第四十七章 傭兵と狩りの気配
気がつけば前回で50話も上げてたですよwww
気が付くとすっかり夜になっていたので俺たちは帰る事にした。
「ホントに私はイタい子じゃなくて―」
「分かったから」
「投げやりに答えないでくださいよ。信じてくださいよ」
「はいはい。とりあえず俺たちは帰るな」
「じゃあね、早苗」
「私が普通の子だって信じてくれるまで帰しません!」
「スマン、妖夢。俺、泊っていくわ」
「私も帰して貰えそうにないなぁ…」
「二人とも!?」
「冗談だってば…半分くらい」
「だから私は―」
「早苗、そろそろいい加減にしな」
「あぅ…」
「私は分かってるから」
「諏訪子様…」
「早苗は普通のイタい子だってね!」
「諏訪子様ぁ!」(泣)
「…じゃあ」
「さよなら~」
こうして俺たちは長かった旅路に幕を下ろすべく家路に就いた。
…のだが。
「なぁ妖夢」
「んー?」
「白玉楼はどっちだ?」
「………」
「………」
「とりあえず山下りるか」
「そうだね」
完全な暗闇でさっきまで蝋燭が煌々と室内を照らす場所にいたせいもあって全く視界が利かなかった。だからどっちに向かえばいいかさえ分からなかったが、とりあえず水の音のする方へ向かった。
俺たちは暫くすると滝の上に突き当たった。その滝は夜だからか視界が利かず、底まで見とおすことはかなわなかった。そういえば来るときにこんな所は通らなかった気がするな…。
―キラッ―
そんな風に滝を眺めていると遠くで何かが光った―気がした。その光はおそらく「月の光を受けた刃」のもの。つまりそこには刀を抜いている何かがいると言う事。直後妖夢と俺の間を何かが通り過ぎていった。これが昼間だったら視認出来ただろうが、あいにく今は夜。目が上手く相手をとらえられない。
「あなたたち、天狗に用はなかったのでは?」
不意に聞こえてきたのは聞き覚えのある声だったが、人物の特定は出来なかった。
「………」
ここで黙ってしまったのは天狗ならば土地勘があるだろうから山を抜けられるかもしれないなどと考えていた間だったのだが相手には問いかけに対する黙秘として取られたようだ。
「忠告はしたはずですが、飽くまで引かないつもりですか」
言葉こそ疑問を呈しているが、その言葉には既に覚悟がしっかりと刻まれていた。
「ならば私がお相手しましょう」
一言ずつ噛み締めるように、相手の意識に響くように、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「それが哨戒を任された私の使命…」
そう言って”椛”はゆっくりと眼を開き俺たちを射竦めてから見せつけるように嗤った。犬歯を見せつけながら嗤うその姿、その雰囲気は
―狩りをする悦びに打ち震えているようだった。
――next battle is "momiji inubasiri" -Phantasm-
――to be Continued...
椛(PH)登場です!!