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モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
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40 白色のプレゼント

「ミア、ちょっと来てくれるかい?」


お昼が終わった後、食堂の方でクルトさんがあたしのことを呼んでる。

クルトさんもマリーさんも先にご飯をすませて、食堂の方で何かしてたんだけど。

ごちそうさまして、食器を水場に持っていってから食堂にいくと、テーブルでマリーさんとクルトさん、そしてアリサさんが待ってた。


「座ってくれるかな。」

「はい。」


何だろ…

何かあったのかな…?

クルトさんとマリーさんが並んで座ってるから、向かいのアリサさんの隣のイスに座ることにした。

んー、いつもみたいなお話じゃなさそう…?

って思ってたら、アリサさんがイスごとあたしの方に向いた。


「ミアちゃん、あたしに魔法を習ってみる気はないですかー?」

「……ナラウ?」


ナラウって、習うだよね…魔法を?

あ、そっか、アリサさんは白色魔法が使える治療師ヒーラーさんだっけ。

でも急に…?


「ミア、大丈夫?」

「は、はひっ?!」

「落ち着いて、そんなに固まらないでね。」

「はい…、だいじょぶです。」

「ま、急に何でって思ったかもしれないけど、ミアがやってみたいなら、どうかなって。」

「でも、でも…宿のお手伝いもしたいから、習ってる時間は…」


魔法に興味がないかって言ったら、そんなことない。

使えたときはびっくりしたし、ちょっと嬉しかったもん。

けど、今一番やりたいのは、宿のお手伝い。

マリーさんと、クルトさんと一緒にがんばりたいから。


「ミアちゃん、実はですねー。

 わたしの考えなんですけど、ギルドで習うとかになるとー、時間がかかっちゃいますよねー。

 でも、ミアちゃんは魔法がもう使えるみたいですしー、そんなに時間をかけずにー、少し使えるものを増やせるんじゃないかって思ってますー。」

「そう…なんですか?」

「やってみなくちゃー、わかりませんー。

 だからー、試してみませんかー?」


んー、もし休憩時間とかにできるなら、やってみたいかも…

マリーさんたちの方を見ると、2人ともにっこりとうなずいてくれてる。


「それじゃ、休憩時間とかにちょっと…っていうのでもいけますか?」

「もちろんですよー。

 わたしも、いつもできるとは限りませんのでー、お互いに時間が取れたときにー、やってみましょうー。」

「ありがとーございます!よろしくお願いします!」


何だかすごいことになってきたけど、わくわくもしてきた。

マリーさんとクルトさんも嬉しそう…っていうか何かほっとしてる感じもする…かな?

ちょっと気になったんだけど、あたしの前にアリサさんが布の包みを差し出してくれたから、考えるのそこで止まっちゃった。


「これは…?」

「うふふー、実は昨日のうちにー、買ってきてたんですよー。

 無事、ミアちゃんにプレゼントできますー。」


包みを開けると、中からアリサさんのとよく似たペンダントが出てきた。

そう、白い石がついてるペンダント…


「これ、発動体…ですよね…?」

「はいー、そのとうりですー。

 どんな形がいいかー、迷ったんですけどー…」

「あたしに…?」

「そうですよー。あ…もしかして別の形のほうがよかったですかー…?」


ちょっと困ったような顔でアリサさんに尋ねられたけど、首をぶんぶん横に振って違うって主張する!


「ありがとーございます。うれしいですっ!」

「喜んでもらえたならー、よかったですー。」


あれ、もしかしてマリーさんたちがほっとしてたのはこのプレゼントのことだったのかな…

きっとそういうことだよね。


「それではー、わたしもいろいろとー、準備をしておきますのでー。

 よかったらー、明日の午後からー、始めましょうかー。」

「ふに…クルトさん、明日の午後って、だいじょぶですか?」

「ああ、問題ないと思うよ。」

「ありがとーです。それじゃアリサさん、明日からよろしくお願いします!」

「はいー。がんばりましょー!」



アリサさんが準備があるからって出かけた後、マリーさんとクルトさんと3人でちょっとお茶することになった。

今回のことはきっと、あたしのために2人がアリサさんにお願いしてくれたんだと思う。

ありがとーっていったけど、2人も「何のこと?」って笑ってるだけだったけど。


とにもかくにも、こうして、明日からあたしは魔法を習うことができるようになった。

いっぱいがんばって、いろんな魔法覚えたいな♪

もちろん、宿のお手伝いだってばっちりがんばるんだからね!

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