幕間3 薬剤師の疑念
なぁ、知ってるか?
今日でこの「弾丸~」が始まってちょうど一カ月なんだぜ…?
「シュウ、これからは定期的に通院をしてもらいます」
「え?なんでだ?」
「今回はなぜかピンピンしてますが、本来そこまでチカラの内苞量が減少すると昏睡状態になってもおかしくない状態なんです。…と言ってもこの状態で来られても出来ることがありませんので、秋ぐらいになったら永遠亭に来てください。山の近くの竹林のなかにありますので。道に迷ったら因幡の兎に聞いてください」
「お、おぅ」
とにかくこの青年は不可思議な事が多い、一度精密にいろいろと調べさせてもらいたいものね…。
「それでは」
「送りますよ」
「そうだな、玄関まででも」
「大丈夫です、きっと迎えのものが来ています。それに私も弾幕にはそれ相応の自信がありますので」
そういって彼らと別れ、地上へ帰った。
地上に降りるとレイセンが迎えに来ていた。
「師匠、大丈夫でした?」
「問題なかったわ、ただ…」
「ただ?」
「あの青年、本当に人間なのかしら…?」
「…?どう言うことです?」
「チカラの内苞量は里の人間以下なのに実力はスキマ妖怪を玩具にするほどのもの…」
「めちゃくちゃじゃないですか…」
「それに能力が次々と変遷しているらしいのよ」
「そんなばかな…」
「そこで図書館の魔女と白黒な魔法使いと話し合ったのだけど、どうやら人智を超えるチカラの片鱗が少しずつ明らかになっていっているだけの様ね」
「…。確か、患者は外来の青年でしたよね」
「えぇ。でも今の時点で『チカラを物質化する程度の能力』から『全ての構成を司る程度の能力』にまで変遷しているわ。しかも伸び代はまだあると言うのが全体の見解よ」
「…普通自分の能力ぐらい解かるでしょうに。片鱗って…」
「まぁ、自覚してないものは使役しようがないって所かしらね」
「……。」
「まぁ、味方につければこれほど頼りになるものもないでしょう」
「でも、敵に回れば…」
「…。彼はあまり好戦的には思えなかったわ。きっと大丈夫でしょう。それに最近は自分のチカラの強大さを自覚して手加減しているようだし」
「そう、ですか…」
「まぁ、いいわ。とりあえず帰るわよ。いい加減にお腹もへったわ」
「ですね。帰ったらすぐに作りましょう」
「手伝ってよね」
「てゐじゃないんですから、手伝いますって」
「そう言ってくれると思ったわ」
彼は、一個人としてよりも管理者としてのスキマの思惑が絡んでいるように思えるわ…。もしかしたらこの先障害になりうるかしら…?しかし彼は鍵にもなりえる。つぶすのは勿体ないわね…。
にしても本当に何者なのかしら…。
次回は書いてあるんですが…。
その先がなぁ…。
アイディア降りてこないかなぁ…