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モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
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41 初授業

「それではー、さっそく始めましょうー。」


ここはあたしの部屋。

小さなテーブルに向かいあって、イスに座ってるアリサさんと、ベッドの端っこに座ってるあたし。

いよいよ今日から魔法を習うの。


「よろしくお願いします!」

「あまりー、かたくならないでくださいねー。」


アリサさんはそういうけど、やっぱりちょっと緊張しちゃう。

どんなふうに教えてもらえるのかな?


「まずはー、わたしたちが使える白色魔法についてー、少しお勉強してみましょうー。

 ミアちゃんはー、魔法についてはー、どれくらい知っていますかー?」

「えっと…6色あって、人によって使えるものが決まってるんですよね。

 あと、〈魔法語ルーンワード〉が使えないとダメで…

 発動体がないと使えない…くらいです。」


あたりまえだけど、ゼル先生に教えてもらってたことしかわかんない。

教会でも少し聞けたっけ…?


「はいー、今ミアちゃんが言ったことはー、全部合ってますよー。

 これはー、少し予習もしていたみたいですねー。

 ところでー、魔法が使えたということはー、〈魔法語ルーンワード〉がー、ある程度理解できてる感じですよねー。」

「あ、はい、読めたし、話すこともできました。」

「わかりましたー。

 それでは次に白色魔法の特徴を少しお話しますねー。

 魔法は色ごとにその特性を表した力を持っていますー。

 白色は大きく3つの特性を持っているのですけどー…」


そこで言葉を切ったアリサさんは、ペンダントに左手を当てて集中し始めた。

そして右手の人差し指をすっと伸ばしてる。


「《ライト》」


アリサさんが、〈魔法語ルーンワード〉を唱えると、伸ばした指の先に、明るく光る玉が生まれた。

そして、指を動かすと、光の玉が動いていく。


「すごい…」

「1つめは、光という特性ですねー。

 光源になるような光もあればー、強い光で目くらましのように使えたりもしますー。

 あとはー、悪魔たちに対抗する力にも成り得ますー。」

「ほへ?悪魔って…封印されたんじゃないんですか?」


教会に行ったときに、そんな風に聞いたよね。

シスターのシャルテさんがお話してくれた…


「んー…確かにー、大昔にー、魔神や悪魔の中でも強力なものたちはー、多くが封印されたそうですー。

 ところがー、中にはー、封印を逃れたものやー、封印するまでもなく倒されようとしていたところを逃げだしたものたちがー、現存する悪魔たちですねー。」

「それって…それってすごく危なくないですか?!」

「そうですねー。ただー、古くからある遺跡やー、洞窟なんかにー、潜んでるからー、普通に街で暮らしてたりするとー、会うことなんてないですけどねー。」


そっか…世界を壊そうとしたようなやつらになんか会いたくないもんね…

あれ、でも遺跡とか洞窟とかって、うちのお客様なんか行くんじゃないの…?

っていうか、アリサさんもあったことあるんじゃ…


「アリサさんは、悪魔に会ったことってあるんですか…?」

「ありますよー。」


さらっと答えられちゃった…

アリサさんたちって、実はやっぱりすごい人たちなんだ…


「あー…」

「ど、どうしたんですか?」

「まだ1つ目の説明でしたねー。あと2つも行きましょうー。」


びっくりした、何か変なこと思い出したのかと思っちゃったよ。

うん、だいじょぶ、きっとあたしが会うことはないよ。うん…


「2つ目はー、前にわたしがミアちゃんに掛けた魔法のようにー、心にはたらくという特性ですー。」

「あ…記憶が戻せないかっていうときの…」

「そうですねー。

 それから3つ目ですけどー、ミアちゃんも使ったー、治癒の特性ですねー。

 白色魔法を使う人たちがー、治療師ヒーラーと呼ばれるのはー、この特性の魔法のせいですねー。」


あたしの魔法って、切っちゃった指を治すくらいなんだけど…それでも治療師ヒーラーって呼んでもらえるのかな…

でもがんばったら何かの役に立てるようになるよね、きっと。


「さてー、それではちょっとー、実践的なこともしてみましょうー。

 最初はー、自分の限界をー、感じることですー。」

「自分の限界…?」

「はいー、魔法を使うときー、自分が持っているマナを使っちゃいますー。

 そのときー、自分の限界を越えて使っちゃうとー、倒れちゃうんですよー。」


あ、それって前に聞いたよね…

ユーリさんからだっけ?


「倒れるっていってもー、眠っちゃうようなものですけどねー。

 ほらー、体が疲れたらー、眠っちゃうのとー、一緒ですー。」

「眠っちゃうんですか。

 あ、でもそっか、お外で魔法使って眠っちゃったら大変だ…」

「うふふ、その通りですー。

 それではー、やってみましょうー。

 コツさえつかめばー、すぐですからー。」


アリサさんが言う通りに、目を閉じて体を楽にして座り、魔法を使ったときと同じような感じで意識を集中させる。

あたしは1回、魔法を使ってるから、意識の込め方とかはわかりやすいはずっていわれたんだけど、それでもなかなか感じることができなかった。


「うー…難しい…」

「そうですかー。わたしも最初はー、ちょっと時間がかかりましたからー、焦らずに行きましょうー。」

「はいー…」


んー、結構大変なのね…

コンコン

もう1回、集中してみようかと思ってたときに、扉がノックされた。


「はい?」

「ミア、入っていい?」


マリーさんの声がしたので、いいですって答えると、トレーを片手に入ってきた。


「がんばってる?

 お茶持ってきたから、適度に休憩してね。」

「ありがとーです!」

「わー、いただきますー。」

「アリサもありがとね。

 晩にでも、今日のこと教えてね。」


そういって、マリーさんは降りて行った。

ちょっとお茶をいただいて、リフレッシュして、もっかいがんばるぞー!

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