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モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
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76 代理見習い

お昼の後の片付けも終わって、どうしようかなって食堂で考えてたら、扉が開いて誰か入ってきた。


「ただいま。

 あ、ミアちゃん、マリーさんどこかな?」

「フェリックスさん、おかえりなさい。

 マリーさん、下に降りてます。

 多分すぐ戻ってくると思うけど…」

「じゃあ、戻ってきたら、ラルフが来てくれって言ってたって伝えてもらえるかな。」

「はい、わかりました。」


じゃ、ちょっと部屋戻ってるからっていってフェリックスさんは上がってった。

ラルフさん、何か用事かな?

あんまり遅いと、夜の準備もあるし、先に伝えに行った方がいいかな?

マリーさんとラルフさんは、地下の倉庫で在庫の確認中なんだよね。

やっぱり先に伝えに行こっと。


厨房の奥の階段を降りるとそこが倉庫の入り口。

上から声をかければいいよね。


「マリーさーん。」


……

あれ?


「マリーさーん!」

「ミアー?ちょっと待ってねー。」


あ、よかった、聞えたみたい。

すぐにマリーさん上がってきてくれた。


「どうしたの?」

「フェリックスさんが、ラルフさんが来てほしいって言ってたのを伝えてほしいって。」

「そう、ありがとう。

 ちょっと待っててくれる?」


そういうと、マリーさんまた倉庫に降りてった。

そしてすぐに戻ってきたんだけど、エプロンを外してる。


「クルトにも言ったんだけど、鍛冶屋さんに行ってくるわね。

 たぶん何もないと思うけど、一応カウンターに入っておいてもらえる?

 下はクルトだけでいけるって言ってたから。」

「はい、いってらっしゃいです。」


マリーさんを見送ったあと、カウンターに入ってたんだけど、しばらく誰もこなくてちょっと眠くなったりする。

ぼーっとしてたら、階段から誰か降りてくる音がした。

見てみるとフェリックスさんとレックスさんの2人が降りてきてる。


「あれ、ミアちゃんがカウンター?」

「マリーさん、さっきの伝言聞いて、お出かけです。」

「そっか、ちょっと俺たちもまた出てくるわ。」

「はーい、いってらっしゃいですー。」


フェリックスさんたちを見送ったら、またぼーっとしちゃう。

マリーさん、普段ずっとカウンターに入ってたりするけど、眠くなったりしないのかな…

待ってるだけじゃなくて、もしかして何かしてるのかな?

なんてこと考えてたら、玄関の扉が開いた。

お客様かな?って思ったら、酒屋のリュートさんだった。


「こんにちは…あ、いらっしゃいましたか。」

「こんにちは、どしたんですか?」

「注文されていたお酒を裏に届けてあるんですけど、返事がなかったもので…」


あ、そっか、クルトさんまだ倉庫にいるのかも。

急いで呼んでこなくちゃ。


「すみません、すぐにクルトさん呼んできます。」

「はい、それでは裏に回ってますね。」

「お願いしまーす!」


リュートさんに返事して、倉庫に急ぐ。

おっきな声で呼ぼうとしたら、ちょうどクルトさんが上がってくるとこだった。


「わふ…よかった。

 クルトさんあのね、今酒屋のリュートさんが、注文してた分を裏に届けてくれてるの。」

「ん?あ、そうか、今日だった。

 すぐ行くよ、ありがとう。」

「じゃ、カウンターに戻ってますね。」


ふぃ、よかった。

それにしても、夜に食堂に来るお客様、お酒頼む人いっぱいいるよね。

前に飲んだの、おいしかった気がするけど、覚えてないんだよね…

何でみんな平気なのかな…

あたしもおっきくなったらちゃんと飲めるのかな?

そんなことを考えながら、またぼーっとしてたら、階段からパタパタと音がする。

見てみるとアリサさんが走って降りてきてる。


「あー、ミアちゃんー。

 魔法士ギルドでー、約束してたのにー、うっかり忘れてましたー。

 遅くなるかもーってー、マリーさんに伝えてくださいー。」

「は、はひ…お気をつけていってらっしゃいです…」


そのままパタパタっと走って、出て行っちゃった。

あんなに急いでるアリサさんは初めて見たかも…

あたし、こんなにボーっとしてていいのかな…

何かやることなかったっけ…

夜の準備、ちょっとでもやっておこうかな?

っていっても、テーブルふいたりするくらいしかできないけど…


結局どうしようかってまよってる間に、マリーさんは戻ってきた。


「ただいま、ごめんね、休憩時間もらっちゃって。」

「あ、おかえりなさいー。」


マリーさんは、何か布にくるまれた長いものを両手で抱えてる。

何が入ってるんだろ…?


「ん…?どうしたの?ちょっと疲れた?

 これだけ置いてきたら交代するから休憩してね。」

「う、ん…あ、でもだいじょぶだよ。

 何かお手伝いすることあったらするよー。」

「そうね…とりあえず置いてくるから。」


荷物を置いてマリーさんはすぐに戻ってきたから、報告だけすませちゃう。


「じゃ、リックとレックスとアリサが出かけてて、アリサは戻るのが遅くなるかもしれないのね。

 ご苦労さま、慣れてなかったら疲れたんじゃない?

 クルトに、おやつ用意してもらってるから、奥で休んでらっしゃいな。」

「わーい、ありがとーです!」


厨房でクルトさんが果物を用意してくれてた。

クルトさんにお礼を言って食べてたんだけど…お手伝いするって言ったのにおやつにつられちゃった気がする…

それにしても、あの荷物って何だったんだろ…何だかちょっと気になるなー…

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