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モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
40/130

39 おひさしぶりです

「ありがとーございました。」


今日のお昼の食堂ももう終わり。

今のお客様が最後だから、お見送りついでに、玄関の表の札を準備中に替える。


「ミア、食器お願いね。」

「はーい。」


マリーさんもカウンターでいろいろ後片付けしたり、帳簿付けたりしてる。

カウンターに残ってた最後の食器を、厨房に運ぶ。

厨房ではクルトさんが、片付けを始めてたから、あたしも水場で洗い物を始める。


あたしが洗い物を終えるころには、クルトさんはあたしたちのちょっと遅いお昼の用意をしてくれてた。

今日はじゃがいもをゆでてつぶして味付けしたのに、ヴルストがついてる。

お客様用のお昼メニューの簡易版だね。


「ミア、マリーにも声をかけてきてくれるかな?」

「はーい。」


食堂に入ると、マリーさんのほかに何人かいるみたい。

お客様かな?でもお昼終わってるし、あたし、ちゃんと準備中の札出してきたはずだから、ご飯とは関係ないかな?


「よぅ、ミアちゃん、久しぶり。」

「あ、フェリックスさん!お久しぶりですー。

 アリサさんもエリカさんもレックスさんも。

 いつ戻ってきたんですか?」

「まぁ、ついさっきだよ。」

「ところでミア、どうしたの?」

「あ、そだ。ご飯の準備できたって伝えにきたんだった。」

「ありがとう、先に食べててね。ちょっとリックたちと話があるから。」

「はーい。」


みなさんにお辞儀したら、アリサさんとエリカさんが手を振ってくれたので、あたしも振り返して厨房に戻った。


「遅かったね?」

「フェリックスさんたちが戻ってきてたんです。」

「そうか、しばらくぶりだね。

 私もちょっと挨拶してくるよ。」

「いってらっしゃいです。」


クルトさんも食堂に行っちゃったから、あたしは先にご飯をいただいちゃうことにした。

料理を盛り付けてある横に、お茶まで用意してあった。

クルトさんありがとーです。いただきまーす。


食べ終わる頃になってもクルトさんもマリーさんも戻ってこなかったから、お話が盛り上がってるのかな?

お茶、淹れていこうかな…

包丁も使わないし、だいじょぶだよね。

ということで、お茶の準備に取り掛かることに。

クルトさんが沸かしてくれてた(たぶん、お昼のお茶用の)お湯をそのまま使えば、すぐにできるよね。



「なるほどね…何か嫌な感じがするわ…」

「あぁ、俺たちもそう思って、まぁ戻ってきたついでって言ったらなんだけど、報告に来たんだ。」

「隊商なんかに影響が出そうだね…」

「実際、もうやられてるっていう噂も聞いたっすよ。」


ありゃ…何か難しいお話してたかな…

あんまりお茶って雰囲気じゃなかったかも…


「あ、ミアちゃんー。」


アリサさんが気づいて手を振ってくれたんだけど、両手でトレーを持ってたあたしはもちろん振り返すことができなかった。

でもその声でみんながこっちを見たから…何か変な状況に…


「あ、ミア、もしかしてお茶淹れてきてくれたの?」

「何だか時間がかかってそうだったから…」

「ありがとう。それじゃみんなに配ってあげてね。」

「はいっ!」


お茶を配り終わると、アリサさんが隣にイスを用意してくれてて、おいでおいでってしてたから、せっかくなので、お隣に座らせてもらった。


「ミアちゃん、魔法が使えたって聞きましたよー。

 すごいじゃないですかー。」

「ほぇっ!」

「マリーさんが、教えてくれたんですよー。」


驚いてマリーさんの方を見ると、「ごめん、先に言っちゃった」って…

別にいいんだけど、使うこともなさそうだから、ちょっとそのこと意識してなかったや…


「おっと、マリー、お昼を忘れてたね。」

「あらやだ、ほんと。」

「あー、すみません、俺たちが変なタイミングで来ちゃったから。」

「いやいや、私たちに情報を急いでくれたんだから、むしろこちらがお礼を言わなきゃいけないくらいだよ。」

「わたしたちの方からも、ギルドに情報入ってないか確認しとくわね。」

「お願いします。あ、あと今晩からしばらく泊まれるかな?」

「今朝発ったとこがあるからいけるわね。

 ミア、ご案内お願いね。」

「はーい。」


マリーさんとクルトさんは、厨房でご飯。

フェリックスさんたちには待ってる間に、お茶してもらおうと思ってたんだけど、アリサさんとエリカさんは予定があるみたいだから、お荷物だけ預けてもらって、お出かけしてもらうことになった。


お部屋の準備をして降りてきたら、フェリックスさんとレックスさんが、アリサさんとエリカさんの荷物も持って上がろうとしてた。

お荷物運びますって言ったんだけど、「ちょっと重いものもあるだろうから、俺たちが運ぶよ。」って持ってっちゃった。

確かにあたし、ちっちゃいし、あんまり力ないけど…

お客様に気を使わせちゃってるよね…

もっと頼られるようにならなきゃ!


でも、フェリックスさんたち、しばらくお泊まりしてくれそうだし、いろいろお土産話とか聞かせてくれるかもしれないよね。

ちょっと楽しみ♪

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