第二十三章 傭兵とロリコン疑惑
タイトルからも判りますが。
シリアス?なにそれ美味しいの?
やっぱり書きたい物は変わらないんだよ。
春雪異変から二か月。
幻想郷は初夏を迎えていたー。
「さてと」
「あれ?シュウ、どこいくの?」
「魔理沙のとこいってくる」
「なんで?」
「言ってなかったか?今日は魔力の鍛錬にいくんだ」
「…聞いてない」
「悪ぃ、今度からちゃんとするよ。じゃあ、いってきます」
「早く帰ってきてね」
「了解。昼は適当に食べるからいいや」
「りょーかいっ。夜は豪華にするって幽々子様がいってたよ」
「絶対に帰ってくるさ、無くならないうちに」
妖夢に見送られ、シュウは軽快に飛んで行った。
――のは最初だけだった。
「……暑ぅ」
シュウの頬を汗が流れていく。飛んでいるため風に当たってはいるのだが、その風も生ぬるい。
「暑ぢぃぃ…」
口に出したところで変わりはないのだが。
しばらく飛行していたらあたりが涼しくなった。と言うかその一帯のみが涼しいようだ。なんとなくその森に降り立ってみた。
そこにあったのは黒い球だった。と言うか球状の暗闇が高さ一メートルぐらいのところに浮かんでいた。これ、ルーミアだよな?そしてその暗闇から氷の羽がはみ出している…がむしろ垂れているの方が適切かもしれない。
シュウはその暗闇を物質化してみた。するとその球体は落下し、中から「ぐえっ」と言う声が二人分聞こえた。そしてなかからくぐもった声も聞こえてきた。
「今度はなによ…」
「いたたた…。なにがおこったのかー?」
「知らないわよぅ…」
どうやら二人は事態を理解していないようだ。さらに言うとチルノはかなり参っているようだ。そこでシュウの目にとまったのは半分ほど飛びだしている氷の羽。試しにつついてみた。
「ひゃぁあ!」
「耳が痛いのだー…」
「い、いまのはなんなのよ!?」
「しらないのかー」
なんだか面白くなってきたので今度は掴んでみた。
「ふひゃあ!ひゃう!な、なにが、ああぁぁぁ!」
「チルノはどうしたのかー?」
シュウはこのままでは何かがマズイ気がして弄るのを中断し、その黒い球を転がして(持ってみようとしたら結構重かったから持つのが面倒になった)霧雨邸に向かった。
羽が球の下に来るたびに「ふぎゃあ!」やら「いったぁ!」とか言うのを聞きながら。
「なぁ、シュウ」
「どうした?」
「これ、なんだ?」
ところ変わって霧雨邸。魔理沙は俺が転がしてきた黒い球をみて興味をもったようだ。
…と言うか持たなかったら俺はコイツを疑う。
「拾ったんだ。この羽をつかむとしゃべるんだ」
―ぎゅむっ―
「ふぁ、あああ!」
「いい加減耳が慣れてきたのだー」
「…シュウ、ロリコンも程々にしとけよ?」
「どうしてそうなる」
「だってよぉ、今のってどう考えても『嬌声』だよな?」
「そうか?」
「いや、そうだろ」
試しに物質化を解いてみた。するとチルノを抱き枕のようにして涼むルーミアといろいろな意味でぐったりしているチルノが出てきた。
「シュウ、これをみて何とも思わないのか?」
「ルーミアが涼しそうだな」
「そうじゃないだろ」
「涼しいのだー」
「涼しいってよ。ほらみろ俺は間違ってない」
「そういうことじゃなくてだな…」
額に手を当てて嘆息する魔理沙。なにが言いたいんだか。
「じゃあ、チルノをみてなんか思うところはないのか?」
「暑そうだな。ルーミア、ちょっと離れてやったらどうだ?」
「せっかく涼しいのに。離れると暑くなるから”やっ”なのだー」
「お前、それ狙ってるのか?」
「なにがなのかー?」
「お前ら…」
魔理沙は本格的に呆れているようだ。全くもってわからん奴だ。
その後ぐったりして動かないチルノに当たらないように弾幕を打って練習したりした。
「なぁ、魔理沙」
「んー?」
「魔法ってどういう原理なんだ?」
「どうした?急にそんなこと言いだすなんてさ」
「いや、気になっただけだ」
「なんだったら教えるぜ。…パチュリーが」
「じゃあ行くか、紅魔館」
「おぅ」
俺たちは身支度を始めた。魔理沙は「どうせ行くなら中国と弾幕でもするか」といって帽子に「ボムと書かれた瓶」やら「栓付きのフラスコに入っている液体」とかを詰め込んでスペカをチェックしてから出てきた。俺はクーラー、もといチルノを持っていこうとした、が。魔理沙にめっちゃ『じとーっ』って感じで睨まれた上に「妖夢に今までの行為を誇張した上で『シュウはロリコンでした』って伝えるぞ」と脅されたので、しょうがなくクーラーをルーミアに預けて俺たちは紅魔館に向かった。
「ここがいいのかー?」
「ひゃう!」
「こっちなのかー?」
「あ、ああああ…」
「はむっ」
「あぅ」
後ろでじゃれている二人は涼しそうでうらやましい限りだ。
久しぶりに百合が書きたかった。
…どうしてこうなった。
ルーチルになってますが大チルも忘れてn(ry
ちなみにその話はまた今度、覚えてたら短編にしようかと。