表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第二話 どうするよ……この空気…

頭の中でろくに整理もできず、やってきた合コン当日。

朝起きた俺は寝る前に話した薙理とのチャットが気になる。


うん? じゃあ、行ってあげようか?


あはは、期待してなさい!


……ホントに来るわけないよね?

そう考えた俺は忘れることにした。俺だったら、辿り着くの面倒だし。

普段通りに大学を過ごし、宗次郎とともに駅前の居酒屋へ。宗次郎はいつもに増してご機嫌そうだ。

こいつは俺をイジメて楽しむ性癖でもあるのだろうか? 勘弁して欲しい…。

「Lantern-ランタン-」という名前の店だった。古風な造りの店内が売りだと聞く。

宗次郎は店員と二言ほど話すと奥に向かって歩いて行く。俺も続いてついていくと6人程が座れるテーブルに辿り着いた。既に4人程先客がいる。女性3人に男性が一人席についていた。同じ序奏大学の生徒なのだろうか? 大学で見たことのあるような顔ぶれだった。


「遅えよ、宗! 俺だけで場を繋ぐの苦労したんだぞ?」


「わりぃ、授業が長引いてな。じゃあ、早速始めようか! 俺は宗次郎。あと、コイツが将吾であいつがヨシヒコ。よろしく頼むわ!」


「ど、どうも将吾です」


「どうもよろしくー。ヨシヒコでーす!」


「あはは、よろしくー。私はユウって言いまーす」


「あたしはルリ!」


「シノです」


こうして合コンは始まった。最初は飲み物をたのんで、フリートーク。将吾にとってはそれですら苦痛に感じてしまう。当然話についていけずに聞くだけに徹していた。たまに質問を振られることもあったが、分からないファッションや流行ことばかりだったので分からないとしか言えなかった。それから一時間がたった頃、宗次郎は将吾にとって恐ろしい提案をしてきた。


「そろそろ相手の中身がわかってきた頃だろう。今から自由時間にして、好きな人で話そうじゃないか」


周りはあっさり賛成して、その時間が始まってしまった。

ルリは宗次郎と、シノはヨシヒコと話し始め、俺は余ったユウさんと対面することになってしまった。最初は元気そうだったユウさんだったが、他の人に先を越されちゃったせいか、苛立ちが見えた。


「将吾くんってさー、モテそうにないよね」


グサッ


「……そうかな? そうかもしれないね」


「それに華奢だし」


グサッ


「そうだねー。鍛えてなかったから」


「あー、マシな彼氏が欲しいなー」


「………」


ユウは苛立ちを将吾に向けたのだった。さっきから刺さる言葉を投げかけている。

ここは我慢と耐える将吾だったが…


「将吾ってさあ、引きこもりなんじゃない? 話しも下手だし、流行も知らないし」


「………まあ、そうなるね。家でもあまり動く気もしないし」


苛立っていた俺は素のことを喋っていた。しかし、それがいけなかった。


「ぎゃはは、ホントに引きこもりなの? だっさ! 何できたの? あっ、彼女欲しいからだっけ?」


「ちょ、ちょっと! 言い過ぎよ!」


「だって、面白くないしー」


怒らない俺に調子に乗ったのか、ユウは笑い出した。さすがに、周りにも聞こえてルリが止めに入るがユウは辞めない。俺は怒りが抑えられなくなり立ち上がった。

その時だった。


ユウが突然机に突っ伏して動かなくなる。

背後には綺麗な黒髪ロングの女性が立っていた。和風美人と言うのだろうか、ユウの気絶と重なって場が凍った。


「ごめんなさい、たまたま通りがかったのだけどうるさかったもので…///」


恥じらうように言っている彼女だが恐ろしいことをしているので、場が凍りついたままだった。


「店員さーん、この人酔い潰れちゃったみたいで…。どこかに寝かせられませんか?」


彼女は店員を呼んで寝かしつけると。将吾の元へ。そして耳元に顔を近づけて


「あなたが小狐よね?」


突然の台詞に言葉がでない。それを肯定と読んだのか彼女に連れて行かれた。この事件は後に宗次郎から伝説とまで呼ばれ続けることになる。




また投稿してみました。

個人的には日常系を目指しているのですけどね…。

頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ