第七章 傭兵と紅い霧
紅魔郷編に突入です。
シュウは魔理沙との模擬戦を終えて寺子屋に帰ってきた。
するとちょうど授業が終わったのか一斉に出てくる子供達。
その中に知らない顔を見つけ、最上級生がいないことに気づき時間の流れを感じた。
シュウが幻想郷に来てから一年が経とうとしていた…。
それは唐突にやってきた。朝、外に出ると辺りを紅い霧が覆っていたのだ。一年間過ごしてきたのだからこれが季節のものでないのは分かる。となると人為的な何かなんだろう、魔力と妖力で構成されてるのが解る。俺はこの色には覚えがあった。紅魔館である、…が。出来ればあまり行きたくない。あそこの図書館の魔女は俺を見つけるなりこの「物質化」の能力で実験をしようとするのだ。
俺は実験体じゃねぇ!
第一に人類には基本的人権と言うものがあってだな……(以下延々)
閑話休題
なのでここ最近は霧雨邸で魔力の鍛錬をやっていたのだ。
とりあえずは魔理沙のもとに向かってみた。
とは言うものの霧の所為で前が見えない。霧を纏めて物質化させてもいいんだが、疲れる。彼女の事だ、異変を起こした奴を叩きにいくと言ってもおかしくは無い。
だから歩いていくことにした。
正直歩きづらいので少しずつ物質化させて霧を薄くして進むことにした。
ちなみに物質化したものは集めておいてある。赤い水晶みたいになっているのであとで魔理沙辺りに売れそうだ。
魔理沙は未だに眠りこけていた。呑気なものだ。
「おい、魔理沙。起きてみろ」
「うぅ、ん…。」
「起きろって」
「…。なんだよ、シュウか」
「なんだよって…。剥いてやろうか?」
「帰れ!変態!」
「冗談だってば、本気にすんなよ」
寝起きな上に起こし方が悪かったからかむくれ面の魔理沙である。ちなみにかなりの薄着だ。まぁ、暑いしな。
「で、要件はなんだ?」
「窓を見れば解ると思うが?」
ちなみに紅い霧で窓は真っ赤だ。
「趣味が悪ぃぞ、シュウ」
「俺じゃねぇよ」
「じゃあ誰だ家の窓に絵の具を塗ったのは」
「絵の具じゃない。霧、だよ」
「紅い霧?」
「そうゆうこと」
「こいつは…面白そうなだな」
ニヤリと笑う魔理沙。うわぁ、悪人顔。こうして俺らは異変解決に向かうことにした。
「さぁ、いくぞ!シュウ!」
「そのカッコでか?」
「み…」
「み?」
「見るなぁぁぁぁ!!」
「ちょ、室内で弾幕は…っ!」
前途多難である。
果たして2人は無事に異変解決できるのか!?