第四十五章 傭兵と本職<幻想版>
ようやく、ようやく銃弾戦が書ける…。
「充分だ。それじゃあ早苗。”銃弾戦”といこうぜ」
そう言うとシュウは武装シリーズからスペルカードを発動した。
完全武装「バトルセット」
シュウは身体の”生体情報”の構成を書き換え、皮膚に不可視の”対銃弾装甲”を展開。両手にP90を展開し、またその他の銃火器を一瞬で出せるようにチカラの状態でセットした。
その後一応この庭全体に岩を突出させ”盾”を創り出した。
「俺は準備完了だ」
「早苗。ヘルメットから”アクセス”してみな。必要な動きが”身体に”覚え込まれるから」
「分かった」
そう言うと早苗はヘルメットをかぶり、暫くしてゴーグルの中で目をあけた。
「こっちもいいよ。”覚えた”から」
「二人とも。一応言っておくけどこれは耐久性と機動性のテストだから。一発も当たらないんじゃ困るし、その場でじっとしたまま撃ち合われても困るからしっかりと”動いて当て合って”ね」
「「了解」」
二人の間に風が吹いた。
開幕すると初っ端から早苗は両腕から機関銃(どうやらスーツの備え付けの様だ)を打ち放し始めた。
俺は近くの岩場にハイディングしながら”早苗の視界に映らないように”岩場を移動した。
そして側面から二丁とも一気に撃つ。突然の側面からの衝撃に早苗は一瞬たたらを踏んだが、手早くこっちに向き直るとまたしても撃ちまくる。こんなに無駄弾を撃ってると普通はすぐに弾切れを起こして蜂の巣になるんだがなぁ…。
俺は隣の大きな岩場を登り、対物ライフル(へカートⅡ)を早苗の肩に照準を合わせ引き金を引いた。すると俺の予想に反して”傷一つつかず”に早苗を転倒させた。
俺は狙撃の鉄則に従ってその場を離脱しようとして、――足場を失った。
早苗をみると構えている得物がマシンガンからレールガンになっており、俺の足場たる岩をばらばらに砕いたのだ。早苗は落ちている俺に一瞬で肉薄し、”高圧電流を纏った”拳を構えた。俺はとっさにランチャー(パンツァーファウストⅢ)を撃ちこみ、爆風でその場を脱出した。
この短時間でわかったが、あのスーツは化け物だ。”現代兵器では”全く歯が立たない。それではどうするか。”幻想の兵器”で対抗するまでだ。
俺は銃火器の展開を止め、スペルカードは発動した。
嵐風「バレット・ストーム」<追従型>
俺は自分の両脇に対物ガトリングを二十挺待機させた。これが今までの兵器と違うのは弾が”タダの金属”ではなく魔力、妖力、霊力、神力を混同させたものから出来ている事だ。つまり”内苞するチカラの量”が圧倒的に違うのだ。
煙の中から出てきた早苗に鉄の暴風を浴びせる。弾が着弾するたび細かな”キズ”が入っていく。そしてさっきの戦闘で把握したことだが、「ダメージは与えられなくても衝撃は通る」のでこれだけの物量を当てれば”多少は”ひるむだろう。
しかし早苗は着実に歩を進め、跳躍した。そこに俺は別のスペルを合わせる。
終末「バレッツ・アンブッシュ」
地面に転がった銃弾が一斉に上空めがけて飛びだす。流石の早苗もこれには驚いたようでゴーグルを両手で保護しながらさらに上空へ後退した。
さらに俺は追撃をかける。
照準「レッド・ポイント」
上空に浮かんでいる弾幕(銃弾)が一斉に早苗に殺到する。そして弾が全弾命中したのを確認してからそれらの弾を全てチカラに還元してそのチカラを「重力」に変換した。
結果上空高くに居た早苗は何十倍にもなった重力によって亜音速で地面にたたきつけられて停止した。
この小説を書き始めたのが東方で銃弾戦をしたいってことだったんですな←