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朝起きて、四天王と顔合わせる。誰もが、浮かない顔をしていた。どうせまた、戦うのだと思うとあたしだってはしゃぐ気になれない。

「あいつが、あっちにか……最悪だぜ」

「ほんと~」

「それでもオレは戦うけどね」

「私もです」:

 朝食をみんなで食べる。今日の朝食は、なんだか味が薄くて量だけが多い。クールにも余裕がなくなってきたのだろうか。

 ただ無言でご飯を食べて、いつでも戦えるように着替えていく。もう、次があると決まっているように。

 あたしは憂鬱な気持ちになりながら、キュートから渡された丈夫な服に着替える。色気も何もない、頑丈で動きやすい服だ。色だって、真っ黒でなんだか自分じゃないみたい。

 なんだかんだでいつも煌びやかな格好でいたから……ああ、戦いが始まるんだなあって思う。いやだ、逃げ出したい。でも魔王である自分が逃げだしたら、戦いはうまく行かないだろう。

 クールがお皿を洗い終わって、皆で緊張感のある時間を過ごしていると、またブザーが鳴った。

「今度はどこなの?」

 あたし小さな声で尋ねた。

「この城の前です……」

「そんな」

 がたん、と何かが壊される音がした。そして、そこに目をやると飛びあを壊して入ってきたピュアとラブリーと紫の髪をした美男子がいた。長く伸ばした髪を持ち、鋭い目をしている。

「やっぱりあいつか……」

「あいつ?」

 パッションの言葉にあたしは疑問を投げる。

 なんだかどこかで見たことがある顔だけれど……誰だったかしら?

「セクシーって言って、ボクが入る前の四天王のひとり、だよ?」

 四天王のひとり。つまりは、それなりに実力があるはずだ。

「能力は蘇生。彼の精力が尽きるまでいくらでも組成できるんです。攻撃力はありませんが、彼がいるだけで戦力がケタ違いになりますね」

 蘇生。それは生き返りの力と言う事だ。つまりは彼がいる限り、ピュアを倒すことはあたしたちには不可能だということだ……。

「そんな……」

「いきますよ、ダーク様!」

「ボクも久しぶりに本気出す!」

「今度こそ倒すぜ!」

「オレだって」

 盛り上がる四天王をよそに、あたしは血の気が引いていくのだった。



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