第五十六章 傭兵と従者と守護者と
一応流れと言うか順番は原作通りに進んでいきます。
―レミ咲side―
紅魔館の主従コンビは人里に差し掛かっていた。咲夜はなぜこちらに飛んできているのか見当が付かず、戸惑っているようだ。
「お嬢様」
「なにかしら?」
「なぜこちらに?永遠亭とは方向が違うように思いますが?」
「喉が渇いたの。要するに燃料補給をしようと思ってね」
「………」
咲夜は紅魔館の評判悪化を懸念して頭が痛くなってきていた。評判が下がると仕入れ先の相手の対応がおざなりになるのだ。「はやく帰ってくれ」とでも言いたげに。咲夜としてはなるべく避けたいと考えていた。良好な関係を築いておいて損はないのだ。
とは言っても主に逆らう様な事はしないのだが。
先ほどの会話の暫くあと。二人は人里が”あった”場所を見降ろしていた。
「咲夜、ここでよかったわよね?」
「えぇ。本来ここは人里のハズですが」
「やはり歴史を保護しておいて正解だったな」
そう言って現れたのは慧音だった。
「歴史を保護?」
「いや、なんでもない。”ここには何もなかった”からさっさと通り過ぎるがいいさ」
「ここは人里だったはずなのだけど?」
「もう一度言うぞ?”ここには何もなかった”」
慧音は語気を強めて再びそう言った。その眼には強い光が宿っている。
「お嬢様、人里が消えたのは人為的なものの様です」
「分かってるわ。ただ、人のいない人里には居る意味もない」
レミリアは人里に対しての興味は既にないようだ。しかし咲夜は何度も訪れた関係上、知り合いも何人かいる事もあり、この慧音の口調が気になった様子だった。
「………」
「不服そうね」
「いえ、そういう訳では」
「どうしても気になるなら自由にしなさい。ただ私は動かないけど」
「ありがとうございます」
レミリアはそう言うと後ろの方に陣取り、腕組みしながら成り行きを傍観するようだった。咲夜はレミリアが退いたのをみると、手元に数本のナイフを取り出した。
「二人とも。話は聞いていたのか?”ここには何もなかった”と言っただろう」
「じゃあどうしてそんなにも私たちをここから離そうとするのかしら?」
「私は事実を述べているだけだ」
頑なに慧音の言葉を聞き入れない咲夜に慧音はだんだん苛立っていた。それに適切な間合いを取るために少しずつ下がっていたが、これ以上下がる訳にはいかなかった。なぜならそこは人里の堀があるべき場所。その後ろは本来人里の領内だ。これ以上の後退は進入を許すことだった。
「言い方が不自然ね。…もう下がらなくても良いのかしら?」
「うるさい。良いから帰るんだ」
「出来ないわ」
咲夜のしっかりとした拒絶で慧音の決心も固まった。排除するしかない、と。
「そうか…。それならば――お前たちの歴史も喰ってやる!」
「ようやく本性を現したかしら?」
二人は少し距離をあけた状態で臨戦態勢に入った。
――next battle is "Kamishirasawa Keine " -Hard-
――to be Continued...




