神秘、結合、選ばれし者
リーナを封印、いや、契約と言うべきだろうか。色々と話をしているうちに色んなことを知ることができた。
この世界は5つの大陸から成ること。
その中心の大陸は魔王が統治していて、そこに住む魔物は友好的な奴が多いこと。
その大陸に行くには他の4つの大陸にいる四天王に許可をもらう必要があること。
魔王は代々莫大な魔力を持っていて古代の魔法を扱えること。
大まかに言えばこんなことだったかな。一番重要なのが古代の魔法を扱えるってことなんだがもしかしたら元の世界に帰る方法を知ってるかもしれない。
「さっき言ってた 四天王、この大陸にもいるんだろ?早速向かおうぜ」
『えー?ここからだと結構遠いし誰かの馬車に相乗りさせてもらわなきゃ厳しいよ?七日間丸々歩いてやっと2つある関所のうちの一つに辿り着くんだよ?』
「ちなみに馬車だと?」
『途中休憩挟んで3日くらいだったかな、2日捕まらなくても歩くより早いね』
困ったな…ここに来る時みたいに親切な人がいればいいんだが……
仕方ない、ここにいても馬車は捕まらないしヒッチハイクなんて良いかもしれないな。
「よし、馬車探しに行くか!」
『待ってよサイト!馬車探すってアテはあるのよね!?』
「ない!親切な人が乗せてくれるのをひたすら待つだけだ!」
結論から言おう、1つ目の馬車が乗せてくれた。
ここに来る時に乗せてくれたおじさんがこれまた偶然にも関所の近くまで向かうと言うのだ。
「まさかまた会うなんてな!これはもう運命なんじゃねえかな!ハッハッハ!」
「いやあホント助かりました。歩いて行ったらそれこそくたばってたかもしれませんよ」
「最近そこいらで狼が良く出るって注意回ってたもんなぁ!でもこっちでも出てきたら、その時は頼むぜ!」
俺が村に辿り着いた少し前に狼の大量発生に注意とのアナウンスがあったらしい。フロント出る時にも注意されたがどうやらこの辺りでよく見られてるとのことだ。
「チッ、運が悪いな、あいつらが出やがった!仕事の時間だ!」
前方に3頭、左の脇道から1頭の4頭が現れた。…図書館で読んだのと少し違う…
「気にしたって仕方ない!カードフルオープン、サモン!」
撃ち落とす数々の剣、突進してくる狼たち。各々避ける素ぶりも見せずに貫かれて行った」
「おかしいな…」
『この種族ってかなり警戒心強いはずなのに』
「とにかく調べてみよ……あつっ!?なんだこれ!?」
次の瞬間、それぞれから炎が吹き上がった
「ひ、ひぃ!?なんだ!?こりゃあ!?」
「どうなってる!?リーナ、わかるか!?」
『あの魔力、火の四天王の能力じゃ…?』
「あれが…なんだか嫌な予感がする。先に進もう!」
「お、おい!待て、危ねえぞ!俺は付いていけねえし行くってんなら置いて行くからな!!」
「ごめんなさい、それでもこれは放っておいたらまずい気がするんです。…だから、また何処かで会いましょう。」