表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
43/130

42 お仕事中は集中しなきゃね

結局、休憩の後もあたしは自分のマナの量を感じることができなかった。

アリサさんは、「一度ー、これってわかればー、あとはもう自然にできちゃいますからー。」っていってたけど。

最初が難しいのね…

コツ、かぁ…


「ミア!」

「はひっ?!」

「今、ボーっとしてたね。大丈夫かい?」

「あ…」


クルトさんの声に、意識が手元に向いた。

あたし、お皿を持ったまま、水場を通り過ぎてた…

これじゃダメだよね。

今はしっかりお仕事に集中しなきゃ。


「ごめんなさい、だいじょぶです。」

「わかった。それじゃ、できてるやつ運んでいって。」

「はいっ!」


夜の食堂は、一番忙しい。

宿のお客さん以外にも、ご飯を食べにきたり、お酒を飲みにきたりするから。

できあがった料理を、食堂に運んでいくと、マリーさんも急がしそうに動いてた。

お客様のイスの間を抜けて、注文されたテーブルに料理を運ぶ。


「お待たせしました。日替わりプレート2人前です!」

「おー、ミアちゃん、待ってたよ。」

「今日のも美味そうだなっ!」


常連さんはあたしのことをミアちゃんって呼んでくれる。

すっかり定着しちゃった感じかな?

慣れてないうちからいろいろと声をかけてくれるお客様が多くて、がんばる元気一杯もらったしね。


厨房に戻るときは、空いてるお皿やカップを回収していく。

重ねて積んでくれてたりすると、回収しやすいんだよね。

いくつかのテーブルやカウンターを回って回収したら、また厨房に戻る。

そして、水場の桶につけていく、っていうのが一連の流れかな。


席が埋まってある程度過ぎれば、少し余裕が出てくるんだけど、そのときに、マリーさんと交代で、ちょっとずつ水場の食器を洗っていく。

全部貯めちゃうと、後で大変なんだよね。

でも、ずっと洗ってるわけにはいかない。

だって…


「ミア、テーブル空いたから、お願いー。」


食堂からマリーさんの声。

お客様がお帰りになったら、テーブルのお掃除。

忙しいときは次のお客様がすぐに入ったりもするから、手早くしないとね。


食堂の空いたテーブルの食器をかためて、布巾でテーブルを手早く拭き上げる。

待ってるお客様がいるみたいだね。

食器を厨房に運んだら、ご注文を聞きに来なきゃいけないかな?

食器を持って動きだしたあたしにマリーさんが声をかけてくれる。


「注文はわたしが受けるから、水場、お願いね。」

「はいっ!」


戻って水場で洗い物してると、マリーさんから注文が届いた。

っていってもつくるのはクルトさんだから、あたしはお皿を用意したりするだけ。

早く料理もがんばらないとだめだよね…

何だかやることいっぱいだよー!


「はい、上がり。ミア、頼んだよ。」

「はいっ!」


できあがった料理を運んでいくと、新しいお客様は知ってる人たちだった。


「あ、フェリックスさん、エリカさん、レックスさん。

 おかえりなさいですー。

 お料理お待たせしましたー!」

「ただいま。

 ミアちゃん、すっかり慣れたなぁ。」

「えへへ、ありがとーございます。

 そいえば、アリサさんは?」

「何か用事があるって、別行動。

 ま、そのうち帰ってくるだろうけど。」

「そですか。

 それではごゆっくりですー。」


そのあとも、空いた食器を回収して厨房に戻ったんだけど、今夜の山は越えたみたい。

テーブルもカウンターもだんだん空いてきてる。

ここまで来たら、食堂の方はマリーさんにお任せして、あたしは水場に専念だね。



「はい、今日もお疲れ様でした。」

「お疲れ様。今夜も繁盛してたわね。」

「おつかれさまでしたー。」


片付けも一段落して、お茶で休憩。

今日も忙しかったけど、食堂もにぎわってたからいい感じだよね。


「そういえばミア、魔法の方は調子どうなの?」

「んー、むずかしーです。なかなかうまくいかないです。」

「そうかー、最初にあっさり使えてしまったみたいだから、簡単なのかと思ったんだけどそうでもないんだね。」

「はいー…あれ、そいえばアリサさんって帰ってきたのかな?」

「アリサ?そういえばあの子、リックたちが食事し終わったころに来てたわね。」

「ご飯、食べてないのかな…」

「どうかしら…外ですませてきてるかもしれないけど。

 気になるなら、あとで果物でも持っていってあげる?

 お世話になってるしね。」

「はいっ。そーしてみます!」


あたしだけ、お茶をちょっと早めに切り上げて、クルトさんに用意してもらった果物を持っていくことにした。

ほんとはあたしがやるべきなんだけど…あたしがやると時間かかりすぎるもんね…


「あとは私たちで片付けておくから、ミアはそのまま部屋に戻っていいよ。」

「ありがとーございます。

 それじゃ、おやすみなさいです。」


果物をのせたトレーを持って、階段を上がってく。

喜んでもらえたらいいな♪

5000PV越え、ありがとうございます!

無事に魔法が使えるようになるでしょうか…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ