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モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
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51 夜のおでかけ

アリサさんに新しい魔法を教えてもらったあと、2人でお茶してたら、フェリックスさんが訪ねてきた。

夜にみんなでちょっと出かけないかっていうお誘いだったんだけど。


「あたし、お仕事終わるの結構遅いですよ?」

「ああ、でも問題ないっていうか、むしろそれくらいの方がいいかもしれないんだよ。」


えと、どういうことだろ?

よくわかんないけど、クルトさんやマリーさんも誘ったら、あたしを連れて行ってあげてほしいって言われたんだって。


「別に街から出るわけじゃないし、もし何かあっても俺たちがいれば大丈夫だよ。」

「うん…お出かけは楽しそうです。

 行きたいですけど…どこに行くんですか?」

「ま、それは夜のお楽しみってことで。

 もしかしたら、街の人も結構来てるかもしれないけどね。」


何かある…っていう話なんて聞いてないよね。

いったい何だろー…

でも結局フェリックスさんははぐらかしてたし、アリサさんまで「楽しみにしててくださいー。」って。

うー、気になってきた…


そうやってお話してるうちに、そろそろ夜の食堂の準備をしなきゃいけない時間になって、2人といったんお別れすることに。

お茶のセットを持って降りていくと、食堂には誰もいなかったけど、厨房にはクルトさんがもういた。

先にこれだけ洗っておかないと、後で水場あふれちゃったら困るから、今のうちにやっちゃおう。


そうこうしているうちに、マリーさんがお外から戻ってきた。

お買い物に行ってたんだって。

みんな揃ったところで、準備を始めることになった。



今日もお客様はいつもどおりたくさん来てくれて大盛況。

最後のお客様をお見送りして、玄関のプレートを片付ける。

食堂に残ってるのは、フェリックスさんたちとマリーさんとあたしだけ。

さっさとお片付けしちゃおうと思って、食器を運ぼうとしたら、マリーさんが代わりに持ってくれた。


「今日はもうこっちはいいから、お出かけしてきなさい。」

「え、でも…」

「リックたちを待たせるのも悪いでしょ。

 こっちはわたしとクルトで何とかなるから大丈夫よ。」


って言われちゃったので、片付けはお任せすることになっちゃった。

特に準備もなかったし、部屋に戻らずこのまま出発することになった。


「そいえば、そろそろどこに行くか教えてくださいよー。」

「まずは広場まで、だな。」


こんな遅くに広場にって何だろう…

とにかくフェリックスさんとレックスさんが前に並んで、アリサさんとあたしとエリカさんが後ろからついてく感じで進んでく。

アリサさんが右手をつないでくれたから、左手はエリカさんとかなって思ったんだけど…

エリカさんの右手をつかんだら、「ひぁっ!」って驚かれちゃった。

でも、あたしの方を見て、ちゃんとつないでくれたんだけどね。


「やっと来たのか。

 呼び出しておいて遅れるなよ。」

「悪い悪い、ちょっとミアちゃんの仕事が終わるの待ってたんだよ。」


広場で待ってたのは、ラルフさんだった。

フェリックスさんたちが約束してたっぽいね。

っていうか、あたしが待たせちゃったのね…


「遅くなっちゃってごめんなさい。」

「あぁ、ミアちゃん久しぶり。

 ミアちゃんのせいじゃないから。

 リックが時間を考えなさすぎ、っていうかそんな責任の押し付け方していいのかぁ?」

「すまん、マリーさんには内緒で。」

「まぁいいけど…川まで行くんだろ?」


何だかよくわかんないまま、川まで行くことになった。

前を歩く男子3人は何か近況報告しあってるみたい。

あたしたち女子3人も最近のこととかお話しながら歩いてくと、気がつけばもう川辺まで来てた。


「あれ、人がたくさんいる…」

「今夜はー、ちょっと特別なー、夜なんですよー。」

「特別?」

「そうですよー。

 あ、リックたちがー、場所決めたみたいですねー。」


前を歩いてたフェリックスさんたちが、いつの間にか大きなシートを広げてる。

暗くてあんまり気にしてなかったけど、まわりに来てる人たちも、シート広げたりして、座ったり、寝そべったりしてる人もいる。


「私たちも、早く行こ…?」

「行きましょうー。」


アリサさんとエリカさんに引っ張られて、フェリックスさんたちが広げたシートの上に寝そべる。

何でお外でみんなで並んで寝てるんだろう…って思ったんだけど、みんなが何をしてたかそのときやっとわかった。


「いっ今っ!」

「お、さっそく見えたみたいだね。」

「う、うん…あっ、またっ!」


今夜はよく晴れてたんだけど、お月様が見えなくてちょっと暗かったんだけど、空には満天の星。

そして、そこを横切る光の筋が、また1つ。


「今夜はー、流星群がー、来てるんですよー。」

「流星…ぐん?」

「はいー、流れ星をー、たくさん見ることができるんですー。」


聞いている間にも、流れ星がいくつも…

何てすごいんだろう…まるで…


「魔法みたい…」

「魔法ですかー?

 そういえばー、星を降らせる魔法がー、あるそうですがー…」


…ほしをふらせるまほう?

何てとんでもない…

っていうか、アリサさん、何か答えがずれてる気がします…


「アリサって…いつも楽しい答え…だよね。」

「そうですかー?

 そんなことないと思いますけどー。」


エリカさんはクスクス笑いながら言ってるけど、アリサさんは不思議そうに答えてるし。


「まぁ、魔法でも何でもいいんじゃないか?

 こんなにきれいなものを見られるんだからさ。

 それに、これだけ流れれば、願掛けもできそうだろ。」

「がんかけ?」

「あら、ミアちゃんは知らなかったか。

 流れ星が流れてる間に願掛けすれば、願い事が叶うって言われてるんだよ。」


そうなんだ…ラルフさん物知りだね。

次流れてきたらちょっとやってみようかな?

でも何をお願いしよう…って悩んでたら、グーって音が聞こえてきた。

みんなが音のした方を見る…と、フェリックスさんのあきれたような声が聞こえた。


「おい…レックスのやつ、寝てるぞ…」

お話に、たまに自分の願望が混じったりします。

ゆっくり流星群とか見に行く機会とかないかな…


ちょっと確認わすれてたら、PV7000越えててびっくりしました。

本当にいつもありがとうございます。

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