第三十九章 傭兵と河童の水技
この作品の弾幕描写には作者の妄そ――想像が多分に含まれています。
「始めようか、盟友」
にとりはそういうと弾幕と放った。
「シュウ、早いとこ終わらせよう」
「それは同感だ」
俺と妖夢は手早く意思疎通を図り、作戦を実行した。
まず妖夢はにとりに向かって切り込んでいく。そして俺がバックファイヤを務める。
「覚悟ぉぉぉおお!」
「まさか、そんなんで決まるとは思ってないよね?盟友」
妖夢が河の上に差し掛かった瞬間、河から水柱が立ち上り、妖夢を飲み込まんとする。それをサイドステップでかわすがその先からも水柱は現れる。その上それらの柱はただの水柱ではなく、龍をかたどったものでさながら本物の様にうねり、追跡をかける。妖夢はそれらを切り伏せ続けるが次から次へと現れる。
「この程度だったのかい?だったら尚の事通す訳には―」
「相手は一人じゃねぇぞ」
「―ッ!?」
そうしてにとりが妖夢に気を取られている間に俺は背後を取って、創り出した金属バット(純金製)を叩きつける。しかしにとりもただでやられる訳もなく背中のリュックから飛び出したロボットアームを交差させて俺の攻撃を受けとめる―かと思いきや弾かれて吹き飛ぶ。そして自ら出した水柱に両足をついて止まった。その間も妖夢には大量の水龍の攻撃が降り注ぎ続けている。
「バットだなんて不良みたいな武器使うんだねぇ」
「不良は純金バットなんて持ってないだろ」
「それもそうだ。」
そう言うとにとりは俺にも水龍をけしかけてきた。…正直面倒だ。さっさとカタを付けよう。そう思った俺はスペカケースを展開し、「武装シリーズ」から一枚取り出す。
武装「回転式散弾銃」
俺の左腕を包むのはガトリングマシンガン…いや、使用する弾が散弾なのでマシンガンではないのだが。とにかく俺はそいつを起動して周囲の水龍に鉛玉を叩きこんでいく。すると水龍はしぶきを飛ばして崩れていく。そしてその弾は水程度で止められるわけもなく―。
「あわわわっ!?」
にとりにも降り注ぐ。にとりは対抗して水龍を増やす。…これじゃあ埒が明かないな。俺は上位スペルに切り替えることにした。
武装「回転式散弾銃<四門仕様>」
腕についている銃がギミックを変え、腕回りに四門のガトリングを装着する。
「なんなのさ~!?もうこっちもスペル使うしかないよ!」
水符「河童のフラッシュフラッド」
―ドドドドドドドドドドドド―
宣言直後低い地鳴りが響き渡る。音のする方を見ると…
―河の上流から鉄砲水が迫ってきていた。
「な、なんだってー!?」
「そいつは弾幕だよ。あんたたち以外に害はないさ」
「そうか、それなら安心―」
「出来ないよ!?そこはホッとしちゃ駄目だよシュウ!?」
「そうだな、ちょっと待ってろ」
隔壁「マテリアル・ウォール」
俺が展開した壁に身を隠し衝撃に備える二人。しかし結果から言って衝撃は訪れなかった。
水符「河童の幻想大瀑布」
にとりが次のスペルを発動したからだ。それでなぜ鉄砲水が来ないのか不思議に思い、河を見ると「日上がって」いた。そして直後日が陰る。
「「え?」」
上を向くと、さっきの弾幕の数十倍の弾幕が落下してきていた。この河の水が全て弾幕となって上空に移動したのだ。それらが一気降り注ぐ!
「逃げるぞ!」
「うん!」
妖夢と二人上空に逃げる。横に逃げなかったのは地面に当たった時のしぶきを考慮してのことだったがそれらのしぶきは今度は水柱としてレーザーのごとく飛んできた。しかもそれらに混ざってミサイルが飛んできている。絶対ににとりの仕業だ。さっきの岸でレーザーとミサイルを撃ちながらにとりがニヤリと笑った、気がした。俺はスペルカードを取り出そうとしてふと
―妖夢の半霊がいない事に気が付いた。
次の瞬間、レーザーが妖夢を貫く。それと同時に宣言が聞こえる。
人符「現世斬」
”にとりの近くの茂みから飛び出した”妖夢はにとりへと切りかかる。貫かれた方の妖夢をみると半霊がふわふらと浮いていた。つまりこの妖夢はデコイだったのだ。
にとりの顔が驚愕に染まる。そして今切りつけようかと言う時間に割って入る「白い」影。
「あなたたちの目的が何かは知りませんが、私の親友は私が護ります」
妖夢の斬撃を受け止めたのは「紅葉柄の盾」。
「…椛」
そこには白狼の哨戒天狗、犬走椛が堂々と立ちふさがっていた…。
――to be Continued...
嫁キタ―――――――!!
( ̄ー ̄)