12 お買いもの
今日はお昼のあと、マリーさんに誘われてお買いものに行くことになったの。
「ところで、何を買いに行くんですか?」
「ま、ついてからのお楽しみね。」
なぜかマリーさん教えてくれなかった。
何を見に行くかわかんないけど、マリーさんとお買いものなんて久しぶりだし、楽しみ♪
マリーさんも妙に楽しそう、だよね?
歩いて行く先は、いつもの市場を越えた向こうの方みたい。
道すがら、いろんな話をしてたんだけど…
「あ、マリーさん、今晩、ちょっと相談したいことがあるの。クルトさんにも。」
「ん?…何かあった?」
「えとね、この前、アリサさんに…、えと、記憶のことで…」
「そっか、さすがに立ち話ってわけにもいかないね。とりあえずそれは夜に時間つくるわ。」
「はい、ありがとーです。」
「さて、もうすぐだよ。」
着いたお店は武具屋さんだった。
「ここ…?」
「そうよ。さ、入りましょ。」
マリーさんに引っ張られてお店に入ると、カウンターにいたおばさんがびっくりしたみたいだった。
「もしかしてマリーかい?」
「ども、おひさしぶり。」
「急にどうしたんだい?と、その子は…新米かい?」
「あ、違うの。今、うちで働いてくれてる子。ほら、ミア。」
「は、はじめまして、ミアです。」
マリーさんに促されてあいさつしたら、おばさんも「あぁ、よろしくね。」って返してくれた。
「で、冒険者でもない子を連れてくる場所でもないと思うんだけどね?」
「冒険者じゃないんだけど、こんどちょっと外出るから、一応ね。」
「そういうことかい。じゃ、ちょっと寸法取らせてもらうよ。」
そういって、おばさんはあたしのいろんな所を測っていく。
「マ、マリーさん…えと、えと?」
「おっと、動いちゃだめだよ。」
「ミア、落ち着いて。昨日、ユーリが来て、今度のお出かけのことで相談してたのよ。」
「え、そうなの?」
「ミアはちょうど、お使い出てる時だったから、あたしが話を聞いたってわけ。」
マリーさんの説明を聞いているうちに、おばさんは測り終わったみたいだった。
「それで、どうするの?」
「まぁ、冒険者の服でいいかなって。」
「妥当なところかね。サイズ出してくるわね。」
「ミア、ごめんね。何が何だかって感じだったでしょう。」
「うん…」
「いくら強化期間っていっても、念には念を入れておかないといけないからね。
今日はお出かけの準備のお買いものだよ。」
「ふぇ…?あぅ…あの…」
上手く言葉が出なかったところに、おばさんが戻ってきた。
「じゃ、ちょっとこれ着てみてくれるかい?」
そういって渡された服は、いつもの服と違って分厚くて丈夫に作ってある服だった。
「試着室はそこのカーテンの奥だよ。」
指差された先のカーテンを開けると小さな部屋になってた。
着替えているとマリーさんとおばさんの声が聞こえる。
「しかし、ほんとに久しぶりだね…あんたが冒険者の宿をやることになるとは思わなかったよ。」
「あたしだって思ってなかったわ。でも、楽しくさせてもらってるし。」
「『白の舞姫』がねぇ…」
「ちょ、それはもう!」
「あのー、着てみました…」
盛り上がってるところに、ちょっと出辛かったんだけど…しょうがないよね…
「ミ、ミア、今の、聞い…」
「はいはい、ちょっと調整するよ。」
マリーさんが真っ赤になってる…のを尻目に、おばさんは袖や裾を折ったり、針で留めたりしてる。
「はい、終わりっと。それじゃこれはまた詰めとくね。武器も見るのかい?」
「えっと、マリーさん?」
マリーさん、口元を手で隠して、まだちょっと赤いけど、こっち来てくれた。
「多分何も使ったことがないのよね。」
「んー…斧は?薪割りでしてるよ?」
「薪割りとはずいぶん勝手が違うからね。まあ、使うこともないだろうし。服だけでいいわ。」
「はいよ。それじゃ2日後までには仕上げておくよ。」
「おねがいね。さてと、それじゃミア、次行くわよ。」
「はいー。おばさん、よろしくおねがいしますー。」
次はどこに行くのかな?
マリーさんの過去が…?




