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1 いつもの夢
真っ白な
どこまでも真っ白な世界に
あたしは立っていた
たくさんの黒い人の影たちに囲まれて
たくさんの視線を感じた
蔑むような
憐れむような
あまり感じの良くないその場に
あたしは立っていた
正面には1人の特に濃い影が見える
すぐ目の前にいるようで
でもずっと向こうにいるようで…
不意に言葉が響いた
声ではなく
直接身体の中に言葉が響いてきた
『…、………ミア………の力………………、…び………らの…………す…』
ざわめく周りの影たち…
その瞬間
世界が暗転し
体が落ちていくような感覚を生じて…
まだどんな方向へ転がるかはあんまり決まってなかったりもしますが、お付き合いいただければ幸いです。