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モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
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63 雨上がりの朝

昨日の雨がウソみたいに今日は青空でとってもいい天気。

結局ネコくんは、あたしのお仕事中ずっと部屋にいたみたいで、戻ったら出迎えてくれた。

お腹すいてるかなって思って夜の残りをちょっと持ってきたんだけど、お水少し飲んだくらいであんまり食べなかったんだよね。

でも、元気だったからだいじょぶなのかな?

そのままあたしの部屋で一泊して、朝には窓をかりかりしてたから、開けてあげるとこっち向いて「にゃ。」と一声鳴いて、出て行っちゃった。


今日は朝の食堂も、常連さんが来てくれたりといつも通りのにぎわいを見せてる。

昨日来てなかったお客様も、声をかけて入ってきてくれて、何だかほっとするよね。

そんなこんなで朝の食堂も終わろうかってときに、大通りの方が何だかにぎやかになってる。


「何かあったのかな?」

「たぶん、商隊が出発するのよ。」


食堂の掃除をしながら何気なくつぶやいた言葉に、マリーさんが答えてくれた。

商隊の人たちも大変だよね…お天気が悪いとお店出せなかったり、すぐに移動しなくちゃだめだったり。

でも、いろんなとこにいけるのはちょっと楽しいのかな?


片付けも一段落したから、次はどうしようかって思ったんだけど、クルトさんは市場でいろいろ探してくるのと、マリーさんは冒険者ギルドに顔を出したいってことだったので、お留守番することになった。

この時間だと、特に忙しいこともないから、あたしだけでもだいじょぶなはず。

ただ待ってるだけじゃつまんないし、魔法の練習とかしてみようかなって思ってたら、玄関の扉がノックされた。


「はーい?」

「マリーさん、いますか?」

「あ、ラルフさんこんにちは。

 マリーさんは今、冒険者ギルドに行ってます。」

「あぁ、ミアちゃん、こんにちは。

 そうか…どうしようかな。」


あら、急用なのかな?

あたしが聞いてわかることならいいんだけど…


「どんなご用ですか?」

「ん?あぁ、うちの店でマリーさんから注文受けてたんだけど、それについて相談をね…」

「ラルフさんのとこで…うー、それはあたしじゃわかんないですね…」


しょぼんってなったら、ラルフさんは笑って「しょうがないよ。」って言ってくれた。

一応、お昼の準備までには戻ってくると思うけどっていうことを伝えたら、また来てくれるっていうことで、ラルフさんは一旦帰ることにしたんだけど、そのときまた玄関がノックされた。


「ただいまー、って何でラルフがいるんだよ?」

「おわ、リック?!」


開いた扉から入ってきたのはフェリックスさんたちだった。

後ろにアリサさんもエリカさんもレックスさんもいる。

とりあえず入ってもらうことにしたんだけど、フェリックスさんがラルフさんを引きとめて、ちょっとお話があるみたい。


「それじゃ、奥のテーブル使ってください。

 たぶん、もう誰も来ないと思うけど…一旦厨房に行きますので、誰か来たら教えてください。」


そう言うと、みなさんうなずいてくれたので、一旦厨房に戻る。

お茶くらいならあたしでも何とかなるはず。

って思ったんだけど、よく考えたら火がないんだ。

クルトさんが出るときにたぶん消しちゃってるよね。

しょがないから、お水にしよ…

いつもクルトさんが、ご飯のときにそえてる、果物が入ったお水。

この黄色い果物、そのまま食べると酸っぱいけど、ちょっとお水にしぼってあげるとさわやかになるんだよね。

5つ用意して、トレーに乗せていざ食堂へ。


「あれ、マリーさんお帰りなさい。

 帰ってきたの気付かなかったよー。」

「こっちから声かけてみたんだけど、届かなかったみたいね。」


いつの間にか帰ってきてたマリーさんがテーブルについてるんだけど、人数は5人のまま…ラルフさんがいなくなってる?


「あれ、ラルフさんは?」

「ラルフなら、マリーさんに相談することが終わったから、帰ったよ。」


フェリックスさんの説明に納得。

そういえばその用事できてたんだもんね。

っと、お水配らなきゃ。

せっかく5つあるし、マリーさんにも。


「ミア、気がきくわね。

 さすがうちの看板娘だわ。」

「はぅ…」


マリーさんがほめてくれたんだけど、何だかちょっと照れくさい…

トレーを置きに厨房に戻ろうとしたんだけど、その前にマリーさんからお仕事が。


「リックたち、またうちにしばらくいるみたいだから、部屋の準備だけお願いするわね。

 あ、トレーはわたしがやっておくから。」

「はーい。

 それじゃすぐ準備してきますね。」


トレーをテーブルに置いて、2階へ向かう。

これでまた、アリサさんに魔法習えるかもしれないって思うと、ちょっと楽しみで、お部屋の用意も快調に進んじゃうね。

それに、またいろんなお話聞けるかもしれないし、何だかとってもうきうきしてくる。


あ、でもうきうきしすぎてお仕事失敗しないようにだけは注意しなきゃね!

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