第三章 傭兵と寺子屋
あ、ちなみにこれから(これまでもですが)サブタイトルは全て「傭兵と〜」となります。
シュウが目を覚ますと草原に寝っ転がっていた。目の前には青空が広がっていた。その青空は今まで見た中で最も突き抜けて高かった。初めて砂漠に行ったときにみた空よりもっと高い気がする。
なんだか懐かしい雰囲気がして、田舎で最後に見た空を思い出して、切なくなった。
俺は状態を起こして周りを見回した。するとここは小高い丘のようだった。遠くには学校の授業で見た江戸の集落の様なものが見えた。他はただただ自然である。
俺はとりあえず武器の点検をしようとして手ぶらなのに気がついた。迂闊だった。武器は全て車の中に置き去りになっていて、最後に持っていたハンドガンも突き飛ばされた時にあの女に抜き取られてしまった。
(丸腰か…。)
俺はなんの気なしにポケットに手を入れた。するとなにか当たるものがあった。
(これは…スペルカード…だっけか?)
なんだかんだで用語は覚えているみたいだ。
そこには『散符「キャニスター・ショット」』と書かれていた。
(直訳で散弾?散弾銃みたいな弾幕なんだろうか?そもそも弾幕自体散弾の様ではなかったか?しかしこんなスペルはあっただろうか?)
一人で考え込んでいると遠くから誰かが歩いてきている。慧音である。人影を見て反射的に銃を抜こうとしてその手は空を切った
「くせになってるんだな…」
「そこの人、どうしたんだ?そんな何もない所で突っ立って」
「いや、来たばかりだから周囲を確認してたんだ」
「外来人だったか、とりあえず里に来たらどうだ?妖怪にでも出くわす前に」
「あぁ、そうする」
シュウは一つ頷くとスペカをしまい、互いに自己紹介をしながら慧音の後に続いた。
シュウは寺子屋の職員室に来ていた。
正直腹が減った、が。そんな事を来たばかりで言うのも不躾な気がして慧音の「ちょっと待っててくれ」の一言でこうして一人たたずんでいるのだ。
「あのスペカはどんな弾幕なんだろうか…」
「なんだスペルカードを持っているのか」
「あ、あぁ。まぁ。」
いつの間にか慧音が帰ってきていた。
「使い方は解るか?」
「いや、気がついたら持ってたんだ」
「そうか…。では軽くレクチャーしていくか」
そうしてシュウは慧音にスペカの使い方を習うべく元いた丘に戻ってきた
「先ずはシュウの能力は解るか?」
「いや、全く。このカードからじゃわからないか?」
「銃弾?」
「みたいだ。まぁ、傭兵だからか」
「そうか、じゃあその銃弾を出すイメージ、だな」
「イメージ、ねぇ」
俺は右手を前に、それを左手で押さえて銃を撃つイメージをした。すると―。
「お、なにか出たようだな」「9mmパラベラム弾じゃないか…。おかしいな、ファイブセブンをイメージしたんだからSS190が出てくる筈なんだが…」
「その辺はよく解らないんだが、なにか違うのか?」
「俺がイメージした銃ではそいつは撃てないんだ、入らないから」
「そうか…。まぁ撃つのは銃ではなくお前だからな、問題ないだろう」
こうして慧音の特訓を受け続けた。
その間寺子屋の仮眠室で生活をし、妖怪の事や幻想郷での注意点を聞いたりしながら過ごした。
2週間もすると俺は銃弾の形をした弾幕が張れる様にはなっていたが、なにせ威力がない、見かけだけの弾幕だ。まだまだ訓練は必要なようだ。
なんだかんだで授業中に次話投稿〜←おいwww