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弾丸と幻想郷  作者: 紀璃人
傭兵と終わらない冬
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第二十章 傭兵と白玉楼防衛線

妖々夢クライマックス!

 三人は冥界に入ろうとして結界に阻まれていた。

「なぁ、霊夢。どうやって入るんだ?」

「さぁ?」

「さぁ?って…貴女がこっちだって言うからきたんだけど」

「頑張れば破れるんじゃない?」

「例えばこんな風にか?」


恋符「マスタースパーク」


ドォォォォォ――ン…


 魔理沙のマスパによって結界に穴が穿たれた。そこから尋常じゃない量の春度が洪水の如く溢れてきた。

「やっぱりここだったわね。私の勘は間違ってなかったわ」

「むしろ間違ってたらナイフで剣山にしてたけど」

「なぁ、私頑張ったんだが…」

「結界が自己修復しないとも限らないし、入りましょ」

「おぉい!スルーは止めろよ!」

「暖かいわねこの中」

 魔理沙しょんぼり。



「む?結界が破られた…。あそこか、侵入者は。幽々子様には手出しをさせない…」

 妖夢は三人に気がつくと迎撃に当たるべく急行した。



「なぁ、この階段を上るのか…?」

「飛んで行くでしょ、普通」

「まぁ、そうだな。でも一度言っとかなきゃいけない気がしたんだ」

戯言たわごとを言ってる場合?ここは敵地だと言う自覚が足りないんじゃないかしら」

「だそうよ、魔理沙」

「霊夢もだろ」

「二人にいってるの」


「こんなところに侵入者が」


 三人のもとに着いた妖夢が殺気いっぱいに言った。

「早速敵のお出ましか」

「気を引き締めなさい」

「判ってるわよ」

「全員人間だな…。それでは、そのなけなしの春をすべて戴いていく!」

「来るぜ」


幽鬼剣「妖童餓鬼の断食」


 妖夢は目の前で刀を一振り、その軌跡から大量の弾幕をばらまく。今回は相手が三人もいるためかなりのアップテンポで放ち続ける、が。相手はいずれも劣らぬ熟練者。すべてをひらひらとかわしながら針を、ナイフを、マジックミサイルを撃ち込んでくる。妖夢は片方の剣で攻撃し、かわしきれないものをもう片方で切り落とし半霊で打ち落としていく。拮抗しているように見えたのは一瞬でやはり妖夢は劣勢を強いられる。

(次ッ!)

 妖夢はこのスペルを諦め次のスペルに移行する。


天上剣「天人の五衰」


 妖夢から五方向に団塊が飛んでいくそしてそれらは一斉に密集した弾幕を解き放つ。

「うぉ!」

「集中力がたりないわよ、魔理沙」

「今のは予想外だったんだからしょうがないだろ」

「しょうがないじゃ済まされないことになっても知らないわよ」

「二人とも、おしゃべりはそれくらいにしなさい。次弾がくるわ」

「「了解」」

 妖夢は内心かなり焦っていた。

(このスペルを前にして会話をする余裕すら見せている…。こいつら、ただものじゃない…。三人同時となると尚更マズイか…?)

 三人はこの間も攻撃の手を休めてはいない。妖夢は思考に気を取られていた所為か数発被弾してしまう。その所為で、皮膚を薄く削ぎ、血が出ていた。その時の痛みで集中力が切れて弾幕が止まってしまった。

 次に動いたのは霊夢だった。


霊符「夢想妙珠」


 霊夢から大きめの霊力弾が射出される。そしてこのとき霊力弾にさえぎられて三人の視界から妖夢が消えた。

 そしてこれは妖夢にとって大きな好機となった。

 迫りくる霊力弾を一刃のもとに切り捨て無力化したのちに体が隠れているうちに次の宣言を行う。


人符「現世斬」


 妖夢は最大速度で前に進むそして今まさに霊夢を切り伏せようとした時、横から焦り気味にスペルカード発動の宣言が聞こえた。


時符「プライベートスクエア」


 ゆっくりと引き延ばされた時間の中で咲夜は霊夢を引き離そうとした、が。しかしその刃は浅くではあるがしっかりと霊夢の肩を切り裂いていた。

 そして時間が元の速度を取り戻していく。そして霊夢は肩の痛みに顔をしかめ、反応出来なかった魔理沙と攻撃が致命傷を与えられなかった事に驚愕している妖夢に別の意味での焦りが生まれる。そこで咲夜は霊夢を後ろに立たせスペルカードを発動する。


奇術「エターナルミーク」


 咲夜は前方に大量のナイフを射出する。その速度や内に内苞されているチカラは通常の弾幕とは比べ物にならないものである。妖夢は二、三発被弾し傷が増えて集中力が切れそうだったため、追撃を断念し一旦距離を取ろうとした。そして視界の端で体制を整えてスペルカード片手にとてつもない魔力を込めている魔理沙を見つけた。妖夢の生存本能が、「鐘よ割れろ」とでも言わんばかりに警鐘を打ち鳴らしている。


恋符「マスタースパーク」


 虹色の極太レーザーが妖夢に向けて放たれて、今まさに飲み込もうかと言う時、間に割って入る影があった。


隔壁「マテリアル・ウォール」


 まるで色彩の欠いたかのような灰色の壁がベルリンの壁の如くそびえ立ち、そのレーザーを阻む。レーザーは壁を突き破らんとし、”砕けて”散っていく。そしてその破片は魔理沙へと降り注ぐ。

 その場にいた四人の顔が驚きに染まっていく。

「幽々子さんから伝言だ」

 ”彼”は一言ずつゆっくりと語っていく。

「”おもてなし”をしたらこちらへの案内をよろしく、だそうだ」

 その場に現れたのは白玉楼にすむ”人間”、シュウだった。

 妖夢は幽々子からの”伝言”に反応した。

「幽々子様を危険にさらすわけには―」

「俺は幽々子さんが良いってんなら喜んで歓迎する、が―」

 そこで一旦区切って、妖夢に一瞥をくれてから成年の男性特有のどすを利かせて、

「俺の妖夢を傷付けるなら話は別だ。絶対に撃ちのめす」

 言い放った―。


  ――to be Continued...


次話までぶっ通し!

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