5 お友達
今日はお使いも兼ねて、ユーリさんのところにお邪魔してる。
ユーリさんは、あたしよりたぶん年上のおねーさん(っていっても自分がいくつかはわかんないんだけど、背もおっきいし、スタイルもいいし…むぅ)で、お茶とかハーブをうちに卸してくれてる治療士さん。
ほんとはユーリエさんなんだけど、初めて来たときに、お友達になってもらって、愛称で呼んでねってことでユーリさんって呼ばせてもらってる。
ハーブじゃなくて魔法でケガや病気を治す専門の人たちもいる。
それは、白色魔法を使う治療師さんたちで、冒険者の宿にいると、白色魔法を使う人たちも結構来てるみたい。
でも、普段街でお世話になることが多いのはユーリさんみたいな治療士さんなんだ。(魔法って使ってらうと早いけど、結構お金がかかったりもするみたい。)
「あ、そうだミアちゃん、また新しいのあるから試してくれない?」
「わーい、ユーリさんの新作?」
ユーリさんは、街の外までお茶の材料やハーブを採りに行ってるなかなか行動的なおねーさん。
遊びに来るたびにいろんなお茶をご馳走してくれるからそれも楽しみだったりする。
「今回は、川の上流のほうで採ってきたハーブを混ぜてみたんだけど…」
「ふぁ、何かスーッとする香り?ん~………あぅ、何かピリピリ、スースーする…」
「ちょっとミアちゃんにはきつかったかな…ごめんごめん。何か甘いもの取ってくるね。」
ペロッと舌を出して謝るユーリさん。ちょっと照れたような顔で苦笑いされると…何かあたしも照れちゃう。
でもいいなぁ…あたしも街の外とかも見てみたいな…
最初に拾われたときのことなんてあんまり覚えてないし…
「何ぶつぶつ言ってるの?声に出てるわよ~」
いつの間にか戻ってたユーリさんにツッコまれた。はぅ…(恥)
持ってきてもらったドライフルーツをかじりながらユーリさんに聞いてみた。
「ねぇ、ユーリさん、街の外って危なくないの?」
「そうね~…あたしはあんまり危ない所に行かないからね。一人で行くときは見晴らしのいいところか、街からそんなに遠くないところだけだし。ちょっと森の奥とかになるとやっぱり何かあったら怖いから、猟師さんと一緒に、とかかな?」
「ふみゅー…じゃ、街の近くならあたしでもいけるかな?」
「ん~…さすがにミアちゃん1人じゃちょっと…あたしは一応こう見えてちょっとは戦えるからね。」
「えぇっ?!ユーリさんすごい…!」
照れたように笑いながら「まぁ、あんまり当てにはならないけどね」って言ってたけど、きっと魔物と戦ったこともあるんだろなぁ…
「そうね…今度また見回り強化期間になれば、あたしと一緒に行ってみる?」
「ほぁ?!」
ボーっとしてるところにすごい提案をされちゃった。
見回り強化期間っていうのは、街の周りを衛兵さんや自警団の人たちが頻繁に回る期間で、人が大勢回るからあんまり魔物も近づかなくなるみたい。
その間ならってことでユーリさんが考えてくれたんだ。
「い、いきたいっです!」
「あはは、まぁまぁそんなにがっつかなくても。わかった。約束ね。あ、ただし、クルトさんとマリーさんがいいって言ってくれたら、だからね?」
「うん、帰って聞いてみるね。ユーリさんありがとー!」
思わず抱きついたら、頭をなでなでされちゃった。むぅ、こどもじゃないもん…
ちょっと修正しました。