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モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
26/130

25 お祭りの日に その1

「んー、よく晴れてるね!」


今日と明日は建国祭。もう大通りには、露店とかの準備で人が結構来てるみたい。

うちも忙しくなるのかな。



「マリーさん、おはよーございます!」

「おはよう、ミア。」

「お天気もいいし、お祭り楽しそうですね!」

「ミアも楽しそうね。」


ふふっと笑ってるマリーさんも何だか楽しそう。



「クルトさん、おはよーございます。」

「ミア、おはよう。今日は楽しそうだね。」

「だって、朝から大通りもお祭りって感じがしてて♪」


なるほどね、ってうなずいてくれるクルトさんもやっぱり楽しそうな気がするなー。



朝のご飯時間も、お片付けも一段落したところで、ちょっと休憩でお茶することになった。

いつもはお昼の準備もあるのに、どしたんだろ?


「ん?ミア、どうかしたのかい?」

「あ、今日は何かのんびりかなって…」

「言ってなかったっけ?昼はうち閉めるんだよ。」

「ふぇ…?」


聞いてないよね…うん。聞いてなかったよね…?


「今日はお昼に開けてても、お客様は来ないんだよ。みんな、お祭りの方に行ってしまうからね。」

「そーなんだぁ…」

「お茶が終わったら、準備しようか。」

「じゅんび…?」


ポカンとしてたら、いつの間にか後ろに来てたマリーさんが肩をポンとたたいた。


「お祭り、ミアも行くでしょ。一緒に、ね。」

「え、う、うん!」


忙しくて行けないと思ってたけど、行っていいんだ!



お茶をすませて、部屋に戻ったあたしは、エプロンだけ外して、下に降りてく。

おさいふは今日は持っていかなくていいっていわれたんだけど…


「さて、それじゃ行こうか。」


クルトさんの一声で、いよいよお祭りに出発!

玄関を出ると、いつもよりもずっと人が多いのがすぐにわかるくらい。

宿から大通りはちょっと歩くだけだから、まずは大通りまで出るみたい。



「うわぁ、うわぁ…たくさん屋台が出てる!」


お肉を串にさして焼いてるとこ、いろんな果物が置いてるところ、揚げ物にお菓子…

見たこともないくらいに、大通りがにぎわってた。


「とりあえず、広場まで行ってみようか。」


クルトさんを先頭に、あたしとマリーさんが少し後ろをついてく感じで広場まで進んでく。

もちろんその道には屋台や露店がたくさん並んでた。

けど、広場の盛り上がりは、そこまでの道以上だったの。

広場の一画にステージがつくられてて、何かイベント中みたいだった。

人がいっぱいであんまり近づけないから、何やってるかはあんまりわかんないけど…


「あれって、何やってるのかなぁ?」

「今は早食い大会かな。出場者が並んでるところだね。

 この後も今日は、劇団の出し物や歌唱大会と腕相撲大会の予選もあるはずだよ。」

「いっぱいあるんだねー…」

「ミアも出てみるかい?」

「ええっ、で、でないです…」

「あはは、冗談だよ。」


もークルトさんってば、びっくりしたよ…

広場もぐるっと1周して、もっと向こう側の大通りもちょっとのぞいてから、引き返すことになった。

途中の屋台でいろいろ買って食べたりもして、酒屋さんの屋台にも寄ったの。

クルトさんは、新作を少しずつもらってたみたいだけど、あたしは禁止…しょーがないけどね。


「リュートくんの新作は、親父さんとは全然違う方向だね。」

「えぇ、親父のは親父ので需要がありますが、今まであまりお酒を嗜まなかった方にも飲んでいただけるようなものができたらなと考えたので。

 今回、人気のあったものを量産してみようかと思っています。」

「そうか、またお願いすることになりそうだね。」

「今後ともご贔屓にお願いします。」


そんな感じでいろんなところを回りながらゆっくり戻ってたんだけど、だんだん人が増えてきたみたい。

広場も行きに通ったときより、戻るときの方がたくさん人がいた気がするし。

うー、ちょっと歩きにくい…ちっちゃいとこういうとききついよ…


「ミア、大丈夫?」

「あうー、だいじょぶですー。」

「ん…ほら、手、つないどこ。」

「えっ…」


マリーさんが手を出してくれてるけど、何となく恥ずかしい…けど、ちょっと嬉しいな。

えへへって笑って、手をつなぐ。マリーさんの手、あったかいな。

大通りを抜けるまで、ずっとマリーさんに手をつないでもらって帰ってきたんだけど、脇の道に抜けると、だいぶ人も減ってた。

もう宿まではそんなにかからないけど、ここならいいよね…

ちょっと前を歩いてるクルトさんの左手を、開いてる右手でつかまえた。

クルトさんは、ちょっとびっくりしたみたいだったけど、笑って握り返してくれた。

宿の前まであと少しだけど、3人並んで歩いてたら、近所のおばさんに、ミアちゃん楽しそうねって言ってもらったよ。


マリーさん、クルトさん、こんな嬉しい気持ち、ありがとう!

この後もがんばるからね!

今日の分だけは予約更新ですが、明日、明後日とちょっと更新ができなくなります。

また次話でお付き合いいただければ幸いです<(_ _)>


8/21:次話に合わせて、題名をちょっと変更。

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