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不便な世界を生きやすく  作者: 途時
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ウェスタリア王国への道のり


王都邸を出た私は、隣国のウェスタリア王国を目指し出発した。

ウェスタリア王国とは、ハーデンス王国の東側に位置する縦に長い国で、海に面している。

ハーデンス王国よりも豊かだ。

ハーデンス王国の王都からウェスタリア王国までは歩いて5日だ。とは言っても、パーティーは5時から行われたため、今は7時。

疲れも溜まっていたため、今日はもう宿をとり休むことにした。

宿探しの前に本屋に寄って数冊の本を買った。この世界についてもっとよく知るためだ。

本を借りたあと、宿探しを始めた。街を歩く女性に声をかけ、安くて綺麗で女が1人で泊まっても大丈夫そうな宿を聞いて回った。

宿は思いの外早く見つかった。宿泊費は一泊で銀貨2枚


この世界の貨幣は銅貨、銀貨、金貨、白金貨があり、銅貨はだいたい100円くらいで、パン1つを買うのに1〜2枚必要になる。銀貨1枚=銅貨100枚、金貨1枚=銀貨100枚、白金貨1枚=金貨100枚という価値がある。つまり、白金貨1枚=1億円くらいだ。平民で白金貨を持っている人はほとんどいない。


今私が持っているお金は金貨1枚と銀貨20枚。公爵令嬢のお小遣いとしては少ない方かもしれないが仕方ない。売るためのアクセサリーもあるが節約しなければ。

宿の受付で鍵を貰い、部屋に入る。荷物を置き、本屋で買った本を取り出す。

本のタイトルは《魔法について》だ。

そう、この世界には魔法というものが存在するのだ。

私はさっそく読み始めた。


2時間程で読み終わった私は本の内容をまとめた。


・魔法とは魔力を元に様々な自然現象を意図的に起こすことを指す。

・魔力は空気中に混ざっているものと体内にあるものがある。

・体内に魔力を持つ者は貴族に多い。

・生活が少し楽になる程度のものなら平民にも使える。

・主に魔力量、コントロール、威力で評価される。

・いくつかの属性にわけられる。

・ハーデンス王国では、魔法の使用は16歳からと決められている。(生活魔法は可)


ざっとこんな感じだ。

学園への入学は15歳から3年間。私は来年から2年生だったため、魔法の勉強はまだ受けていなかった。

ちなみに、これから向かうウェスタリア王国では子供でも魔法の使用が許可されている。


本を読み終えた私は、さっそく生活魔法を使ってみることにした。

使う魔法はウォッシュ。この魔法は髪や体、服をまるでお風呂上がりのようにする事が出来るという魔法だ。比較的少ない魔力で使えるため平民にも使っている人は多い。

深呼吸をして呪文を唱えてみる。


『……ウォッシュ!』


すると、フワッと風が吹き抜けた。汚れていた体は綺麗になり、髪はサラサラになっていた。

便利だ。この世界は魔法のお陰で生活が便利になっている。

明かりを灯すなら魔法でろうそくに火をつけるか、少し高いが光魔法がが込められたランプを買ったりする。

しかし、この世界は魔法が便利すぎるために文明がまったく発達していない。

その為この世界には電車などは無いし、石鹸なども無いため感染症などは防ぎようが無い。

昔のヨーロッパとして考えても、発達してなさすぎる。

そこで、私は考えた。私の力で文明を発達させようと。そして、この世界を更に住みやすくするのだ。

ウェスタリア王国で商売でも始めてみようか。


そう考えていると、だんだん眠くなってもきた。

体がさっぱりしたので、今日はもう寝ることにした。ヘッドに寝転がり目を閉じる。

私はすぐに眠りについた。




___________




『ふぁー、よく寝たー』


いつもはメイドに時間ピッタリに起こされるため、今日はいつもより随分遅くに起きてしまった。

服を着替える。今日の服装は、白いワンピースに黒いリボンをベルトの様に巻いている。

食堂で食事を済ませ、荷物を持って宿を出る。

地図を見ながらウェスタリア王国への道を歩く。時々休憩を取りながら進み、休憩中には本を読む。それを繰り返し、2日間で3分の1の距離を進むことができた。あと少しで国境をこえられる。

辺りが薄暗くなり始めたところで宿探しを始めた。方法は前回と一緒だ。

宿が見つかると、食堂で食事を取り、部屋に戻り本を読む。

今日読む本は《魔道具について》だ。

1時間程で読み終えると、私はまた内容をまとめた。


・魔道具とは物に魔力を込めて使う物。

・冷蔵庫やランプなどがある。

・高価な為平民で持っている人は少ない。

・ある程度使える期限が決められている。


という感じだ。

便利だ。しかし高い。冷蔵庫が買えない平民は庭などに地下室を造り、そこに保管しているそうだ。平民が料理する時はいちいち庭にでなければいけないし、衛生面でも心配だ。不便。

ここは改善すべき点だ。


歩き疲れていたため、眠気が襲ってきた。ウォッシュを使い、体を清潔にしてからベッドに入る。いつもより少し早い時間だったが、すぐに眠りについた。













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