第六章 傭兵と弾幕勝負
ついにシュウも弾幕勝負を…
そんなこんなで修業(?)をすること3カ月。俺は模擬戦をする程度には強くなっていた。スペルカードの作り方も教わって何枚かは作った、が。運用できるものはすくない。
ちなみに今は霧雨邸で模擬戦を行おうとしている。
「シュウ、準備はいいか?」
「あぁ、いつでも行ける」
シュウは魔理沙と同じ高度まで上がりベストの中のカードを確認する。ちなみに現在は5枚のスペカが入っている、が。使い慣れているのは3枚のみだったりする。
「じゃあ、早速。こっちからいくぜ」
そう言って魔理沙は弾幕を展開する。それに応じる様にシュウも「普通の弾幕」で対応する。物質化をさせるかどうかの切り替えができる様になったのも、実はそんなに前の話ではなかったりする。
「空の飛び方もだいぶ様になったじゃないか」
「そりゃどうも」
「こんなのはどうだ?」
星符「メテオニックシャワー」
大量の弾幕が流星群の如く降り注ぐ。
「っと、まずいか」
シュウもまたスペカを取り出し呼応する。
散符「キャニスター・ショット」
生まれて初めて使ったスペカであり、今となってはもっとも使い勝手の良いものとなったこのスペル。宣言と同時に銃弾を縦横各20ずつ程並べた菱形の弾幕を続けざまに放つ。
魔理沙の弾幕のいくつかは突き抜けたが殆どがこの銃弾の壁に阻まれていく、そして残った銃弾はそのまま魔理沙に襲いかかる。
「うぉ…ッ!?」
魔理沙は上空に退避し、マジックミサイルを放つ。それに対し今度は「物質化した弾幕」をぶつける。マジックミサイルはなんなく銃弾を蹴散らすが、直に重力に沿って落下していき地面で魔力の爆発を起こしていた。
「なるほど、厄介だな」
「それは褒め言葉か?」
「そう思っとけ、じゃあこんなのはどうだ?」
魔理沙は緑のレーザーを大量に射出した。しかしそれらは曲がりくねって、互いにぶつかると爆発を起こした。
「いったい何がしたいんだ…?」
するとその爆発の中から魔理沙が箒に捕まり、ロケットの様に突進してきた。それを間一髪でかわし、振り向くと箒の柄がこちらを向いているのが目に入る。
光符「ルミネスストライク」
その箒の先からは巨大な弾丸が飛び出していた。シュウは上に逃げながらも新たに取りだしたスペカを起動する。
被膜「マテリアル・フィルム」
シュウから周囲に向かって薄い膜が拡がっていく。そしてその幕は魔理沙の放った光弾にぶつかり、勢いを殺しながらも物質化させることで光弾をその場で落とした。
「次はこっちのターンだ。覚悟しろよ」
「その意気、だぜ」
跳弾「ミラー・スナイプ」
シュウは特殊な弾を一発だけ放つ。その弾は魔理沙の通りすぎて、後ろで二つに割れながら反射した。
「!?―帰ってくるのか!?」
その二つは魔理沙を通り過ぎてまた割れる。そうして次から次へと数を増やしていく。
しかもその銃弾はそれぞれ速度が違うため最終的には前後から一斉射撃を受けているかのようになっていく。…まぁ、その分一発の威力は下がるんだが。実は始めて使ったものだったりする。
「流石に、ちょっと…ッ!」
魔理沙は箒に捕まり突破をしようと図る。それを待っていたかのようにシュウは叫ぶ。
「弾けろ!」
既に1000個強にまで達していた弾の一つ一つが10~15個に割れて乱反射する。しかしここまで小さくなると威力は無いに等しいのだが、なにぶん一つが小さいので砂嵐の中にいる様な感覚に陥り、目を瞑らざるを得ない。 結果、動きが止まるのである。
(ここで決める!)
狙撃「スナイプ・バレット」
異常なまでの速度を持った弾幕が魔理沙を捉える。その速度は既に実銃の域なのだが非物質なので貫かない。と言うか物質にするとそんな速度は出ないし。そのかわりにものすごい衝撃が一極集中で襲うのだ。
「ぐぁっ」
魔理沙は背後の大木に突っ込みズルズルと落ちていった。
模擬戦と言ってよいのか解らない練習を終えた二人は共に昼飯を食べていた。
「流石に油断したぜ」
「傭兵の世界では油断は即刻死に繋がるからな。たとえ模擬戦でも一旦スイッチが入ると制御がきかないというか…」
「ようするに戦闘狂なのか?」
「いや、条件反射、だな。楽しむと言うより必死だからな」
「弾幕ごっこは楽しんだもん勝ちだぜ」
「ははは…。そいつは勝利への道は長く、険しいな」
シュウは空を仰いで、そう呟いた。
え?物質化がずるい?威力がおかしい?スペカが二枚同時?
だからタグにもあるじゃないですか「チート野郎」って
それにそれ相応の特訓は積んでますし、もと傭兵ですし。
最後のは…まぁ、模擬選ですし。多めに見てやってください…