幕間 スキマの疑念
宴会での一幕。
春雪異変後の宴会の一幕。
「紫、いるんでしょう?」
「えぇ久しぶりね、幽々子」
「良い寝覚めかしら?」
「宴会の声で起きるのは悪くないわ。これから毎年やってほしいくらいにはね、でも」
「でも?」
「この後の作業を考えると、ねぇ」
「なんかあったのかしら?」
「結界がほつれ気味でね。意図せずに大きな損傷が出来たりすることが多かったわ。少し落ち着いた頃に眠ったとはいえ、藍には苦労かけただろうね」
「藍なら偶に遊びに来たりしてたわよ?」
「…。どういうこと…?聞いてみた方が早いか、ら~ん!!」
「はい。どういたしました?」
「結界の方はどう?」
「それがですね、紫様が眠りに着いてから一度も皹すらありません。それどころか内部圧力も低下しています」
「ますます奇怪ね」
「紫様の処置ではないのですか?」
「なにが?」
「シュウ、と言う青年です」
「聞き覚えないわ」
「そう?紫、あれがシュウよ。白玉楼に住んでるわ」
「…もつものは持ってるみたいだけど、見おぼえないわね」
「でもシュウは紫にスキマ経由で幻想郷に飛ばされたって言ってたわよ?」
「記憶違いのはずもないわ。となると一体どういうことなの…?」
紫は暫く考えてから言った。
「藍、幽々子、彼には注意しておきなさい。決して死なしてはいけない。彼は鍵になるかもしれないわ。幻想郷が存続するための、唯一の鍵に、ね―」
実は八雲一家を出さなかったのには意味が―!?
…あったんだろうか。
とにかくちょいと布石をば