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モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
29/130

28 魔法が知りたいの その1

お祭りも終わって、またいつもの日々に戻ったら、朝もお昼も晩も、食堂が盛況です。

今日も元気にお昼の食堂営業終了!


「それじゃ、ユーリさんのとこ行ってきますー。」

「はい、気を付けて行ってらっしゃい。」


小さなバスケットを持って、いざしゅっぱ~つ!


カランコロン。


扉を開けると、少し傾いたお日様が、元気に照ってる。今日もいい天気だね。

今日はユーリさんのお店で、人に会う約束をしてるの。

一昨日行ったときに、魔法について知りたいなっていったら、ユーリさんがゼル先生を呼んでくれるって言ってくれたの。


ユーリさんとこに向かっててくてく歩いてると、聞きなれた声が聞こえた。


「にゃっ。」

「ネコくんこんにちは。」


お祭りの日以来、外に出るとよく会うんだよね。

今日はあたしの持ってるバスケットに鼻を近づけてくんくんしてる。

中身はクルトさんが焼いてくれたクッキーなんだよね。

ユーリさんとゼル先生へのおみやげなんだけど…


「1枚だけだよ?」

「にゃー。」


食べやすいようにちょっと割ったクッキーを、手のひらにのせて差し出すと、ネコくんはぺろりと平らげちゃった。

おなかすいてるのかな…クルトさんのクッキーがすごくおいしいからかな?

食べ終わったけど、次を催促するわけでもなさそうだよね。


「あたしこれからおでかけなの。それじゃまたねー。」


手を振って歩きだしたら、ネコくん着いてきちゃった。

ま、いいよね?

そんなわけでネコくんをお供に従えてユーリさんのお店まで一緒にてくてく。



「ユーリさん、こんにちはー。」

「あ、ミアちゃん、いらっしゃい。ちょうど今、先生も来たところよ。」

「ミアさん、お久しぶりですね。」

「ゼル先生、こんにちはー。今日はありがとーございます。」


一通りあいさつが終わったところで、バスケットの中身を取り出したら、ユーリさんはお茶を入れてくるねって行っちゃった。

ゼル先生と2人きり。うー、前に一回お話しただけだからまだキンチョーするかも…


「そういえば、ミアさんは魔法のどんなことを知りたいんですか?」

「はひっ…えと、あの…」


どう説明したらいいんだろうって悩みながら、前に魔法を使ってもらったこと、記憶が戻らなかったこと、封印か呪いのようなものが関係していること、白色魔法の素質があるって言われたことを説明した。


「ふむ、何かと魔法に縁のありそうな話ですね。

 まずは簡単に魔法とはどのようなものかを説明してみましょうか。」

「あら先生、さっそく授業ですか?」


笑いながらお茶を持ってくるユーリさん。

クッキーとお茶を嗜みながらゼル先生がお話してくれる。


「魔法とは、このセルファリアの世界に満ちるマナと呼ばれる力を、自らの持つマナによって導き、様々な形で具現化するものと言えます。

 そして、6つの色でその性質が分かれています。

 我々が魔法を使うときは、各個人のフィルターを通して、世界に満ちるマナに色をつけるようなイメージですね。

 ですから、素質、言い換えれば、その色を持つ者でしか、魔法を発現させることはできません。

 我々人族は、黒を除く5色を、妖魔族は白を除く5色を使うことができる可能性がありますね。」


せんせー、むつかしいです…


「今のは概念なのであまり深く考えなくてもいいですよ。

 次に封印と呪いのことを少しだけ…

 記憶の封印、あるいは呪いは、精神にはたらく力なので白色もしくは黒色の魔法で扱える属性になると思います。

 アリサさんが越えられなかった強さだとするとよっぽどですね。」

「アリサさん知ってるんですか?」

「えぇ、魔法士ギルドに所属していますし、『白を継ぐもの』といえばそれなりの知名度ですよ。」


『白を継ぐもの』って…つまりフェリックスさんたち全員が有名なんだ。

そしてまた新しい言葉がでてきちゃったよー。


「魔法士ギルドって何ですか?」

「あぁ、名前の通り魔法士が所属しているギルドですね。

 以前もお話したとおり、2色以上の魔法を扱う者を魔法士ソーサラーと呼びます。

 そういった人たちは、魔法士ギルドに所属することで、ギルドから魔法を学ぶことができるのです。

 もちろん私も所属していますよ。」

「あたしはギルドには所属していないから、先生から習ってるだけなのよ。」

「ユーリエくんのように、1色のみの素質を持つ方は、ギルドに所属することはほとんどありません。

 色を組み合わせて使うことができないために、覚えられる魔法に限りがあるからです。

 ただ、そういった方には、ギルドに所属する魔法士が私塾などで教えることになっていまして。」

「だからユーリさんの先生なんですね。」

「はい、その通りです。ただ、例外がありまして、白色だけは、他と素質を併せ持つことがないのです。

 そして、白色はそれだけで割と覚えられる魔法がたくさんあるために、ギルドに所属する価値もある、ということになります。」


それでアリサさんもギルドにいるのかぁ。

あれ、それじゃもしかしてあたしもギルドに入れば魔法が覚えられたりするのかな?どきどき…

今回もちょっと説明ばっかりです。

センセー、説明難しいです;;

題名変更しました。

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