75 ギルドにおつかい
今日は冒険者ギルドにお使いにきてる。
白枝亭に依頼の申し込みがたまってきたから、まとめて登録に来たんだ。
今日はそんなに混んでないし、せっかくだからリゼルさんのとこに並ぼっと。
「次の方どうぞー。
あ、ミアさん、こんにちは。」
「こんにちはー。
今日も白枝亭に集まった依頼の方をお願いしに来たんです。」
「はい、それではお預かりしますね。
少し待ってもらえればすぐ行けると思います。」
「よろしくですー。」
リゼルさんが奥に依頼状を持って行ってくれた。
奥に審査してくれる人がいるみたいなんだよね。
ちょっと時間がかかりそうだから、どんな依頼があるか見てみよっかな。
あたしもできるものあったりして…
うーん、いろいろあるね。
森に住み着いた魔獣を倒してくださいとか、王都までの護衛とか…
あ、これって…逃げだした植物を探しています。球形、緑に黒のしま模様…ってあれだよね…まだいたんだ…
こっちは…金属素材を探しています…ラルフさん…?
そんな感じでいろいろ見てたら後ろから急に声をかけられた。
「あれ、ミアちゃん?
もしかして依頼受けるの?」
「はひ…?あ、ユーリさん。
違うよー、うちにきてた依頼をお願いしにきたの。」
「そっか、結構じっくり見てるから、てっきり依頼探しかなって。」
受けれるのがあるかなって思ったのは思ったけど、ね…
あれ、ユーリさんは、依頼探しに来たのかな?
「ユーリさんは、もしかして依頼探し?」
「うん、前に植物の魔物の依頼受けたでしょ。」
「さっきそこに出てたよ。
また逃げ出したのかな…」
「そうなの?!さすがにもう行かないわよ…
あ、でもそのときの依頼者の研究仲間で、薬の研究してる人が薬草入手の依頼をよく出してるのよ。」
ほへ…薬の研究って何かすごそう。
どんな薬作るんだろ?
苦くない薬とか作れないのかなー…
「錬金術師たちは、それぞれにいろんな研究してるみたいなのよね。
人によっては、自分で作ったもので戦ったりするような冒険者もいるみたいよ。」
「作ったもので…戦うの?
苦い薬とか…?」
「えぇっ?!…ふふふっ、まさかそんなことないと思うよ?
もしかしてミアちゃん、よっぽど前の薬が苦かったのね。
あたしの作ったのは、薬草を煎じて作ったものだけど、錬金術師が作るのは、薬草だけじゃなくていろんなものを材料にするみたい。
薬っていっても、ケガとか風邪を治したりするだけじゃないみたいだし。」
ますますどんなものを作ってるかわかんなくなってきた…
んー…あ、でも冒険者の人もいるってことは、もしかしたら白枝亭に泊まってる人にもいたのかもしれないよね。
これからも会う機会があるかもしれないし、もし会えたら聞いてみよっかな…
「白枝亭のミアさーん!」
「あれ、ミアちゃん呼ばれてるわよ。」
「はひっ?ちょっと行ってくるね。」
リゼルさんが呼んでくれてたので、ちょっと駆け足でカウンターに急ぐ。
カウンターには、あたしが持ってきた書類がそろってる。
「お待たせしました。
今回持ってきていただいた分はすべて受け付けたので、こちらで依頼に加えておきますね。
白枝亭でも掲示してもらえればと思います。」
「はい、よろしくお願いします。」
「あと、こちらの方は、ギルドの方からの依頼の分ですので、合わせて掲示してくださいね。」
「ありがとーございます。」
「今回はこれで全部ですね。
お疲れさまでした。
またよろしくお願いしますね。」
リゼルさんが渡してくれた書類の束を受け取って、なくさないように袋に入れてしまう。
そして、あいさつしてカウンターを離れて、ユーリさんのとこに戻った。
「あ、ミアちゃん、大丈夫だった?」
「うん、全部受け付けてもらえたみたいです。」
「そっか、よかったね。
この後、宿にすぐ戻っちゃう?」
「んと、あんまり混んでなくて早く終わったけど…」
「じゃ、ちょっとだけ待っててくれる?
あたしも1つ依頼受けてきたら戻るから、帰りにうちに寄ってくれないかな?」
今もさっきと同じくらいであんまり混んでないから、ユーリさんのもすぐ終わるよね。
それなら時間もだいじょぶなはず。
「うん、たぶんだいじょぶー。」
「よかった、実はまた新しいフレーバーのお茶ができたの。
少し持って帰ってクルトさんにも味見してもらってほしいなって思って。」
「わーい、新作ー!」
「もちろん、ミアちゃんの感想も聞かせてね。
それじゃちょっと受付だけしてくるから待っててね。」
ユーリさんはそういうと、カウンターの列に並んだんだけど、あっという間に順番がまわってきそうだね。
新作のお茶、どんなのかな…?
早く飲んでみたいなー♪