第二十九章 傭兵と白玉楼的日常
テストを終えて帰ってきたシュウ。
シュウは白玉楼に帰ってきていた。
「ただいま」
「あ、シュウ。おかえり。今日は早かったね」
「あぁ。今日はテスト?みたいなのやったら解散になったからな」
二人は縁側に座って話すことにした。どちらが言った事ではないが、その方が落ち着くのだ。
「じゃあ、これで練習は終わり?」
そんなことは言ってなかった気がするな…。
「いや、まだ続ける。…らしい。まぁ、こんど休みを貰おうかと思ってる。」
「なんかあったの?」
「そう言う訳じゃないが…。やっぱり…」
あぁ、いざ口に出すとなるとへ恥ずかしいんだが。
「やっぱり、妖夢と一緒にいる時間が足りない気がして…さ…」
「わ、私は…。大丈夫、だけど。そんなことして練習は大丈夫なの?」
「妖夢の方が大事だから」
「それってやっぱり無理してるってことじゃ―」
「嫌?」
「そんなことない!…けど。私が迷惑かけて」
「俺が一緒にいたいんだ」
「……」
しばらく二人で見つめあう。
「ぁりがと…」
「礼はいらないって。と言うか俺が一緒にいたいだけって言っただろ?」
「うん」
そうして二人で庭を眺める。無言だが、不思議と嫌ではない。むしろ心地いいくらいだ。すると妖夢がシュウの肩に頭を預けてきた。なのでシュウも妖夢の頭に自分の頭を預ける。こうして暫くじっとしていた。どこからかセミの声が聞こえる。やや間があって二人同時に呟く。
「「暑い…」」
それもそうだ。既に季節は初夏を過ぎて夏を迎えようとしている。そんなときに二人でくっつけば熱が逃げないから暑くなるのは当然だった。
「う~ん。夏は好きだけど、こういう時に暑いのはいやだな」
「そうだね…」
「二人とも、じゃあ一緒に水羊羹でも食べましょ」
後ろから声をかけてきたのは主たる幽々子さん。その手には二つの箱があった。
「幽々子様。この前全部食べてませんでしたっけ?」
「新しくリリーに買ってきてもらったわ」
「春の妖精にこの気候は地獄だったでしょうに…」
「で、そのリリーはどこに居るんだ?」
「たぶんあそこじゃないかしら?」
そう言って幽々子さんが指刺したのは倉庫。俺が呼びに行こうとすると庭の向こうからふわふわと、むしろわらわらと人魂が飛んできて倉庫に入って行った。
『きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
リリー、まだ幽霊が怖いんだよなぁ…。そうして見ている間にもどんどん人魂は入っていく。
『きゃああぁぁぁぁぁ!!ひぃっ!!こないで!!いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
悲鳴が続いている。……。幽々子さんは何がしたいんだろうか…。
「そろそろ良いかしら?」
「幽々子様。なにがしたいんですか?」
「いいのよ~」
「質問に答えてください…」
幽々子さんはふわふわと倉庫にむかって飛んでいく。その頃になると悲鳴も止まっており、中に居た人魂たちも出ていっていた。そしてなかから出てきた幽々子さんはまるで大きな人形を抱えるようにリリーを持って帰ってきた。ちなみにリリーは抵抗する気力もないのか、されるがままになっている。
「こうするとお人形みたいでしょ?」
「そのためだったのか?」
「こうしないと逃げるのよ」
「そんなことしてるから逃げられるんですよ」
水羊羹を食べながら突っこむ妖夢。今日も白玉楼はいつも通りだった。やっぱり居心地がいい。
魔法で作った氷と物質化で作ったうちわを組み合わせて簡易クーラーにしながらそう思った。
やっぱり定期的に甘くしたいなぁ…←
ゆ、百合展開にしてないだけいいだろ!←←
ルーチル?そんなこともあったなwww