第五十一章 傭兵と欠けた月
永夜抄突入!
ある日、昼ごはんを作っていた時の話。妖夢は唐突にこんなことを言い始めた。
「そう言えばシュウは“レイセン”ってしってる?」
「ん?冷戦か?冷戦はアメリカとロシアが」
「あぁ…と。優曇華院の方の」
「うどん毛IN?なんじゃそりゃ、そんなもんは食いたくねぇが」
「食べないでよ。幽々子様じゃあるまいし。レイセンは兎の妖怪みたいなもので、月兎といったところかな」
「知らないな」
「彼女も銃弾の弾幕を使うんだって。ただ原理は全く違うみたい」
「というと?」
「彼女は狂気の波長で相手を狂わせて弾幕が当たってる錯覚を起こして当てる…みたいな?感じだって」
「外道じゃねぇか」
「仕方ないんじゃない?それが彼女の能力だから」
そんな話を聞かされたので彼女の第一印象(会ったことないけど)は外道の一言だった。
その夜はとても静かだった。
どこか不気味なくらいには。
白玉楼の夕食後。縁側に四人で腰かけてくつろいでいると唐突に幽々子さんが話しかけてきた。
「シュウ」
「どうしました?」
「月を見てみなさい」
「……。それがどうしました?」
「月が欠けてる…」
「そうなのか?」
「分かってないのはシュウさんだけみたいですねー」
「ぐぅ…」
自分だけわかっていない状況だったがぐうの音はでた。
「二人とも、これはちょっと由々しき問題よ」
「…そうなのか?」
だんだん宵闇の妖怪みたいな受け答えになってきたな…。と頭の片隅で思いながらシュウはそう答えた。
「少なくとも妖怪たちにとっては大事件だと思うけど…」
「妖精にとっても大変なこt―」
「だから二人には解決に向かってほしいの」
「はぁ…。なるほど」
「お三人方ー?私を無視しないd―」
「分かりました。どこに向かえばいいか幽々子様はおわかりで?」
「ぐず…酷いです…」
「いまいち分かってないわ」
三人で話し合っているとリリーがいじけてしまった。涙目で指先をくっつけたり離したりしている。が、シュウを含め誰一人相手にしようとはしなかった。
「いまいちって事はだいたいの検討はついてると言うことか?」
「いえ、全く。」
「「………」」
三人の間に沈黙の帳がおりる。そこにリリーがぐずる声だけが響いていたがリリーは「あ」と何かに気が付いた様な声をあげた。
「どうした、リリー?」
「そう言えばこの前来た銀髪のお医者さんが月からきたって言ってました」
「月人?永琳が?」
「よく分からないですけど、月の事なら月の人に聞いてみたらどうでしょうか?」
さっきまで泣いていた所為もあって潤んだ瞳で力説するリリー。
「まぁ、当てもなく行くよりはいいんじゃないかな?」
「そうね、それじゃあ二人とも言ってきて頂戴」
そうしてシュウと妖夢は永遠亭目指して旅立つ事にした。
「なんだか今日は月の話題が多いな」
「他になんか月の話題あったけ?」
「…うどん毛IN」
「え?」
「いや、なんでもない」




