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ナチュラル以外の四天王の表情が曇る。

「いやだいやだ。オレは今のダーク様も好きだから、一緒にいたい、元のダーク様がなくなっていたのはつらいけれど、元のダーク様も疲れていたし、少し休ませてあげたいよ」

「私もです。昔のダーク様も優しかったですけれど、今のダーク様も尊敬しています。できればもう少しだけでもそばにいたいです」

「おれも……でも今の体ってゾンビ?」

「まあ、そうなるね。そしていざとなれば蘇生が出来るセクシーがいるよ。逃げたって捕まえればいいさ」

 そうすれば、彼らは元々そばにいたダーク様と一緒に入れる。それならば……。

 でも、あたしに何の魅力があるのだろう。

「駄目駄目、いなくなろうって考えたでしょう、ダーク様。オレらは少なくともあと百年は一緒にいたいからっ。前のダーク様優しいけど怖いし」

「えっ、でも」

「毎日じゃなくていいぜ。そうだ、蘇生させてたまに今のダーク様が現れるようんしねぇか? できるだろ、ナチュラル」

「出来ないことはないけどぉ」

 めんどくさい、と言いたげにナチュラルは頬を膨らませた。でも、あたしもできるならそうしたい。普段はぐっすり眠って、たまにこっちに顔を出したい。

 みんなの様子は、やっぱり気になるし。

「あたしはたまに来たいなぁ」

「おねーさんが言うなら」

 ころりと態度を変えるナチュラルはかわいい。足をなでなでしてあげると、笑いだしてしまった。

「ボクはまあ、おねーさんがいる間はどっちもいるけどねぇ。ボクはこっちが本体だから、百年じゃ死なないよ。不老不死だから、もう歳とらないし」

「実ははたちとか?」

「残念、十二歳は本当なの。年齢詐欺みたいな体でごめんね? ボクはこれが成熟だからこれ以上見た目は育たないよ~」

 いかついおじさんになったナチュラルも見てみたいと思うけれど、まあ、いいか。

 そして、パーティが始まる。この前よりも豪勢な御馳走に、華やかなドレス。

 みんな燕尾服(ナチュラルはさすがに無理だった)を着て、優雅に笑う。

 ナチュラルへのご飯は魔法を使って渡していった。あたしは甘いショートケーキをもぐもぐしながら、幸せに浸る。

「やったね! 皆!」

「まあ、ほとんどナチュラルのおかげだけdなぁ。おれらおまけじゃん」

「そんなことないし、ボクだけじゃやりすぎたかもしれないし……まずキスが出来ない」

「その場の雰囲気ありきってか?」

「ん~。なんていうか恥ずかしい、本気で好きな人だから、なおさら」

「お前ダーク様好きなの?」

 パッションがぎょっとした顔をする。あたしも食べていたものをのどに詰まらせてむせた。慌ててクールが飲み物をもって来る。

 それをゆっくり飲んで、ナチュラルのほうを向く。顔は見えないけれど、赤い気がする。

「嘘じゃないからね? こっちに召還したのだって、あっちにいるときにすごく好みのおねーさんがいるから見てたら、魔法少女の素質があったからだし」

 ナチュラルは案外女好きなのかもしれないと思う一言だった。でもまあ、子どもの事だから、あれがファーストキスだってことは忘れることにしよう。

「魔法少女になれるってことは魔王になる素質もあるんだよ~。それを、ピュア走ってたみたいだね。魔力の関係で、結界を張れば生まれ変わることも出来るんだ。ただ、皆正義感熱い魔法少女や勇者だから、そんなことはしようとしないんだけど……ラブリーは力が膨大なぶん、見る目はなかったんだと思う」

 なるほど。話を聞きながらあたしはどんどん箸を進める。

「ボクはまあ、魔法使いとして魔法少女を作ったことはなかったから、よくわかんなかったけど、直感を信じたらいけたね~」

「好みだからだろ」

 キュートが白い目で見ながら言う。

「まあ、それもあるけど」

「認めるのかよ」

 呆れるキュートに、爆笑するパッション。クールは恥ずかしそうに目を背けていた。

「まあ、おいしいよね~ごちそう」

「ごまかした!?」

 あたしは思わず言った。

 その後は皆で食べて、騒いだ。キューtが踊り子として踊ってくれて、とても楽しかった。そして疲れて眠ろうとしたんだけど。

「ナチュラルは、そばにいないのよねぇ」

 魔法で作った毛布を外でかぶって寝るなcぢゅらるはかわいそうだ。だからって、何もできないけれど。

 だけどこれからは、クールがいろいろしてくれるって言うし、安心して眠ろう。

 どうせ起きたら、素直が待っているんだから。

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