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無題の物語  作者: 夢想転生
杉崎彩斗の章
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ギルド、報酬、1日の終わり

「……はい、これでギルドへの登録は完了です。こちらがギルドライセンスになります。初回登録ということなのでストーンランクからのスタートになります。ランクを上げることで多くの特典を受けることができますのでまずはゴールドランク目指してがんばりましょう!」


登録はすぐに終わったが、ランクだのクエスト受注に必要なスタンプのデザインを自作したりとかなり疲れた……しかしこれがライセンスなのか。ただの腕輪のようだが…


「ギルドライセンスは魔力を通すことで情報が表示されるようになっています。今は簡素なデザインですがランクが上がるにつれて装飾なども増えますのでランクが低い高いは見れば分かります。下手な見栄は張らないように。……次の方、こちらへどうぞ」



「これがギルド……でっけぇ…」

ギルド内部はまるで休日のデパートのように人が行き来していた


「受注は……っととすみません」

「前見て歩けストーンのクソガキ!」


全く、あんなキレやすい人間はどこにでもいるんだな。っと受注掲示板見逃すところだった……お?


「巨大猪の捕獲、生死を問わず、報酬は3000ガル。生け捕りなら報酬上乗せ……仲介料は……300ガル!」


ちょうど所持金と同じだしクリアしてるから受けない理由がない!

これを持っていけばいいんだったな。



「ハァイ、冒険者さん。御用件は何かしら?」


「これの依頼を受けたいんですけど……」


「それじゃライセンス起動してそこの台にセットしてくださぁい……はいオーケーよ。あとはここにスタンプ押して、仲介料いただくわね?」


「はい、300ガルです。ハンコはここですね」


「確認できたらどこでもいいわよ。……はい、これで受注完了よ。依頼者のところまで案内人出すからちょーっと待っててね」


そうして座って待つこと数分。

「お待たせしました。それでは行きましょうか。と言ってもすぐのところに住む方ですがね」

「よろしくお願いします」


「ここですね。すみません、ニックです。リディさんいらっしゃいますか?」


案内人はドアをノックしてそう呼びかけた。

2分ほどして中から男が出てきた。


「今回の冒険者はそこのストーンか?」

「ええ、その通りです」


「まあ期待はしてないが受けたんならやってもらうしかないな。いいか、特徴としてはやはり大きいんだ。普通は精々俺の腰より高いくらいだがそいつは違う。お前よりふた回りくらい大きいくらいだったはずだ」


……やっぱり"アイツ"だ


「しかも性格も凶暴でリタイア続出してんだから困ったもんだ」


「なるほど、十分わかりました。町の外までついて来てもらってもいいですか?見せたいものがあります。」


「町の外って……関係なくないか?まあいいけどよ…」


町の外の平原、人がいないことを確認して

「コール、サモン!」


カードから飛び出す大猪


腰を抜かす依頼人


目を見開いて動かない案内人


そして得意そうな俺、いや僕


「依頼ってこいつのことですよね。」


「あ、あんた何者だよ。1つ上のカッパーどころか2つ上のブロンズでさえリタイアしてたのに……」


「運良く大木に牙が刺さって抜けなかったんですよ。それで腱を切って動けなくしました。とにかく生け捕りなので報酬上乗せしてくださいね」


「お、おう、半額上乗せして4500ガル渡そう」


やったぜ。これでしばらくなんとかなりそうだ。


「解体用の鉈とギルドから行商人何人か連れてくるからしばらく待ってろ!」


大急ぎで街に戻り10分ほどで3人連れて帰ってきた

「ほら、報酬の4500ガルだ。ありがとうよニイちゃん!」


ー あんたらいくらだけ買うってんだい!

ー 20キロ買おう!

ー 俺は30キロだ!

ー 俺は足の付け根の辺りの肉を買おう!


「ついでなんですけど、普通くらいの大きさの生きた猪、4頭いるのを買って欲しいんですが」

「「「「買った!」」」」


「むふふ、報酬と合わせて7000ガル、いい儲けになったぜ」


「宿に帰って来るなり気持ち悪いですね」


「き、客に向かってそれはないでしょ」


「で、いくらになったんですって?」


「スルーするなよ……報酬で4500ガル、他にも猪を売って2500ガル、合計7000ガルになりましたよ」


「やったじゃないか。とりあえず今日の宿泊費は貰ってくよ」


「わっ!急に持ってかないでください!」


「乙女の柔肌味わえて役得だろ?」


「自分で言わないでください」


「ハハハハハハ!違いないね!」


そんな他愛ない話をして夜が更けていった。かなり充実した1日になった。


「この世界じゃあんな目に合わなくて済む……あんな目って一体なんのことだ?思い出せない……きっとそれほど重要じゃないことだろう」


月明かりに照らされながら独り言が夜の空に溶けていった。


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