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モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
35/130

34 昔のことをお勉強

今回、ちょっと説明ばっかりになります…

今日は教会に来てる。

昨日の午後、さっそくユーリさんが来てくれたんだけど、ゼル先生の時間がとれるのって明後日になるって言われたの。

そのときに、ちょっとだけ魔法の話してたんだけど、あたしが昔のお話っていうのも全然覚えてないのにびっくりされたんだよね。

それで教会に行ってみればってことになったんだけど、あたしが知ってる教会は、この前アルくんたちが迷子になったときにお世話になったとこだけだった。



「そーいえば…、入ってもいいのかな?」


この前はお姉さんが声をかけてくれたからよかったけど…

あのお姉さん、またいないかなぁ…


「あら、どうされましたか?」

「あ、えっと…あ!」


この前のお姉さん…!

よかったー…


「今日は迷子の方を連れて来てくれたわけではなさそうですね。」

「はひっ?!」


お姉さん、覚えててくれたんだ…

びっくりしたぁ…


「それで、今日はどうなさいましたか?」

「は、はい、えと、その…」


今日ここに来た理由を何とか説明すると、お姉さんは教会の中へどうぞっていってくれた。

お姉さんについて、教会の中の部屋に入れてもらった。


「お茶を用意してきますので、お待ちくださいね。」

「え、そんな、おかまいなくです…」


って言ったんだけど、笑顔で部屋を出て行っちゃった。

何だか…お世話かけちゃてるかも…


ちょっと待ってたら、お姉さんがお茶を持って戻ってきた。


「すみません、何だか…」

「いえ…はい、どうぞ。」

「ありがとーございます。

 えと…あたし、ミアっていいます。」

「よろしくお願いしますね。わたしはここでシスターをしているシャルテと申します。」

「よ、よろしくお願いしますー。」



「それで、昔のことでしたね。

 どこまで詳しいことをお知りになりたいのかはわかりませんが、わたしの知っていることをお話させていただきますね。

 このセルファリアの世界は、光と闇の神によって創られたといわれています。

 二柱の神は、その後、結ばれて何人もの神々を産み出しました。

 この教会に祀られている天候と農業の女神ミルファムも、その一人ですね。

 そして神々は、この世界にたくさんの生命を産み出していきました。

 人族と呼ばれる、わたしたち人間やエルフ、ドワーフ、妖魔、それに動物や植物…

 神々によって、適した場所に住めるように導かれていったそうです。


 しばらくは平和な時代が続いたそうですが、あるとき、光の神と闇の神が反発することになったそうです。

 原因が何かはわかりませんが、このとき、他の神々は、光と闇の陣営に分かれて争うようになり、また人族もその争いに巻き込まれていったそうです。


 しかしその争いは、ある日突然現れた、悪魔と呼ばれるものたちがセルファリアの世界に現れたことによって、終わりを迎えます。

 悪魔たちは、神々が創りだしたこの世界を壊すことを目的にしていたようでした。

 神々は争いをやめ、悪魔たちと闘うことになったそうですが、悪魔たちの中には、神々に匹敵するような非常に強い力を持つ魔神と呼ばれるものと、相果てることとなり、肉体を失った神々は、天界と呼ばれる世界に、その精神を移したといわれています。

 魔神たちは、神々によって滅ぼされたとされますが、残った悪魔たちは、人族が協力することで封印したそうです。

 その後、神々を失った人族は、主たる2つの大陸に分かれて住むことになりました。

 悪魔に対して協力して立ち向かったとはいえ、それ以前の争いでの禍根は、深かったようですね。

 光の陣営に立った、わたしたち人間や、エルフ、ドワーフは、このリュシア大陸に、闇の陣営に立った妖魔たちは、アンフィト大陸に分かれたのです。

 ただ、長い年月の間に、多少は関係が改善されたので、今日では交流を持っていますね。」


シャルテさんのお話をずっと聞いてきたけど…もとから知らなかったのか、覚えてないだけなのかはわかんないけど、始めて聞くお話だった。

あれ…でも聞きたいことが出てきてないよね…


「あの…」

「はい。どこかわかりづらいところがありましたか?」

「いえ、あの、えっと、その…魔法についてのお話ってありますか?」

「魔法ですか?

 そうですね…始めはすべての人族が魔法を使えたといいますが…

 わたしたち今の人間は、魔法の素質を持つ方もいらっしゃいますし、持っておられない方もいらっしゃいますね。

 エルフは必ず黄色と青色の素質を持つそうですし、ドワーフは黄色と赤色の素質を持っていることが多いそうです。

 また、黒色は闇の陣営の人族にしか使えないということですが…それ以上のことは。」


すみませんと頭を下げるシャルテさんに、慌ててお礼を言う。

あたしの方が時間を取らせちゃって謝らなきゃいけないのに。


「少しでもミアさんのお役に立てたなら幸いです。」

「シャルテさん、本当にいろいろとありがとーございました!」

「またいらしてくださいね。お待ちしております。」

「は、はいっ!」


魔法のことはあんまりわかんなかったけど、たくさんお勉強になっちゃったね。

明日はユーリさんにも報告しなきゃ!

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