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霊剣歴程  作者: kadochika
最終話:霊剣、霊(くし)ぶ
138/145

13.神殺しの槍、終末の時計








 多国間特務戦隊、通称フォンディーナは、再び始原者メト――厳密にはその後継者を自称する者と、相まみえる。

 外殻装甲にして推進・武装でもある天船アムノトリヌスを失ってはいたものの、動力源である永久魔法物質(ヴィジウム)は、アムノトリフォンが単独で大気圏内での全力戦闘を行うには十分な量が残っていた。

 ベルゲ連邦南部に停泊していた移動都市ヴィルベルティーレからは、移民請負企業ハダル社長にして銀灰色の全身具足・シクシオウの着想者、レヴリス・アルジャン。

 レンシュ王国からアダ・オクトーバとヴィットリオ・ヒルモア、助言者カトラ・エルルゥクとその部下のジャコビッチ、ブルスキー、“両の目”の支部責任者ケティアルク・シェボ。

 および生還した魔人カイツ・オーリンゲンと、彼が救助に成功していた聖別鎧を駆る啓蒙者の娘、ジル・ハー・シンディス。

 妖魔領域北端のハロルト辺境伯領からは、打倒始原者の切り札を携えた、タルタス・ヴェゲナ・ルフレートとその指揮下の異母兄弟たち。

 そして、狂王の宝物庫からそのまま天船に乗ってきた、グリゼルダとアリシャフト、キルシュブリューテ。

 船長であるセオ・ヴェゲナ・ルフレートとその妻トラティンシカが大陸の各地を周って全ての突入要員を回収し、今や彼らは最終決戦に望む態勢だった。

 巡航状態とはいえ、速度はセオが独身時代に乗り回していた時とは比較にならない。

 始原者の周辺地域は深夜だが、往時と同様の機能を取り戻したアムノトリフォンの感覚機器は、始原者の周辺に分布する新たな敵の陣容を暴きだしていた。


『全ての準備の完了を確認。敵の配置を確認』


 総船室には、彼と妻の他には、連絡や操船補助を行わせる部下と使い魔のみ。

 天船の制御人格の報告に答えて、セオは操舵を行う妻に指示を出した。


「フォンディーナ、作戦開始! アムノトリフォン、第一次旋回機動!」

「了解! 第一次旋回機動! 右舷全速前進!」


 トラティンシカが大きく舵を切ると、アムノトリフォン後部の推進場生成単位格子(エンジングリッド)から放射される超対称性粒子が推進場を変形させ、全長400メートルの船体を夜空に滑らせる。

 全高300キロメートル、直径100キロメートルほどの始原者に対し、天船は高度わずか1000メートル。

 既に、遠方から確認できていた三体の大型の敵が接近を始めていた。

 アムノトリフォンの前後長400メートルに対し、敵は更に巨大だ。

 白い体毛にまみれた蛇のようなモノからは、無数の針状の魔弾。

 巨大な手のひらのようなモノからは、閃光と共に破裂する超高速の魔弾。

 それらを障壁で防いだことで、天船の速度が更に低下する。

 そこを狙うかのように、棘の生え並んだ四角形の枠を四つ折りにしたようなモノが全体を大きく開き、ワニの顎のような形状になって天船に襲いかかった。

 差し渡し1000メートルはあろうかという巨大な(あぎと)、そこに並んで輝く牙。

 噛みつかれれば、トリノアイヴェクスよりも防御性能は数段落ちるアムノトリフォンなど、防御したところでどうなるか。

 しかし、そこから飛び出した三つの光が、それを阻止した。

 一つは、赤と銀の色の入り混じった魔人。


「お前らの相手はこっちだ!」


 彼を中心に強力な念動力場が半球状に発振される。

 だが、巨大な噛み付きは止まらず、彼は代わって全開の加速で体当たりを掛け、巨大な顎だけの怪物の進路を横殴り気味に狂わせた。

 大質量の攻撃は、かろうじて天船から逸れる。


「クソ、何か効きが悪かった……!」


 もう一つは、翼を生やした純白の聖別鎧。


『推定質量およそ2万5000トン。干渉念場、最大出力!』

「受け止めて、押し返すイメージ!」


 魔人と同じ原理で放射された質量を伴わない運動エネルギーが、白い体毛の巨大な蛇を包もうとするも、やはり効果がない。


『天船の内部で始原者の尖兵が使用していたという、対魔法装甲に類似した機能があるのでしょう。

 ジル、ここは拳と実弾で押し通ります!』

「りょ、了解!」


 両翼に格納されていた細長い砲身を両脇の下から前方へ突き出すと、透明な魔法物質の殻に包まれた針のような徹甲弾が、極超音速で2発同時に射出された。

 巨大な体躯に比べて小さくはあるが、衝撃波と威力で着弾箇所が半球状に陥没し、ついでに殺しきれなかった運動エネルギーで巨体を吹き飛ばす。


「い、行けるかな?」

『行くのです!』


 同時に飛び出した最後が、銀灰色の全身具足。

 ただしこちらは、今までとは形状が違った。


「愛よ……鋼鉄の砦となれ!」


 その左腕に固定された銀灰色の盾が輝くと、やはり強大な念動力場が発生し、敵の魔弾を防ぐ。

 そして右腕の、同じく銀灰色をした槍の穂先からは、熱線が奔った。


「己を貫く因果となれ!」


 盾で防いだ敵の魔弾を分解・吸収し、エネルギー量は半分以下になるが、熱線として撃ち返す。

 毛皮のような外皮に弾かれ目立った効果は挙げなかったが、敵を怯ませ、天船へ向かうのを妨害することが出来た。

 全身を覆う装甲の、さらに外側に増加した装甲――そして腰から後ろに伸びた延長竜骨からは、“もう一対の両足”が生えている。

 自分の生身が入った両足と合わせ、推進力を生む足が都合四本に増えた、伝承にいう人馬の形態。

 レヴリスが移動都市(ヴィルベルティーレ)の閉鎖区画から発見した、銀灰色の鎧(シクシオウ)用の強化装備だった。


「名付けて、シクシオウ・ケンタロウッ!」


 魔人と聖別鎧と、人馬一体を象った具足が空を駆け、三体の怪物との応酬を始める。

 始原者の向こう、西の地平線に沈みつつある満月のささやかな月明かりが、それをささやかに照らしていた。

 その間にアムノトリフォンは加速し、再び始原者に接近する。


『頼みましたわよ、御三方!』


 三者三様、銃鞘(フォンディーナ)の名を冠した戦士たちが、始原者の尖兵から船を守るべく、空中を激しく疾駆し、攻撃を仕掛ける。

 純白の聖別鎧の制御系でもある人工人コグノスコが、内部のジル・ハーに警告した。


『ジル! 事前の打ち合わせ通り、決して倒してしまわないこと! 始原者の尖兵たちは、人類の反撃に応じて戦力を増強している可能性があります!

 動きを見る限り、あくまで12時間後の滅亡予定時刻まで遠ざける程度の戦力に限られるようですが――』

「聞いてたってば! あんまりやりすぎるともっと強いのを出されるかも知れないってことでしょ!」

「んな心配しなくても、こいつはちと難物だ! でかすぎるし、硬すぎる!」


 赤と銀色の入り混じった空中高速運動形態に変身しているカイツが、念話の要領でジル・ハーたちに声を届ける。

 魔弾を連射する巨大な怪物たちに対し、彼らは亜音速以上での空中機動を続けなければならない状態だった。


『だが、負けはしない……!

 既に一度、宇宙に出ようとした妖族たちの試みが潰されているとなれば――その遺産を駆る俺が、再び敗れるわけにはいかないからな!』

「おっさんに言われるまでもねえ!」

『おっさんじゃない!!』

「人類史はこれからも続く! 宇宙からのお邪魔虫に、俺の研究のテーマを消されてたまるか!」


 熱線と高圧電流が炎雷の雨となって輝き、白い体毛に覆われた巨大な蛇を焼く。

 しかし、可燃性の高そうなその表皮には延焼することもなく、逆に針状の魔弾が無数に放たれる。

 一本一本は、人間の扱う槍のような大きさがあった。


『と、このように殿方二人は燃えておりますが、ジル』

「あたしはそういうの特にないから! 強いて言えば……あなたと、カイツのため!」

『え、何、君たちそういう関係? おじさんニヤけちゃうなぁ』

「自分で言うのはいいのかよおっさん!?」

『自分で宣言する分にはいいが、他人に決められると腹が立つってもんだ!

 特に、死に時なんてものはな!』

『とりあえずしばらくは余裕がありそうですのね……アムノトリフォン、急速上昇機動!』


 トラティンシカは足止め班のやり取りにぼやきつつも、昇降舵を上昇方向に切り、急増速する。

 天船よりも巨大な敵を相手に、彼らは果敢に攻撃を加えていた。

 ともすればまた見殺しにすることになってしまうのではないかと危惧しつつも、変速桿は動かさない。

 高度は2000、5000、10000、まだ上がる。

 全長4メートルほどの、翼の生えた回遊魚を思わせる形状の無数の敵が追随し、時に体当たりを行うが、これは装甲を覆う障壁に阻まれ、また天船の高度が海抜2万メートルを超えた時点で空力の限界を迎えたのか、“翼魚”の群れは追尾をやめた。

 高度が100キロメートルを越えると、アムノトリフォンは昇降舵を緩めて上昇角を抑える。


「アムノトリフォン、第二次旋回機動!」


 鋼鉄色の天船は、再び始原者メトの、今度は中腹程度を周回する運動に移り始めた。

 距離は約30キロメートルほど離しているが、始原者は早くもその表面にいくつも巨大な穴を開け、その中から羽化直前の蝶のように何かを産み落とそうとしていた。

 下でレヴリスたちが相手をしている巨大な敵も、あのようにして送り出されたものなのだろう。

 総船室からセオが、甲板に展開したタルタスたちに確認する。


『準備はよろしいか、タルタス兄上!』

『無論だとも』


 船外活動服を支給された狂王の子女たちが三十余名、一堂に会している。

 その中には、かつてタルタスの配下の“嫡子部隊”として動いていた、カスカとイルシュスクの二名の姿もあった。

 この高度に至ってはもはや大気もほとんど無いため、全員が船外活動服――タルタスだけは、船外活動服ではなく深海の色の鎧(カテナ・デストルエレ)を着用している。

 周囲は既に暗く、四方を見渡せば、視線より上は宇宙の黒、視線より下は夜の群青で塗りつぶされていた。

 僅かに点々と輝いて見えるのは、文明の灯だ。

 ただ、随分と丸みを帯び始めた東の地平線の向こうには、太陽が昇ろうとしているのが見える。

 余談になるが、海抜高度150キロメートルの高みでは、体重も僅かに――天船によれば、おおよそ2.3パーセントほど――減少する。

 生まれて初めて見るであろう幻想的な光景に目を奪われるものも多かったが、それよりもなお目を引くのは、更に天へと向かってそびえ立つ始原者の威容と、その足元と呼んで良いような低さに浮かんでいる雲の小ささだった。

 肉眼であれば分かりづらいところだが、彼らに船外活動服を提供している天船が、バイザーを通る光に補正を加えて見やすくしているのだ。


「総員、連携準備。これより我ら、狂王ゾディアックが血を引くことを証明する!」


 そこまで宣言して、タルタスは妖術を行使した。


開闢(かいびゃく)する天地よ……」


 秘奥、精霊万華鏡(せいれいまんげきょう)

 待機状態にある魔法物質の結晶を核とし、本来のものとは異なる時空間を生成する大妖術である。

 天船の近傍の空間の裏側に()()が生み出されると、続いてパピヨン・ヴェゲナ・ルフレートが妖術を行使した。


(いで)よ! 四百余州(しひゃくよしゅう)を救わんがため!」


 集まった子女の中で、恐らく最も小さな体格の少女の呼びかけに応じたかのごとく。

 アムノトリフォンの甲板上、彼女の背後に、全高10メートルほどの、上半身だけの巨大な甲冑が出現した。

 不動華冑(ふどうかちゅう)

 妖術で作られた人造の魔力炉であり、空間に存在する魔力線を高効率で蓄積するという特異妖術の一つにして、魔力の絶対量で劣るパピヨンの切り札でもある。

 だが、その特異性故に、今回の作戦の鍵となり得た。

 タルタスは、さらに指示を行う。


「全員、魔力(ヴィース)を放出しろ! 妖術に形を与えず放出する、練習通りの要領だ!」


 タルタスとパピヨンを除く、狂王の子女の全員が、指示通りに心を凝らし、全身の細胞に分布する変換小体を働かせた。

 彼らの体を通じて、大気中に存在する魔力は不動華冑へと更に集まる。


「タルタス兄様! 核晶(かくしょう)の接続を!」

「接続する」


 巨大な不動華冑の背後の頭上の空間から、淡い水色に輝く多角柱が出現した。

 内部を輝く液体が循環し続ける透明な繊維質を押し固めたような質感は、精霊万華鏡の中核となる魔具、制御核晶(せいぎょかくしょう)だ。

 それが、ちょうど不動華冑の、人間でいえばうなじのやや上にあたる部分にゆっくりと突き刺さる。

 不動華冑に集められた無形の魔力を、精霊万華鏡の内部に送り込むための形態だ。

 魔女の数倍から数十倍の魔力を持つ妖族の、更に数十倍、時には数百倍もの魔力が、人数分。

 おおよそ地上では成し得ない、強大極まる力の一点集中。

 これが出来るのは、狂王ゾディアック本人だけだろう。

 そして、ハロルトの沿岸で予行演習を行った成果か、力の収束が遥かに早かった。

 あと20秒もすれば、全員の魔力の枯渇と引き換えに、精霊万華鏡の内部に最大出力を蓄積することが出来る。

 が、その時。


『危ない!』


 アムノトリフォンの近接防御装置が作動し、外部から飛来した魔弾の幾つかを撃ち落とした。

 だが、全てを落とすことは出来ず、甲板に複数の魔弾が着弾し、破片を撒き散らす。


「――! 何ですか……!?」

「パピヨン以外は集中を中断! 負傷者を船内へ!」


 不動華冑を通じて精霊万華鏡に魔力を注ぎこむことに集中していた子女の何人かが負傷し、タルタスは無事な者に回収と退避を命じた。

 魔弾の来た方向を見やれば、黒い空の向こうに、一点の赤い輝き。


「ち……!」


 精霊万華鏡の制御を維持しつつ、深海の色の鎧(カテナ・デストルエレ)に装着していた複数の魔具剣を抜く。

 次の瞬間、飛来した赤い閃光に弾き飛ばされ、タルタスは宙を舞いつつも鎧の噴進光を作動させて態勢を取り戻した。

 それは余裕というものなのか、来襲した敵は長い槍を構えて甲板に降り立ち、こちらに明確に姿を見せた。


『タルタス兄上! 甲板の状況は見えているが――どうする!』


 セオの声には答えず、タルタスは脅威の対象を見た。

 荒ぶるその鎧の中身は、深海の色の鎧(カテナ・デストルエレ)の作用で伝わってくる声で判った。


「こんなところに集まってやがったとはなぁ、クソダヌキどもッ!!」

「リーンか……! このまま続行だ、セオ! こちらは収める!」

「余裕じゃねぇかカスがッ!!」


 吠えるその姿に、胸中で呻く。


「(魔具の力を借りてとはいえ、ここまでやってくる執念……)」


 リーン。かつて狂王に母を殺された怨念で自主的な廃嫡を宣言し、以来、狂王やその血族に連なる者の命を狙い続けているという難物だった。

 しかし、その妖精の如き美貌は今や、血のように赤い全身具足に、爪先から頭頂までを覆われている。

 意匠は、銀灰色の鎧(シクシオウ)深海の色の鎧(カテナ・デストルエレ)に似ていた。

 しかし、腰からは、細長い付属肢に接続された鋭利な長剣が左右に伸びている。

 更にタルタスやレヴリスの鎧では四肢や背中などにしか付いていない噴進光の発振体が全身に多数配置されており、脚部はそれを収める都合だろう、容積が一回り以上肥大化していた。

 恐らくはコショク・ジャックニッカの制作した宇宙活動用の全身具足の中でもより新しく、より明確に戦闘を意識したものだと思われた。

 体格の小さなリーンが着装出来ているのは、タルタスやレヴリスの鎧にも存在する、ある程度までは着用者の体格の変化に合わせる機能が作用しているためだろう。

 タルタスは分析しつつも、リーンに尋ねる。


「その全身具足、どこで手に入れた」

「イヤだねぇ、自分の嫌われ具合に自覚のねぇクズってのはよ!

 昔お前に煮え湯を飲まされた――えーと、名前忘れちまったわ。まぁいいやな、そいつがくれたのさ。

 感謝はしてるぜ、この鮮血の色の鎧(ヴァイスリーア)ってやつぁ、こんな高さまで飛んだ手前らを追いかけることも出来るんだからなァ!」


 右手に長槍、左手に長剣を握り、急加速して斬りかかるリーン、魔具剣を構えて受け止めるタルタス。

 だが、長剣の刃の縁が眩く輝くと、タルタスの構えた魔具剣は断面も鮮やかに刃の中程から切断された。


「――――!」


 近距離での噴進光の連続発振で強烈な高圧が発生し、タルタスはまたも吹き飛び、体勢を崩される。

 追撃は、霊剣を抜いて受け止めた。

 道標の名を持つ霊剣(パノーヴニク)の硬度は、ジャックニッカの剣による一撃を無事に受け止めた。

 ほぼ真空の空間にもかかわらず、勝ち誇るようなリーンの声が、鎧同士の作用でタルタスにも聞き取れる。


「ジャックニッカ! 俺でも知ってる妖族の最名工の作だぜ!

 たとえ鎧のオマケだろうと、手前の少しばかり値が張るだけのガラクタなんざ、そこらの枝切れみてぇにさっくり切る!!」

「……よく聞けリーン」

「聞かないね! 死ねや!!」


 タルタスは、なおも襲い来る鮮血の色の鎧の少女の攻撃を捌きながら辛抱強く語りかける。


「我々がしていることが何か、知っているのか。これはあの始原者メトを倒すための作戦だ。

 お前も三日前、あの“声”を聞いたことと思うが――」

「知った事か! いつ世界が滅ぼうと関係ねえ――いや、もうすぐ世界が滅ぶってんなら、なおのこと!

 俺の手で一人でも多く、あのクソの血を間引くのが! せめてものケジメってやつだろうが!!」

(価値基準に異常を来している。説得などとうに望めまいぞ)


 道標の名を持つ霊剣(パノーヴニク)の評価に、タルタスは僅かな心残りとともに嘆息する。


「それがお前の教えてくれた政治というものだったはずだ。

 それ自体は無駄だと分かっていても、試して見せておかねばならんこともあるとな」

「ホザけやゴミがぁッ――!!」


 激昂を強めるリーンの、更なる攻撃――そこに、介入が生じる。


「!?」


 怒りの刃を受け止めたのは、乱れた杢目(もくめ)の走る木剣だった。

 鬼気迫る表情で、リーン。


「何だぁ、手前ェ……!」

「ヤクネ・ヴェゲナ・ルフレート。君がリーンだね。タルタスから話は、触りばかりだが聞いている」


 ヤクネは純銅色の艶やかな髪を、今は船外活動服の兜の中に収めていた。

 その名を聴いたリーンの表情が、僅かにこわばる。


「ヤクネ、だと……!?」

「一番上の、お姉さんさ!」


 そこで切り結ぶのを中断し、二人は相互に飛び退く。

 ヤクネは相手から視線を外さず、船外活動服の中からタルタスに告げた。


「多少窮屈な装束だが、私はこの子を何とかするよ。君たちは作戦を続けて、タルタス」

「御意」

「ヨユーじゃねぇかなぁオイ……」


 姿勢も低く、リーンが唸る。

 その表情は窺えないが、きっと眉間の皺が絶えないことだろう。


「ぶっこいてんじゃねェぞごらァ!!」

「ふ!」


 見た目には木剣でしかない二振りのそれで剣を受け止めるヤクネの方には、さすがというべきか、余裕があった。

 ヤクネの技は、身を持って受けた自分がよく知っている。

 タルタスは二人の戦いから目をそらすと、遠巻きにその様子をうかがっていた他の異母兄弟たちに指示を出した。


「集中を再開する! ここはヤクネ姉上に任せて、生まれつつある始原者の尖兵がこちらに来る前に発動するぞ!」


 子女たちは負傷した者を妖術で治療し、再び集結して精神を集中し始める。

 パピヨンに至ってはリーンの襲撃にも臆さず、不動華冑の維持を続けていた。


「させっかよ!!」


 剣を鎧の付属肢から取り外して投げつけるリーンだが、その投剣は即座にヤクネに妨害される。

 精霊万華鏡にほとんどの魔力を注ぎこんだ関係でまともな妖術が使えないはずだが、彼女にとってはそれも些細な問題らしい。


「そろそろ精霊万華鏡の界面強度の限界に達する! フランベリーゼ!」

「おう!」


 名を呼ぶと、巨大な煙管を携えた長身の娘が進み出て、不動華冑を維持するパピヨンに近づいた。

 そのまま上半身だけの巨人が差し出す左の手のひらに乗ると、その延髄に相当する部分に接続している制御核晶に触れた。


「我らが焔こそが、怨敵を貫く!」


 精霊万華鏡によって生成された異空間、その内部に充満した魔力に、形が与えられた。

 逃げ場のない狭い空間の内部で高密度に蓄積されていた魔力に、「高熱を帯びた魔法物質」という行き先が提示される。

 水をゆっくりと、振動などを与えないようにして均一に冷却してゆくと、氷点下まで温度が下がっても氷にならず、水のまま温度が下がっていくという現象が、自然界には存在する。

 ところが、これに僅かな振動が加わる、あるいは核となる小さな氷の結晶が混入するだけで、水は急速に結晶化して氷になってしまう。

 それと似た現象が、種火となる妖術を注がれた膨大な魔力にも起きているのだ。


「よし、核晶分離!」

「はい!」


 パピヨンが応えると、不動華冑の後頭部下に突き刺さっていた制御核晶が、そこから抜け出て輝く。

 今や核晶は水を思わせる淡い青色ではなく、内部に太陽を閉じ込めたかのような眩い白熱光を保持していた。

 急速に温度と圧力を上げていく、精霊万華鏡の異空間。

 制御しているタルタスには分かるが、温度については指数関数的に膨れ上がり続けていた。

 火炎の温度、気化金属の温度、恒星の表面温度、恒星の内部温度、恒星の中心温度――一億度、一兆度。

 圧力も同時に上がっており、それが温度上昇に拍車をかけていた。

 これだけの超々高温でも、内部の灼熱の魔法物質が異空間から漏れ出すことはない。

 だがその徴候を危険と見たか、始原者から産み落とされた巨大な怪物が六体、羽化を終えてこちらに攻撃を仕掛けようとしているらしかった。

 タルタスは一呼吸して、宣言する。


「これぞ、妖星渦動砲(ようせいかどうほう)

 総員、パピヨンによる投擲後、速やかに船内へと退避せよ。

 パピヨン、放て!」

「てぇぇぇい!」


 小さな王女の構えに同調し、長さ5メートルほどの制御核晶をむんずと握った不動華冑が、振りかぶり、投げる!

 甲板に出ていた者達は、ほぼ全員が予め開けられていた複数の入り口へと分散して駆けこむ。

 それを見たリーンは、ヤクネと剣を交えつつも呻いた。


「ちっ……何をするのか知らねェが!!」

「私も、そろそろ(いとま)でね!」


 ヤクネは大きく木剣を振り、リーンの剣を弾き飛ばした。


「逃げんじゃねえッ!!」


 追撃の魔弾も華麗に木剣で弾き、彼女も退避を終える。

 パピヨンも不動華冑を消して船内へと戻ったらしく、甲板に残っているのはタルタスとリーンだけだった。


「おいゴミ溜めダヌキ……何企んでやがる……!?」

「始原者の打倒だ。お前こそ……いや。

 その鎧があれば問題はないな」

「何……?」


 不動華冑が始原者に向かって投擲した輝く制御核晶は、目標に向かって、光の点となって進んでゆく。

 それを始原者に近づける訳にはいかないと判断したのか、背中から多数の鋭い剣状の器官を生やした龍とも付かない形状の怪物――地上に降りてきた三体に準じる質量があると思われた――が、その進路を塞ぐ軌道を取った。

 タルタスはそこで、精霊万華鏡の制御を破棄する指令を送る。


「再誕する禍星(まがほし)よ!」


 制御核晶が崩壊し、内部で圧縮されていた魔法物質が破裂した。

 天船の分析によれば、太陽の中心核に匹敵するほどの超々高温、超々高圧が、精霊万華鏡で生成された異空間の内部に閉じ込められていた。

 制御核晶の崩壊で開放された魔法物質は、そこから比べると一気に超々低温、超々低圧の世界に晒されたことになる。

 一秒の1/10000にも満たない時間。

 それは爆発的に加速・膨張し、超高温・超高圧・亜光速の槍となって世界に現出――始原者を極めて激しく貫いた。

 平均直径およそ800メートル、長さにして2万キロメートル。

 それが神殺しの槍、妖星(ようせい)渦動(かどう)(ほう)の姿だった。

 遠く離れて見れば、惑星の地表から一瞬だけ、細長い輝線が自転軸の北側に向かって伸びたのを観測できただろう。

 天船アムノトリフォン、そしてその甲板に残ったタルタスとリーンも、反射された激しい輻射熱と光と放射線に飲まれた。

 割合としてはほとんどが始原者にダメージを与えたが、絶対量が多いために余剰反射される光量も莫大なものとなる。

 地表の両軍やそれに近い高度で近くで戦っていたレヴリスたちには、150キロメートル近い距離と成層圏が緩衝材となり、一時的に強烈な光が天から降り注いだようにしか見えなかったはずだが――


「さすがに、宇宙活動用として作られたジャックニッカの鎧を貫通するほどの光が反射されてくることはなかったようだな……

 目は無事か、リーン」

「ぐぁ、畜生……! あ、アーノルド……!」


 ちなみに、ハロルトでの演習でも、事前に準備していた戦時用の地下壕に退避して、同様のことを行っていた。

 リーンはといえば、剣を放り出し、槍を抱えて苦しんでいた。恐らく、ただ一人の部下であるアーノルドを特異妖術の不可侵行脚ディヴィナ・オペラシオンで生きたまま変形させていたのだろう。

 鮮血の色の鎧(ヴァイスリーア)の機能が働いていれば、失明しているということはないはずだ。

 光が止めば、そこには再び、暗い宇宙の色と、薄暗い地上の夜の色でぼんやりと二分された世界が戻っていた。

 ただし、こちらを攻撃しようとしていた始原者の尖兵たちは僅かな残骸を残して吹き飛び、始原者は熱と光圧によってその中腹に直径1キロメートルを超える巨大な穴を穿たれ、反対側の空間が薄っすらと窺える――穴の内側には基体の一部がガスとなって滞留している――ほどの被害を受けている。


「う……」


 さしものタルタスも、膝を突く。

 異母兄弟たちが要領を掴んだためか、魔力の蓄積速度が極めて早く、魔力が抜け出ないよう界面の構成密度を高めたのが原因だった。

 あわよくば、貫通ではなく内部で全てのエネルギーを破裂させて内側から破壊してもやりたかったが、まずは始原者にそれなりの打撃を与えたことに満足すべきだろう。

 妙な加減をして弾かれては、目も当てられなかったところだ。

 始原者の土手腹に空いた大穴を見つめ、呻く。


「……ドリハルトを汚した罪は、これで水に流してやろう。

 だがまだだ……まだ終わりではないぞ、始原者……!」


 妖星渦動砲の成功時点で、作戦は三通りの事態を想定されていた。

 一つは、神殺しの槍が始原者に明確な被害を与えることが出来なかった(防がれた)場合。

 もう一つが、始原者に致命傷を与えることは出来なかったが、これを転倒させ、大地に叩き落とすことには成功した場合。

 そして最後が、明確な被害を与え、内部構造を露出させることに成功した場合。

 いずれにせよ次に指す手は似たようなものではあったが、ひとまず、始原者打倒の第一歩は極めて順調に達成されたと見て良いだろう。

 実際には、「初撃で始原者の中枢が破壊され、始原者全体の機能停止が確認できた場合」というものもあったが、確率が低いと想定されたため、重点を置いた考慮はされていない。


『やりましたわ、セオさまぁ!』

『あぁ、成功したようだな……! タルタス兄上。問題なければ、このまま作戦の第二段階に入る』


 アムノトリフォンの操船指揮室で喜ぶ夫婦に、タルタスは兜の上から額をぬぐいつつ答えた。


「よし……始原者もこれより先は死に物狂いになる可能性がある。急ぐぞ……」

『了解だ。トラティンシカ!』

『はい、セオさま。アムノトリフォン回頭、これより再度、始原者の内部に突撃を行います!』


 始原者の周囲を距離を置きつつ周回するように飛行していたアムノトリフォンは、船体前後の姿勢制御用推進場生成単位格子(エンジングリッド)を作動させて回頭する。

 そして敵の出現しなくなった空域を始原者に開いた穴に向かい、高速で船体を滑らせていった。

 地上抹殺宣言の時刻まで、あと7時間19分。










 サルドル・ネイピアは切ない夢を見る。

 体が、痛みと火傷に苛まれる感覚。

 世暦以前の過去の殉教者には、そうして焼けた槍で体を貫かれる苦難を受けた人もいるらしい。

 これは、自分の罪悪感が見せている幻覚なのだろうか?

 果たしてヒトは、啓蒙者は。

 いや、心を持つ知的生命体は、相反する2つの意思を持ってしまった時、いつか必ず、どちらかを選ばなくてはならないものだ。

 卑近な例えなら、このまま寝ているか、起きて動くか。

 どちらを選んでも、それは決断と呼ぶべきものだ。

 どちらかを選ぶこと、また選ばなくてはならない事実に異存はない。

 しかし、選ばなかった方を支持していた意思は、そのあとどこへ行ってしまうのだろう?

 その上、それが二度と繰り返せない選択なのだとしたら。

 決断を下した後も、それを時々思い出してしまう。

 それもきっと、宇宙に生きる生命の、宿業というものなのだろう。

 刻限まではこのまま眠っていたいという彼の意思は、より強く目覚めた反撃の意思によって塗り潰されていった。

 この星の生態系を滅ぼしたあとで、彼はきっと、時おり思い出すことだろう。

 彼らに宣言した刻限の約束を守れなかったことを、小さな後悔とともに。











 天から強烈な光が降り注ぎ、地上の人々は三日前の”2つの太陽”のことを思い出した。

 降り注ぐ熱と光で、大陸中部の戦線が焼き払われたことを。

 だが幸いにして、光はそれ一度で収まった。

 北に向かって長大な光の線が伸びていく有様は、地上付近の空域で戦闘していたレヴリスたちには、霊剣ミルフィストラッセの発した光とも思えるものだった。


「……いや、違うよな」


 事前の打ち合わせで、妖星渦動砲の使用時には強烈な通信障害が発生し、数分間は念話すら遮断されるということが分かっていた。

 彼らに出来るのは、セオやタルタスたちの始原者への突入成功を信じ、敵の足止めを続けることだけだ。

 だがその時、銀灰色の鎧(シクシオウ)人馬形態(ケンタロウ)の強化聴覚を通じて、レヴリスの耳に地鳴りのような音が届いた。


「地震……か?」


 超感覚を持つ魔人であるカイツや、啓蒙者製の聖別鎧を使用しているジル・ハーも同様らしく、彼らは三体の巨大な怪物を牽制しつつ、その出所を探した。

 始原者メトは見ての通りの大質量で振動している様子は窺えず、周囲の大地を見ても、始原者の降着時に地震の影響を受けそうな構造物は全て灰になっている。

 そこに、カイツが悲鳴じみた声を上げた。


「何……!?」

「どうした、カイツ君!」


 盾で敵の魔弾を吸収しつつ、レヴリスは魔人に尋ねた。

 彼はもどかしそうに、針状の魔弾の雨から回避運動を取りつつ、大地を指差して答える。


「メトが! 地中の深いところに触手? みたいな物を――伸ばしてるって!」

「触手……?」


 レヴリスは戦闘の最中ではあるものの、その意味を思案した。


「(何だ……カイツ君が言っているのは恐らく、その体内に共生しているとかいう電気生物……

 地下深くに住んでいるとかいう話を聞いたように思うが、それがカイツ君の体内の個体に異変を知らせた……?

 しかし、何のためにそんなものを伸ばす必要がある……

 ベルゲ連邦の報告と総合すれば、あの衝撃反射板(リフレクタ)は周辺の物質を吸収する機能も併せ持っていたはず。

 今更そんなものを伸ばして――大叔父上たちの作戦が成功して、傷を負ったということか!?)」


 その傷を修復するために、より大量の物質を必要とした。

 そうした推測は、道筋が通っているように感じられた。


「気をつけろ二人とも! 始原者が、より多くの物質を吸収し始めたのかも知れん!

 最悪の場合、地上滅亡を前倒しにする気になった可能性もある!」

「マジでか……いや、考えてみりゃ、そうしない理由なんて無いんだよな……クソ!」


 カイツは舌打ちしながらも、再び敵を迎え撃つべく構える。











 同時刻、そこから遥か東。

 妖族唯一の聖地である洋上の島々、ドリハルト諸島。

 激しい戦闘は既に3日ほど前のこと、その最大の島であるドリハルト島は、現地時刻にして午前8時半を回っていた。

 人類の艦隊は撤退し、今では聖地保全の使命を帯びた少数の妖族たちが、戦闘で荒れた地形を修復しているところだった。

 しかし、そこに異変が起きる。


「ん? ……地震か……?」


 地鳴りと共に、大地が揺れた。植生も大きく揺さぶられ、周囲の海が泡立つ。

 半ばガラス化した東の岸辺の岩を片付けていた海岸の妖族たちは、最も早く、異変の全容に気づきつつあった。


「おい……今は干潮の筈だろ……!?」


 海が陸へと、急速に迫ってきていた。植生の繁茂する山道まで逃げても、まだ海水は上昇してくる。


「まさか……島が沈んでるのか!」

「ドリハルトが……!?」


 見上げれば、隕石霊峰(ドリハルト)の山体――魔女たちの使う世暦が始まる以前から、妖族たちが神聖視してきた穢されざるべき峰が。

 子どもの作った泥山に水を浴びせて溶かすかのように、呆気無く、いとも容易げに、崩れ去っていった。

 隕石霊峰(ドリハルト)の山体は島の基盤を形成しているため、傾斜の緩やかな他の陸地も徐々に沈み込んでいく。

 その地にいた妖族のうちの数割は、三日前に起きた、始原者メトの“声”と結びつけて思い出す者もいた。

 だが、それでもこの事態は、彼らの想像を絶するものだったことだろう。

 大陸中部の戦線に膠着した始原者メトが、惑星の地殻を掘削しながらドリハルト諸島の地下深くにまで物質資源吸収用の探針を伸ばしていたなどとは、予備知識のない者に思い至れる事態ではない。

 四方から伸びた探針は、本命――即ち、1400年前に海底に落着し、地殻作用で海面まで押し上げられたエメトの本体を探り当てる。

 永久魔法物質で構成された装甲であり、動力源であり、演算装置にして記憶媒体でもあるそれは、始原文明の遺産である播種者エメトにとっても、また再臨を果たした始原者メトにとっても最良の資源となるものだ。

 本来であれば、地上を破壊して文明を抹消した後、他の星系の文明を破壊する自らの複製を作るための資源にする予定だったが、現地文明の反撃で船体中部に大きな貫通創を受けた。

 予定を変更して文明滅殺を早めることにしたメトが、そのための資源の回収を始めたのだ。

 制御中枢、つまり魂を失った状態の隕石霊峰(ドリハルト)――エメトの船体は、一切の抵抗を見せず、地殻の奥底から伸びた無数の探針の先端から同化され、すさまじい速度で大陸中部の始原者本体へと吸収されてゆく。

 陸地を失い、飛行できる数少ない妖族はひとまず難を逃れたが、そうでないものは沈み込む島と、島の沈没が引き起こす巨大な海水の貫入に巻き込まれて溺死した。

 一時間足らずの間に、妖族の聖地は地図に記された位置から完全に消滅してしまった。

 針は早められた。

 地上の滅亡まで、あとどれほどの時間が残っているだろうか。











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