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弾丸と幻想郷  作者: 紀璃人
傭兵と八雲
42/94

真実 襲撃の因果

シリアス二連投ですが。

 これは2104年の春のこと。

 八雲紫は日本にいた。いや、日本だった所に佇んでいた。理由は簡単。幻想郷が”決壊”したからであった―。


 時は遡り21世紀になったばかりのころ。

 その時は弾幕ごっこが行われていた。

 かく言う私も「スキマの妖怪」として弾幕に勤しんで…はいなかったがそれなりにやっていたし異変解決の手助けもしていた。

 あるものは魔法を放ち、またあるものは妖術を駆使し、皆が「命を奪わない戦い」をしていた。

 その頃からであった、幻想郷に”チカラ”が充満し始めたのは。


 初めはスキマが開きづらくなった程度だった。直に博麗大結界の皹が直しづらくなり、綻びが多くなってきていた。


 私は危惧していた。このままでは幻想郷が持たないのではないかと。

 藍も言っていた。

「幻想郷の内部圧力が高まっている」と。

 霊夢も言っていた。

「博霊大結界が何らかの力によって負担を強いられている」と。

 図書館の魔女でさえも言っていた。

「このまま圧力が高まれば幻想郷は崩壊する」と。

 私は幻想郷を守るためにあらゆる方法を考えた。

 博霊大結界の一部を解放したらどうか。とか、内部の力をなんとか固めて別の場所に移せないか。などと。

 しかしそれらの考えはその場凌ぎのものにすぎない。でもやるしかなかった。私はスキマを使ってチカラを外に流していた。

 圧力の原因は弾幕が消えた際に分散するエネルギーだと判っている。しかし、この弾幕は幻想郷にとってなくてはならないものになっていた。

元凶を取り除く事が出来ない。


―これはシステムの破綻を示していた…。


―そして私はついにスキマを開くことが出来なくなってしまった。


 なので私はこのチカラを外に流すためにスキマ経由で流すことが出来なくなってしまった。

 私は霊夢に頼んで外の博麗神社との繋がりを強くして少し濃度を下げて貰うことにした。


 初めて、土下座をした。とても、屈辱的だった。


 霊夢は結界が一気に崩壊するのを恐れて、最初は拒んだが、じきに折れてくれた。「短時間、一度きり」という条件のもと。

 そうしてなんとかスキマを開いた。

 そしてその結界の先にある亡骸を見つけた。

 その青年の亡骸は吹きつけるチカラを結晶として自らの躯に纏わらせていた。

 そしてその結晶はチカラを分散することなく消えていった。

 私は驚愕していた。彼がいれば、私の幻想郷は消えずに済むのではないか。

 しかしこの亡骸では間に合わない。彼が幻想郷で力を振るう必要がある。だからその青年が最も力のある時代へと、時間の境界を弄ってとんだ。

 でも以下に過去といっても今の時代では既にチカラによる圧迫は始まっていた。

 だから私は戦場にいた彼を更に過去の幻想郷に送ったのだ。



でもまさか、別の次元の幻想郷に送っただなんて。

しかもそれに気がつけなかっただなんて、

私は思いもよらなかった。

きっとそれほどに私は疲れていたのだろう。



 私がもとの時代に帰ると結界は圧力に耐えきれずに決壊していた―。



 里のものは土地を失い、餓死したものが多かった。そうして人が消えたため、信仰が薄れた神々は消えていった。妖怪達は争いを始め、殆どが散っていった。

 霊夢もいなかった。魔理沙も咲夜も。幻想郷での異変を始末していた実力者もいなければ、レミリアや幽々子、さとりなどのカリスマを持った者もまた、誰一人いなかった。



 ―私の幻想郷が、私が管理をして守り続けた幻想郷が、あとかたもなくなっていた―。




 私は藍と橙を連れてかつての幻想郷に飛んだ。

 しかしそこには私が送った青年はいなかった。

 私は必死にさがした。藍も橙も手伝ってくれた。

 そして見つけたのは別の次元だった。

 そして彼らは笑っていた。

 私も、みんなも。

 誰一人、欠けることなく。

 なんの憂慮もなく、笑っていた。


 彼を返してもらう。

 彼を見つけたのは私。

 彼の力の恩恵を享受する権利があるのは私なのに。

 なぜ私たちは大事なものを失い、

 彼らは幸せの享受しているのか。

 なにがなんでも奪い返す。

 全力で。


 そう決意し、私たちは準備に取りかかった―。


物語は大きく動き出す!…のか?

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