マ嬢様の降臨
目覚めたら異世界に来てしまった主人公ハル。ひょんな事から魔界の次期王位継承の戦いに巻き込まれてしまう。もとの世界に戻れる日はくるのか?
ベット脇に置かれたスマホの着信音で目が覚めた。
差出人 みーすけ
ハルちゃん
今日からJKデビュー
お互い楽しく過ごそう^_^
メル友である本田美由紀からのLINEである。
とりあえず返信をしようと試みる。
『アンタもね。』
どうも私は昔から絵文字や長ったらしい文章が苦手な性分なのでこれが限界。
送ろうとしたが圏外。
さーてどうしたものか。
私は不登校児である。
中2まではちゃんと学校にも行っていた。成績優秀で何をやってもアタシより出来るお姉ちゃんが死んでしまってから何かが止まってしまったようだ。パパは仕事人間で1週間のほとんど会えないし、教育熱心なママも私には興味が無いようで学校から呼び出されても担任に謝るばかりでアタシを怒ろうともしない。結局お姉ちゃんが必要な存在でありアタシは要らないと言う事だろう。
寝起きの頭ではっきりとは憶えていないけど、たしかアタシは病院に行く日で車で寝てしまったんだ。病室なのか?見慣れない部屋だ。周りを見渡してもなんていうかボロっちい。大きな鏡には制服姿の美少女がいる。
外に出てみたら森の中のようで周りは木しかない。
イマイチ状況がわからないので周りを散策でもしよう。
暫く歩いてたら、褐色のイケメン発見。
馬を休ませてるついでに自分も休憩してるようだ。そう言えばお腹空いてきた
「あのー、何か食べ物ありますか?お金は払いますので。」
こちらに気づいたようで目が合った
赤みがかった眼がまるで獣のようだけど怖いとかの感情は無かった
『・・・・』
聞き取れなかった、
外人さんみたいだけど何語?
なーんて考えてたら壁ドンされてしまった。赤い眼をみてると何だか不思議な気分だ。
(何?一目惚れされた?)
そんなアタシの感情を読んだのか、スマホに指を指している
(何だ?スマホになんかあるの?)
『お前、言語変換出来ねぇの?』
(何でこの人アタシの番号知ってるの?もしかしてストーカーとか)
『ちょっと手出せ。お前の顔見てると、なんかスゲェ失礼な勘違いされてそうだから。』
何か赤い石みたいなものを押し付けられた瞬間
「これでオレの言葉は理解出来るだろ。それでお前何者だ?」
「っていうかアンタこそ何?」
「オレ?旅人ってところかな。」
(アタシの直感として、コイツ不良だ。)
「これも何かの縁か、その石お前にやるよ。肌身離さず持ってれば大抵のヤツの言葉はわかるぜ」
(肌身離さずっていっても・・・鞄じゃ駄目だろうし、ポケットはかさばる)
ふと思い出し鞄をあさる
初詣でばあちゃんに買ってもらった御守り
何故か『安産祈願』、近いうちに必要になるからとか。
キスもまだなのに。
首から下げるか。結び目に手が届かない。
「ちょっと悪いんだけどこれ付けてくんない?届かないから。」
「オレ?ちょっとまてよ」
「つべこべ言わずに付けるの手伝って!」
「分かったよ。まあお前とはもう会わないだろうし。」
渋々手伝ってくれた。根は優しい人のようだ。
その時笛の音色と共に誰かの声が聞こえた。
ジャッカル様そろそろ出立する時間ですぞー
きゅるるるるー
ついでにアタシのお腹の音も。
「呼ばれちまったからそろそろ行くわ。この先に村があるからお前も何とかなるだろ。あと腹減ってるみたいだからこれもな。じゃあな。」
「お前って、アタシの名前は・・・」
言う前に行ってしまった。
「ジャッカルか。」
押し付けられた林檎の袋を持ったままアタシは彼の去った道をしばらく見続けていた。
夕暮れの空の下、村を目指しているが一向に着かない。
アタシだまされた?
若干泣きそうになってたところで一軒の家を見つけた。
(助かったー)
「ごめんくださーい。」
やや重い扉を開け中に入ると
小柄なオッチャンとその娘さんらしき人が見るからにゴロツキな方々に囚われてる最中
玄関開けたら2秒で盗賊みたいな状況です。
あれ?涙が出てきた。
素人の書いた自己満足作品になります。