3人組と手書きの文字
「コウタ、何してるんだ?」
「・・・」
「おい、コウタ」
「・・・」
「どうしたの?」
「トオル、コウタがさっきから何かしているんだが返事がない」
「・・・ただの屍のよ「違う」・・・うじゃないね」
「なにか紙を見ているのはわかるんだが、コウタの影が邪魔で見えないし、コウタは返事をしない」
「放っておけばそのうち騒ぎだすでしょ」
「それはそうなんだが」
「何か急ぎの用事でも?」
「こいつ今日日直」
「なるほど。お勤めそっちのけで没頭しているのか」
「とりあえずこいつを現実に引き戻さないといけないんだが」
「そうだね。おーい、コウター」
「コウター」
「・・・」
「返事がないな」
「そうだね。どうしようか?」
「紙を奪うのはどうだ?」
「それしかないかな。ケンジ、頼める?」
「ああ、それっ」
「うわっ、いきなり何するんだよー」
「やっと気付いたか」
「というか、気付かせたんだけどね」
「二人ともどうしたの?何か用?」
「コウタ、今日日直だって知ってた?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。知ってた」
「「嘘つくな!」」
「で、コウタ。この紙は何だ?」
「その紙?落ちてたの」
「人のでしょ、勝手に見ちゃだめじゃないか」
「持ち主に返したいから調べてたんだけど・・・」
「なんだこれ、まったく読めん」
「ちょっと貸して。・・・読めないね、そもそも字なのか怪しいくらいだ」
「コウタ、これどこで拾ったんだ?」
「ボクの机の中」
「「中?」」
「そう、中」
「中に入ってるものを落し物とは言わないんだが」
「ケンジ、突っ込むのはそこじゃない気がする」
「どういうことだよ?」
「この紙、変なシミがあるでしょ?」
「・・・ああ、よだれの後みたいなのが・・・よだれ?」
「うん。よだれ」
「よだれが付いていて、何なのか全く分からない線が引かれている紙がコウタの机の中にあったと。答えは一つしかないと思うね」
「「それは?」」
「この紙はコウタ、君が自分で書いたものだ!」
「「な、なんだってー!?」」
「授業中半分寝ながら授業を受けてたんじゃない?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんなことないよー」
「「嘘つくな!」」