、千爺やシークは無事なのか?メルディは…?」



『みんな無事さ。主様が倒されたことで、捕らわれていた命も全て主の元へと帰って行くだろう。』



「………もう一つ訊きたいことがある。フィル・ティディオ…敵であるあんたがなぜ私達を助ける?」



『それはね…』



フィルは少し間を置いてから答える。




『君達が唯一“運命を変えることができる存在”だから、至極興味を持ってね。運命を紡ぐ存在の私でさえ、君達の運命は完全に予測するのが不可能なのさ。』



「理由になっていない…。」



『まあ…気にしないで。それよりも…アルフ。君にはもっと大事なことがあるんだろ?私とゆっくり話している場合ではないんじゃないかな。』



「…それもそうだな。…私には向かうべき場所がある。」



アルフは思い立ったかのように言うと、エマとカナルの方に視線を戻した。




「エマ…私はもう行かなければならない。カナルを…頼む。」



「わかってる。カナルのことは、自分達がしっかり面倒見るから…行ってきなよ。」



「…すまない。それではな。」



バサッ…。漆黒の翼は大きく広げられ、異様なほどの輝きを放つ。




バサッ…バサッ…バサッ…。




一人の死神の姿は、だんだんと遠くへと消えて行き…やがて、見えなくなった。




エマはその姿を見送ってから、フッと俄かに微笑んだ。




「行っちゃった…アルフ。」



『寂しいのかい、エマ?』



フィルの声が尋ねる。




「少し、ね…。」



『少し…?』



「うん。きっと、彼は帰ってくるだろうから…少しだけ。」



『………。私も行くとするよ、エマ。アルフと同じく…カナルをよろしく。』



フィルの声はそう端的に頼むと、エマが何を言っても全く聞こえなくなったのだ…。





















「痛ってて…ここは?」



リアゼは頭を軽く横に振り、床に目をやった。




…テニス用のラケットが落ちている。




(ラケット…?そういや俺…カナルを妖しい光から守って…それで…ラケットに当たって気絶しちまったのか?)



そう思ったが、直ぐに考え直す。




(いやいや…違うよな。ラケットぐらいじゃ死なねえっつの…。つか、もう死んでるしな。)



ゆっくりと身を起こすと、ベッドでぐっすり眠っているカナルの姿が視界に入った。




「カナルは…無事みてえで良かったぜ。…よし、俺も帰るか!」



カナルを起こさない程度の声で言うと、リアゼは黒い翼を広げ…。




バサッ…バサッと窓から外へ飛び出していったのだった…。


















同時刻、天界にて。




「ん…ここは…?」



イリアは頭を抑え、上半身だけ起こした。



そこは、確かに塔があったはずの場所だが、今はただの平地となっていた。




「あ…イリちゃん!やーっと、起きたね!」



「あっ、メンちゃん!」



振り返ると、少し後ろにメントノフが立っているのが見えた。




「良かったあ…。全然目を覚まさないから、心配したんだよ…。」



「えっと…あたし達、懺魔を追い詰めて…フィルと戦って…眠くなって…。それから、どうなっちゃったの?」



イリアの質問に、メントノフはわからないやと肩をすくめた。




「僕も覚えてない…。でも、塔が無くなっちゃってるってことは、アルちゃんとカナルが懺魔を倒したってことだよ、きっと!」



「うん…あたしもそう思うっ。アルフとカナル…無事かなっ?」



「アルちゃんとカナルなら、大丈夫だと思う!僕の自慢の弟子とその弟だもん!」



メントノフは、にこっと笑って言った。




「あ…イリちゃん。僕…そろそろ帰らなきゃ!話の途中だけど…またね!」



「えっ?ちょっと…待ってよ、メンちゃん!」



イリアは前に回り込んで止めようとしたが、メントノフはパッと舞い上がり、あっという間に飛び去って行ってしまった。




一人残されたイリアは、



「もーう…何がどうなってんのっ!わーかーんーなーいー!!」



大声で叫ぶと、頬を膨らませしばらく佇んでいた。













「………っ。変な夢見ちゃったわ…。」



メルディアン・ティディオは、食卓に向かって歩きながらぽつりと呟いた。




「おはよう、母さん。日曜日なんだからまだ寝てていいのに。」



食卓のイスにはカナルが座っていて、こんがり焼けたトーストを食べている。




「母さんの分のパンも焼いてるよ。バターとジャムも出してるからね。」



「ありがとう…カナル。」



笑顔で礼を言いながら、メルディアンも食卓についた。




香ばしい食パンの香りが食欲をそそる。




「ところで…母さんに訊きたいことがあるんだけど。」



カナルは思いつめたような表情で、メルディアンを見返した。




「訊きたいこと…?」



「うん…。僕、大事な人が居なくなっちゃうことをわかってたのに、その人が居なくなるのを止めなかったんだ。本当は気付いてたのに…。これで…良かったのかなって。」



「うーん…母さんが思うには、良かったのか悪かったのかなんて、誰にもわからないと思う。カナルが良かったって思うのなら…良かったんじゃないかな。」



メルディアンは考え考え慎重に言葉を返した。




カナルは、うんと頷く。




「そっか…うん、そうだよね。誰にもわからないよね…そんなこと。」



「母さんはね、夢だけれど…とても懐かしい人に会ったわ。名前はなぜだか忘れちゃったけど…とても大切な人だったことは覚えてるの。」



中身を飲み干されたコーヒーカップが、コトリと音を立てテーブルに置かれる。




「…その人が母さんの目の前に現れたら、母さんはどうするの?」



自分達を捨てて行ってしまうのと言いたげに、カナルは眉を下げ悲しそうな顔をした。




メルディアンは目を閉じ少し考えて、




「そうね…来てくれてありがとうって言いたいわ。本当にそれだけ…。大切だからって、カナルとユイさんを置いていこうなんて考えないから安心して。」



と答えた。




カナルはほっとしたが、それでいいのとメルディアンに聞き返す。




「いいのよ。今の私にとって、カナルとユイさんと一緒に暮らす生活が一番幸せなの。だから…いいの。」



「母さん…。」



キラキラした笑顔で返すメルディアンを見つめ、さすがだなとカナルは思った。





















同時刻、天界外れの浄土。




「アルちゃん…これで良かったの?」



ぼうっと下界を眺めているアルフに、メントノフが尋ねた。




「…これで良かったんですよ。イリアもリアゼもカナルもシークも…皆わかってくれるはずです。」



「イリちゃんはアルちゃんのこと大好きだから、落ち込んじゃうんじゃないかな?それにカナルも…」



「………師匠。そろそろ修行に移りましょうか。」



アルフはメントノフの言葉を遮って言って、スッと立ち上がった。




「アルちゃん…。」



「大丈夫です、師匠…。時が経てば、皆忘れます。それにいつかは別れは来るものですから…それが早いか遅いか、その違いです。」



メントノフは、じっとアルフの顔を見つめた。



彼の顔は弱冠の憂いはあるものの、大半は何もかも吹っ切れたような表情に満ちていた。




「…アルちゃんがいいって言うなら、いっか。僕が居れば、アルちゃんは寂しくないだろうし。」



「自惚れですか、師匠?」



「そうだよ…今ぐらいは自惚れてもいいでしょ?」



メントノフは照れたように、頬をかいた。




「僕みたいな美女が側に居るんだぞー?アルちゃんは恵まれすぎるほどだよ!」



「ふっ…そうですね。」



「あー!鼻で笑ったなー!もう、失礼しちゃうな。」



メントノフはぷいと顔をそむけた。




その眼差しは言葉とは裏腹に、とてもとても優しいものだった。












何が幸せなのか…




何が正しいのか…




何が大事なのか…




人も…死神も…




それを見つけるために、“生きている”………。






―END―



死神のお仕事の第二幕、ようやく書き上げました!いやー、長かったな…。



何度書き止めようと思ったことやら…。


けれど、読んでくれる方がたった一人でも居るならば、書かなきゃという気持ちで書いてきたおかげで、挫折せず頑張れました。




この小説を最後まで読んで下さった皆様、本当に感謝いたします!途中からはかなりグダグダでしたが…(汗)




さて、この小説には続きがあると思いますか?


一応(無理矢理)完結させましたが、まだ出したいキャラクターとか居るんですよねー。


まあ、私の話はこのくらいで終わりにしましょう。


次回からはまた違う内容の話を書きたいんですが、いつになるかはちょっと…。




興味がある方は、次回作も是非読んで頂きたいですね。


さて…まだ終わりじゃないですよ!

設定資料集と歌も次回に載せますんで読んでくださいねー(・ω・)/

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