第二十七章 傭兵とある夏の日常
シュウの新たな日常
「じゃあ、いってくる」
「…」
「妖夢?」
「最近、随分と熱心に練習してるみたいだけど―」
「無理はしないさ」
「あ、うん。それはそうなんだけどさ…」
「だけど?」
「私のこと、ほったらかしになってない?」
「そんなつもりじゃないんだが…」
「それは分かるけど」
「でも、強くなりたいんだ。妖夢に心配かけないようにも」
「シュウ―」
「じゃあ行ってくるから」
「あ…」
そう言い残してシュウは紅魔館に飛び立った。
(なんだか最近、さみしいな…)
「妖夢、ふられちゃったみたいね」
「幽々子様…。そんなんじゃないですけど…」
「追いかけてみたら?」
「大丈夫ですよ、シュウなら」
「そういう意味じゃなくて貴女の心情を配慮したのだけど」
「なんか言いました?」
「なんでも~。それより妖夢。水羊羹が食べたいわ」
「あ、じゃあ買ってきますね」
「ついでにおまんじゅうとカステラとみたらし団子と―」
「そんなに買いませんからね」
「…ケチ」
シュウは紅魔館に向けて飛びながら空を飛んでいた。
(妖夢にさみしい思いさせちゃってるな…。なんとかしてやりたいが。まぁ、後で少し休みを取ることでも進言してみるかね)
-ゴッ!-
考え事をしていた所為か何かに思いっきりぶつかってしまった。
「いってぇ…」
「あいたたた…。どこみてんのよ!周りに注意ぐらいしとき――あっ!」
「悪ぃ。こんどから気をつけ――お?」
ぶつかったのはクーラーことチルノである。チルノはシュウを見るなりこの前の事を思い出したのか一度真っ赤になり、その後ものすごい勢いで逃げていった。その先には大妖精とルーミアがいた。二人はこっちに近づいてきた。
「お久しぶりです。シュウさん」
「私はそんなに久しぶりでもないのだー」
「おぅ。ルーミアはこの前あったな。大妖精は紅霧異変のあとの宴会以来か?」
「そうですね」
そこで会話を聞いていたチルノが急にさけんだ。
「あ―――!なんか見覚えあると思ったらあの時の!」
「覚えてなかったのか」
「リベンジよリベンジ!さいきょーのあたいの前にひれ伏しなさい!」
「ルーミア、いつもこんなんなのか?」
「そうなのだー」
「無視するとはいい度胸ね!氷漬けにしてやんよ!」
「そのネタはどこで仕入れたのやら…」
「早苗に教えてもらったのだー」
「幻想郷にネタがあるのはその所為か…」
チルノが冷気を振りまけ始めたので大妖精やルーミアに当たらないように物質化しておく。すると思ったより冷気が多く、一瞬で氷漬けになったチルノは落下していった。
「え?マジ?」
「チルノちゃん!」
「落ちたのかー」
-ドボーン-
湖に墜落したようだ。氷なので水に浮くだろう。なので暫く三人で待っていたら氷の塊が浮かんできた。溶けるまで時間がかかりそうなので俺は紅魔館に向かうことにした。シュウはそこでようやく約束の時間を大幅に過ぎている事に気が付いたのだった…。
チルノフラグ消失ですがなにか?
いいんです、本妻がいるので←